最近の宇宙開発シーンから
殆ど管理人のメモと化しています…ドキュメント性のあるものは書き直してUPします。 |
最近の宇宙開発シーンから
☆地球深部を形成する高温の岩石「マントル」が、上部と下部で化学組成が異なる2層構造であることを、東北大学大学院理学研究科の村上元彦准教授らのグループが突き止め、3日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。マントルは対流して混ぜられ均質だとする一般的な学説を覆す発見で、地球の形成進化史を塗り替える可能性があるという。
グループは大型放射光施設「SPring8」(兵庫県)で、マントルがある地球深部と同程度の高温・高圧力状態を再現し、地震波の速さを測定することに世界で初めて成功。実験データから、下部マントルは、上部マントルの主成分のかんらん石よりケイ素を多く含む鉱物が93%を占めており、上下で異なる化学組成であることが解明された。【時事 05.03】
☆宇宙航空研究開発機構は27日、地球から約1万光年離れた場所で、核融合で光り輝く恒星が終末期に近づき巨大化した「赤色巨星」が、大量のガスやちりを噴き出す様子をとらえたと発表した。
50億年後の太陽とほぼ同じ姿とみられる。数万年に1度の割合で繰り返すと考えられる噴出を確認したのは初めてという。
同機構の山村一誠(いっせい)准教授らは、米国の赤外線天文衛星が撮影した天体2億6000万個のデータを過去の観測記録と比較し、いて座方向に非常に明るい天体を発見。地球100個分に相当するガスやちりがある上、その温度がきわめて低いことから、赤色巨星からガスなどが噴出した可能性が高いと判断した。【読売 04.30】
☆地球から遠く離れた天王星のオーロラをハッブル宇宙望遠鏡で観測することにパリ天文台などの欧米研究チームが成功し、28日までに米地球物理学連合誌に発表した。天王星のオーロラ観測は、1986年に米探査機ボイジャー2号が天王星近くを通過した際にとらえて以来。カーテンのようにゆらめく地球のオーロラとは違い、淡く光る点状のオーロラが数分間みられたという。
オーロラは太陽から飛来する電気を帯びた荷電粒子が、惑星の磁気圏などと相互作用して発生する。天王星の太陽からの距離は、地球―太陽間の20倍近くあり、地球を周回するハッブル望遠鏡からオーロラを観測するのは容易ではない。研究チームは、太陽で荷電粒子が大量に発生する爆発現象が相次ぎ、地球と木星、天王星が一直線上に並んで荷電粒子が遠くまで飛びやすくなるチャンスをとらえ、昨年11月に観測に成功した。【時事 04.28】
☆宇宙航空研究開発機構は、7月に打ち上げる無人補給機「こうのとり(HTV)」3号機を、8月下旬に国際宇宙ステーションから分離して南太平洋上空の大気圏に再突入させる際、高温で分解しながら燃える様子を初めてカメラで撮影する。SFアニメや映画に出てくる大気圏再突入の様子を、連続写真で見ることができるという。
欧州宇宙機関は2008年に無人補給機ATVが燃え尽きる最終段階を飛行機から撮影したが、宇宙機構は、IHIエアロスペース(東京都江東区)が開発した球形の耐熱観測装置を3号機に搭載し、最初から最後まで撮影する。
HTVは直径4.4メートル、長さ10メートルの円筒形。再突入でほぼ燃え尽きるが、一部は海に落下する。撮影は、どのような部品がどの程度の範囲に飛散・落下するかを調べるのが目的。【時事 04.15】
☆北朝鮮は15日、故金日成(キム・イルソン)主席の100回目の誕生日に合わせて行った軍事パレードで、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と推定される新型の長距離ミサイルを初めて公開した。
韓国軍消息筋は同日、このミサイルについて「まだ一度も試験発射したことがなく、実戦配備したかどうかは不確実だ」と述べた。ミサイルは直径2メートル、長さ18メートル以上で、射程距離は中距離弾道ミサイル「ムスダン」(約3000~4000キロ)よりも長いと推定されると説明した。
北朝鮮が50発(2009年基準)を実戦配備したムスダンは直径1.5~2メートル、長さ12~18.9メートルで、2010年10月の朝鮮労働党創建65周年記念の軍事パレードで初めて公開された。
また別の韓国軍消息筋は、北朝鮮が新型ミサイルを配備したかどうかを韓米の情報当局が追跡中だとした上で、「ミサイルの長さがムスダンより長い。射程距離は約5000~6000キロで、ICBM級に分類できる」と話している。【聯合ニュース 04.15】
☆北朝鮮の弾道ミサイルが爆発し、打ち上げに失敗したことについて、専門家は「十分な地上実験を繰り返せば防げる初歩的なミス」と指摘している。
爆発は1段目の噴射中に起きたとみられている。久保田浪之介・元防衛庁技術研究本部第三研究所長は「燃料ポンプが途中から異常に作動し、エンジンが高温となって爆発に至った可能性がある」と推測する。
また、前回の打ち上げからエンジンに改良を加えたときに起きやすいのが「振動燃焼」。エンジンの形状を変更した場合、異常な振動が起きてエンジンを爆発させることがあるという。
久保田氏は「十分な地上実験を行えば、こうしたミスは起きない。確認作業で忙しいはずの打ち上げ直前に『人工衛星』を公開するなど、経験が少ないのに、打ち上げを甘く見ていたのではないか」と話す。【読売 04.14】
☆中国の著名な反体制活動家で、1980年代の民主化運動で指導的役割を果たした天文物理学者の方励之氏が、亡命先の米アリゾナ州で死去したことが7日、分かった。76歳だった。
死因は不明。89年6月の天安門事件の元学生指導者、王丹氏ら海外在住の民主活動家がツイッターなどで明らかにした。
方氏は天安門事件で学生の民主化要求運動を支持。事件直後に共産党政権の弾圧を恐れ、北京の米国大使館に保護を求めて避難した。その後、政権は「反革命運動を扇動した」として方氏を指名手配し、方氏は大使館での生活を余儀なくされた。方氏は1年後の90年6月に出国が認められ、英国滞在を経て米国に渡った。
方氏は、共産党の一党独裁に反対して中国の民主化を要求する言論活動を展開し、胡耀邦総書記(当時)の失脚に絡み、1987年1月、中国科学技術大学の副学長を解任され、党除名の処分を受けた。中国の反体制派学者を代表する人物で「中国のサハロフ」と称され、海外の民主活動家の精神的支柱でもあった。【読売 04.07】
☆米国務省のトナー副報道官は5日の記者会見で、北朝鮮が「衛星打ち上げ」の名目で予告している長距離弾道ミサイル発射に関し、航空宇宙局(NASA)には現場視察の招待が来ていないことを明らかにした。
同副報道官は「米国として発射を視察する意図はない」としつつ、「招待状が来るとすればNASAに送られるだろうが、受け取っていない」と説明した。さらに、「今回の『衛星』発射は国連安保理決議に違反する」と述べ、改めて発射中止を求めた。
北朝鮮は、ミサイル発射が平和的な人工衛星打ち上げ目的だと主張し、外国の専門家や記者団を招待している。日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)やロシア宇宙庁もそれぞれ招待状を受け取ったが、両国とも拒否する方針を示している。【時事 04.06】…あれっ、招待あったという話がありませんでしたっけ…どっちなんだ…
☆ロシア宇宙庁が絶賛開催中の宇宙飛行士公募、4月4日現在、225名の申し込みを受けたと。内、40名が宇宙業界で107名が他の機関、15名が兵士。また、女性は11名(4名は宇宙業界より)。選抜委員会は129名を書類通過で、この後更に67名からの申し込みを審査予定。
4回の会合で選抜委員会は、さらに23名に絞りこみ、更に8名が試験の結果落とされたと(←文面だけからはココいまいち漠然)。募集は現在も続いており、〆切は今月30日。詳しくはこちらへ。【ロスコスモス 04.04】
☆玄葉光一郎外相は4日の記者会見で、5日付で外務省総合外交政策局に宇宙室を新設すると発表した。
宇宙室は職員10人程度で構成。宇宙空間の利用に関する国際規範の整備や、宇宙関連施策の推進を担当する。外相は「宇宙空間が持つ外交・安全保障上の意義は近年ますます大きくなっており、積極的な役割を果たす一環として設置する」と説明した。【時事 04.04】
☆下は、「ルナ・リコネッサンス・オービター」(LRO)によって撮影されたルノホート2号。下の方で掲載のルナ・サンプルリターンの記事と同様、低軌道(高度24キロ)から撮影されたものです。展開した太陽電池パネルの姿がくっきり出ている(ラベルL)のに加え、これがまた驚異的なのは、フロントに取り付けられた観測装置(I)が見えていること。
この観測装置はテレビカメラプラットフォームと考えられます。
ルノホート2号は1973年1月、ルナ21号に搭載され「ル・モニエ」クレーターに着陸、4ヶ月で37キロを走行し、故障のため活動を停止しました。(下は着陸地点(L17)と、最終停止地点)
大きいサイズはこちらへ【LRO 03.13】
☆長距離弾道ミサイルの発射実験とみられる「衛星」打ち上げで、北朝鮮が日本の宇宙航空研究開発機構以外にも米中ロなど7カ国の宇宙開発機関と欧州宇宙機関(ESA)に視察招待状を送付したことが4日分かった。日本政府関係者が明らかにした。
これらの8カ国とESAは、自前のロケットで衛星を打ち上げる能力を持つとされる。招待状の送付は、北朝鮮を「宇宙開発先進国」として国際社会に認知させる狙いとみられるが、米航空宇宙局(NASA)は既に辞退。日本の宇宙機構も、官邸の指示で3日に不参加の連絡をした。
日本政府は中国やロシアにも出席しないよう働き掛けているという。【共同 04.04】
☆NASAの月周回探査機「ルナ・リコネッサンス・オービター」(LRO)は現在、高度を落として観測を続けていますが、先日、ロシア(ソ連時代)の月探査機「ルナ23号」及び「同24号」のクローズアップ画像がリリースされました。
LROによる米ソ月面探査の“遺留品”は2010年にも撮影され、アポロの着陸地点などが話題になりました。この時、ソ連のルナ16号、20号、23号、24号(いずれもサンプルリターン機)、ルノホート1号、2号の姿も撮影されリリースされました。
ちなみにLROによるルナ・サンプルリターンシリーズの着陸地点同定は優先事項だったそうです。地球へ持ち帰られた資料がどのような場所で採取されたものなのかがはっきりすれば、サンプル分析結果をより深く理解することができるからです。
今回、そのルナ23号の詳しい姿がリリースされました。ルナ23号は1974年に打ち上げられ、着陸には成功しシグナルも送ってきましたが、サンプル収集が作動せず、結局失敗に終わったものです。下は改めて(より高解像度で)撮影された着陸地点周辺。23号と24号は至近距離に着陸しました。
下は、23号の高解像度画像。これは2010年には出なかったものです。
サンプルリターン機は上下2段で構成されており、土壌サンプルを上段が地球へ持ち帰ります(右・想像図)。
上の画像で衝撃的なのは、その上段(A)が転落し、下段(D)の脇に転がっている様子。
着陸成功したルナ23号にはサンプル収集コマンドが打たれましたが、それには反応がなく、結局上段の機動も確認されず、ミッションは失敗しました。はっきりした原因はわかりませんでしたが、可能性としては、着陸速度が速すぎたため装置が壊れたのではないかということが指摘されていました。
今回、壊れるどころか、外れて転落していることが明らかに。コマンドにも反応しないはずです。それにしても、それほどの衝撃でも下段は生きていたのも、奇跡ですね。
一方、下はルナ24号のクローズアップで、高度29キロから撮影。23号の2年後の1976年に打ち上げられたもので、最後のサンプルリターン機。直径64メートルのクレーターのすぐそばに着陸していたのでした。
不自然に輝度の明るい点が散らばっていますが、これは恐らく、下段を覆っていたブランケットが上段のエンジン噴射で剥がれて粉々になって飛び散ったものではないかと解釈されています(この断片は数キロ先まで散っています)。
ルナ24号が持ち帰ったサンプルは170グラムでしたが、分析結果には驚くべきものがありました。着陸領域が「危機の海」(Mare Crisium)であることはわかっていたのですが、チタンが多いことなど、その地勢からの推測とかなりずれていたのです。
当時は謎のままでしたが、結局、24号が持ち帰ったのはクレーター形成時に地下から飛び散った物質であったという訳です。
大きいサイズはこちらへ【LRO 03.16】
☆大ヒット映画「タイタニック」(1997年)のジェームズ・キャメロン監督(57)が米天文学者の指摘を受け、英女優、ケイト・ウィンスレットさん(36)の演じるローズが流木につかまって漂流しているシーンの星空を、今月公開される3D版で修正していたことが分かった。1日、英紙デーリー・テレグラフが伝えた。
間違いを指摘されたキャメロン氏は、天文学者からタイタニック号が沈んだ1912年4月15日未明の星図を手に入れ、そのシーンを撮り直したという。【産経 04.03】
☆宇宙航空研究開発機構は2日、小惑星探査機「はやぶさ2」などの計画を応援する寄付金の募集を始めた。
宇宙機構のホームページから、自分の応援する計画に1000円単位で、クレジットカードなどを利用して寄付できる。
現在は、2010年に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の後継機で、2014年に打ち上げ予定の「はやぶさ2」や、有人宇宙船の開発、宇宙教育など10計画を提示している。
宇宙機構は「これまで宇宙活動を応援したいがどうしたらいいか、という問い合わせが多かった。いただいた寄付は有効に活用したい」としている。【読売 04.02】
☆北朝鮮からJAXA=宇宙航空研究開発機構に招待状が届けられていたことが分かりました。
日朝関係筋によりますと、北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会からJAXAに「人工衛星」打ち上げに招待するという文書が届いていたことが分かりました。ANNが入手した招請文には、「(衛星)打ち上げの様子を実況で見学することができ、専門家との懇談もできる」と記されています。JAXAは、北朝鮮からのこのようなオファーは初めてで、現在、協議中だとしています。北朝鮮は各国の専門家を招待することで、ミサイルの発射だとの国際的な批判をかわす狙いがあるとみられます。【テレ朝 04.02】
☆エイプリルフールネタは移設しました→くまモン、宇宙へ
☆韓国国防省当局者は25日、北朝鮮が衛星打ち上げ名目で来月の発射を予告した長距離弾道ミサイルの本体が、西部・東倉里の基地に搬入され、発射準備が進められていると述べた。北朝鮮外務省スポークスマンは23日、「衛星打ち上げのための準備作業が本格的な実動段階に入った」と言明したが、発射に向けた実際の動きが明らかになったのは初めて。
日米韓など国際社会は自制を求めているが、北朝鮮は聞き入れず、発射に踏み切る構えとみられる。【時事 03.25】
☆25日付の中国紙・新京報は、中国が6~8月に打ち上げる有人宇宙船「神舟9号」に、中国で初めて女性飛行士が乗り組む見通しで、暫定的に人選を確定したと報じた。
氏名は明らかにされていないが、女性飛行士は空軍パイロットから15人が選抜され、訓練などを経て2人に絞り込まれていた。北京日報によると、いずれも25歳以上の既婚者で出産経験がある。
中国は2020年ごろに独自の宇宙ステーションを建設する計画。神舟9号には飛行士3人が乗り組み、昨年打ち上げた無人宇宙実験機「天宮1号」と初の有人ドッキング実験に臨む。【時事 03.25】
☆2016年の火星探査計画「ExoMars」についてESAとロシアは今月中旬にも合意する方向という話が先日あったが、遅れているようだ。来月6日、両者はモスクワで会合を開き、合意を目指すと。
ExoMarsは本家ESAでも苦しんでいるような気配。コストとして加盟国より計10億ユーロを見込んだが、8億5千万ユーロしか集まっていないとRIAノーボスチ。
☆4月30日に予定されているソユーズTMA-22宇宙船の帰還を、同27-28日に前倒しの可能性。理由は30日がメーデー祝日のため。RIAノーボスチ。
☆ロシア宇宙庁が宇宙飛行士希望者を公募したものの思った以上に集まらなかったという話であるが、〆切を来月30日まで延長。この公募は今年1月に始まり、今月15日が〆切だった。ちなみに現時点での応募者は151名。詳細はこちら。
ちなみにその応募要項はガガーリン宇宙飛行士訓練センターで公開されている。ロシアがどんな基準で飛行士を選んでいるか参考になり興味深い。
かいつまむと、年齢は33歳以下。専門技能としては、1カ所で最低3年の勤続、有人宇宙飛行についての最低限の基礎知識、宇宙技術開発能力、標準的なロシア語運用能力(ロシアの中学生レベル~)、IT運用能力(メール、PC)、世界史の知識、最低限の文化教養、などを有するものetc..。
身体については、身長150-190cm、座高80-00、体重50-90、フットレングス最大29.5cm、肩幅最大52cm、着席状態での臀部最大41cm。他にも細々条件が付くが、満たすのを考えるとほぼ業界人に限られる。最初からこれを提示していたらそりゃ応募もなかろうと思ったり・・。
☆露宇宙庁ポポフキン長官が19日朝から職務復帰。過労のため7日から入院していた。あちこち飛び回り時差帯を何度もまたぎ、リズムを崩したのが原因と。ただ一部報道によると、(転倒による?)脳しんとうと頭部の傷のためとも。RIAノーボスチ。
☆バイコヌール宇宙基地サイト254では、4月20日打ち上げ予定のプログレスM-15Mと5月15日予定のソユーズTMA-04Mのチェックが続けられている。ロスコスモス。
☆下の記事とまったく矛盾していますが…イズベスチアが次のような一報を。
昨年末のフォボス・グルント計画失敗を受けて、今後予定されていた惑星探査計画の殆どを打ち切る方向で考えていることが明らかになった。
打ち切られる計画には、火星面に無人観測装置網を構築する“マーズNET”、水星探査計画「マーキュリーⅡ」、金星に着陸機を飛ばす「ベネラD」、宇宙天文台衛星「スペクトラムRGM」「同UFM」などであるという。
ロシア宇宙庁としては、ロシア北極域領土を常時モニターする衛星網「アルクチカ」の構築を優先したいようである。詳しくはこちらへ【イズベスチア 03.14】
…結局どちらが正しいのか↑↓しばらく様子を見ましょう・・
☆ロシアが2030年までに有人月着陸、火星面への無人観測ネットワーク設置、及び木星および金星探査を構想していることが明らかとなった。
ロシア宇宙庁は先頃、政府に対し向こう18年間の宇宙開発計画を提出、これを入手したロシアの経済紙“Kommersant”がスクープした。
それによると、まず2020年までに6人乗り宇宙船/アンガラロケットを完成させ現行のソユーズと置き換える。これは極東の建設中のボストチヌイ宇宙基地(18年フル稼働予定)より打ち上げる。
2030年までに月面にサンプル収集の無人探査機を飛ばし、最終的に有人月面着陸を達成させる。他にも、太陽系惑星探査やISS計画をフォローする案などが謳われているという。
なお、大統領に返り咲いたプーチン氏は宇宙開発への支持を表明しており、昨年のガガーリン50周年では「(ソユーズで人員を送り迎えするだけの)フェリー係の役割で終わるべきではない。宇宙市場でのプレゼンスを高める必要性がある」と語っている。詳しくはこちらへ【Wired Science 03.14】
☆国立天文台は16日、19世紀末から20世紀初めにかけて東京都心で撮影された天体写真437枚が発見されたと発表した。1899年撮影の日本最古のものや、日本で初めて発見された小惑星の写真も含まれており、日本の天文学が江戸時代の東洋暦学から現在の天体物理学に移行する期間の貴重な資料という。
国立天文台は所蔵する古い観測装置や写真などを整理してきたが、昨年9月になり、1905年撮影の写真プレートが入った古い箱を発見。さらに調べた結果、1899年から1917年にかけて撮影された星座や小惑星などの写真437枚が見つかった。大部分は国立天文台の前身の東京帝国大学東京天文台が撮影した写真という。【時事 03.16】
☆北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委員会スポークスマンは16日、「4月12日から16日の間に実用衛星を打ち上げる」と発表した。北朝鮮はこれまで、衛星打ち上げの名目で長距離弾道ミサイルを試射しており、今回も同様とみられる。北朝鮮が長距離弾道ミサイルの試射をするのは2009年4月以来3年ぶりとなる。
4月15日の故金日成主席生誕100周年に合わせ、新指導者金正恩氏の実績を誇示する狙いとみられる。核開発を進める北朝鮮が、長距離弾道ミサイル試射を予告したことで、北東アジア情勢は一気に緊迫化しそうだ。
長距離ミサイル発射は先の米朝合意に違反し、合意と引き換えに米国が約束した栄養食品支援への影響は必至だ。北朝鮮のウラン濃縮活動の一時停止など核問題の行方も不透明さが増した。【時事 03.16】
☆素粒子ニュートリノの種類が変化する「ニュートリノ振動」という現象のうち、これまで唯一発見されていなかったパターンの振動を発見したと、米中などの国際研究チームが8日、発表した。
今回の発見によって、ニュートリノ振動の全体像が判明した。
この振動の存在は日本の高エネルギー加速器研究機構などが昨年6月、世界で初めて99・3%の確率でとらえていたが、今回の実験では発見と言える確率で確認できた。分析をさらに進めることで、宇宙誕生直後には同数あった物質と反物質が現在では物質だけになった「CP対称性の破れ」という謎の現象を解明できる可能性があるという。
ニュートリノには電子型、ミュー型、タウ型の3種類があり、飛行中に別の種類に変化する「振動」と呼ばれる現象を起こす。その変化の仕方には3種類のパターンがあるが、うち1種類だけが発見されていなかった。
研究チームは、中国南部にある大亜湾原子力発電所から数百メートルの距離と、1キロ・メートル以上離れた距離に測定器を設置。昨年12月から今年2月まで、原子炉での核分裂に伴い放出される反ニュートリノを観測し、その変化のパターンを調べた。
その結果、これまで確認されている2種類の振動だけでは説明がつかない現象を99・9999%以上の確率で見つけた。この振動が確認されたことで、CP対称性の破れの存在の前提条件がそろったことになる。【読売 03.09】
☆政府が宇宙航空研究開発機構法(JAXA法)を改正し「研究を平和の目的に限る」との記述の削除を目指していることについて、異議を唱える研究者有志が反対署名活動「JAXA・フォー・ピース」を始めた。元宇宙飛行士の秋山豊寛・京都造形芸術大教授や、国際政治・平和学者の浅井基文氏ら6人が呼びかけ人に名を連ねている。
国会に提出された改正法案は、「平和目的に限る」の記述を削除し、宇宙の防衛利用を認める宇宙基本法の記述に合わせた。これに対し署名活動を始めた研究者らは「憲法の平和原則に抵触し(軍事機密に阻まれて)科学の公開性が侵される」などと批判している。
7日、東京都内で記者会見した呼びかけ人の一人で宇宙物理学者の池内了(さとる)・総合研究大学院大理事は「軍事利用は歯止めがなく、『安全保障』という言葉でどんどん拡大していく。人々が(小惑星探査機)はやぶさにあこがれを持ったのは、平和で純粋な科学研究への称賛でもある。人々の気持ちを大事にするには平和路線が重要」と訴えた。【毎日 03.07】
☆今年7月中旬から国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する予定の宇宙飛行士、星出彰彦さん(43)が28日、モスクワ郊外のガガーリン宇宙飛行士訓練センターで、ソユーズ宇宙船の打ち上げや軌道に乗せる際のシミュレーションなどの公開訓練を行った。
今年は日本の宇宙計画として毛利衛さんが初飛行して20年に当たることから、星出さんは記者会見で「日本の宇宙開発がここまで来たというところを見せたい」と抱負を述べた。訓練前には「(2度目となるISSに)戻れるのを楽しみにしている。特に不安はない」と話した。【共同 02.28】
☆1986年に起きた米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル「チャレンジャー」の空中分解事故の瞬間をホームビデオで撮影した映像が26年ぶりに見つかり、科学誌ニュー・サイエンティストによって公開された。
チャレンジャーは同年1月28日、打ち上げ直後に爆発事故を起こし、搭乗していた宇宙飛行士7人全員が死亡した。この事故の様子をVHSビデオテープに記録したのはニューヨーク州在住のボブ・カーマンさん。CNNの番組に出演し、「テープを見るたびにあの悲劇がよみがえり、感情がこみ上げてくる」「宇宙へ出かけていく宇宙飛行士たちの勇気に思いを新たにする」と語った。
カーマンさんは、事故の起きた日、妻(故人)と当時3歳だった娘のキムさんとともに休暇から戻る途中で、フロリダ州オーランドの空港にいた。ケネディ宇宙センターまでの距離は約80キロ。事故が起きたとは気づかないままビデオを回し続け、白い煙が立ち上る映像のバックには「(宇宙へ)向かっているんだよ」という見物人の声も収録されていた。
カーマンさんは「何かおかしいとは感じていた」「しかし帰りの飛行機の中で、機長から悲劇が起きたと告げられるまでは分からなかった」「機内は静まり返った」と振り返る。
このテープを偶然見つけたのは、引退を控えてホームビデオをデジタル化するプロジェクトに取りかかったことがきっかけだったという。ビデオの冒頭に映っている娘のキムさんは今はニュー・サイエンティストに勤務しており、カーマンさんが送ったテープのコピーが同誌で取り上げられた。
「テープのことは覚えていたが、私が覚えているよりもずっと質が良かった」とカーマンさんは話している。【CNN 02.27】動画はこちらへ
☆宇宙探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワの微粒子を見ることができる「スペースサイエンスワールドinとっとり」が25日、鳥取県倉吉市の倉吉未来中心で開幕した。はやぶさの開発者や微粒子の研究者らによる講演やシンポジウムも行われた。微粒子のライブ映像は最終日の26日も見ることができる。
微粒子は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に認められた研究機関に配布されており、同県三朝町の岡山大地球物質科学研究センターでは最大で0・1ミリ程度の8粒を分析。今回公開されているのは、同センターの電子顕微鏡にセットされている微粒子のリアルタイム映像で、会場のパソコンにつながれている。
約50人ずつの入れ替え制で1組が約20分間、同センターの研究者の説明を聞きながら微粒子を観察。顕微鏡を遠隔操作しながら宇宙のロマンに思いをはせる参加者も。岡山市の小学5年、松浦明日美さんは「はやぶさが持って帰った粒子の小ささにびっくりしました。宇宙に興味があるので、将来はJAXAの研究員を目指しています」と感激した面持ちで話していた。【産経 02.26】
☆最近のロシアの動向より…多忙でメモが途絶えていて申し訳ありません。。
バイコヌール宇宙基地にて、プロトンMロケットが射点へ設置された。ペイロードはオランダの通信衛星。もともと12/26に飛ばす予定だったが1/29に延期され、それが更に延期されていた。今月15日午前4時36分(日本時)打ち上げ予定と(2月11日)
NASAの2013年予算を見ていた。既に噂されていた通り、エクソマーズからは撤退と。(2月14日)
ロシア宇宙庁が企画した宇宙飛行士公募に対し、現時点で応募は僅か43名と。うち27名は宇宙開発関連企業からで、6名は女性、軍人が3名、7名がその他からの申し込み。もっとたくさんの公募を期待していたという。RIAノーボスチ(2月14日)
ロシア宇宙庁は、国際宇宙ステーションISSへの飛行士滞在期間が今後1年以上のケースもあり得ると。将来の火星有人探査に備えた試行の目的。先にMars-500閉鎖実験が行われたが、そのISS版を考えていると。RIAノーボスチ。(2月14日)
ソユーズTMA-04M宇宙船のテスト中破壊に伴い、そのフライトも含めた今後の飛行計画に関する決定が来週20日に下されるとのこと。RIAノーボスチ。(2月14日)
ロシアが構想している自動補給宇宙船OKA-T、2016~17年に初フライトと。ただし完成すればの話と。(記事によると、これは有人仕様になるようで・・)。RIAノーボスチ(2月14日)
ロシア、新型有人宇宙船のテスト飛行を2015~16年にターゲット。現在は技術設計段階と。この宇宙船は現行のソユーズ宇宙船の後継機となるものであると。また、極東に整備が予定されている新宇宙基地がまだできていなくても、バイコヌールからのテストが可能と。「ロケットとしてはアンガラとくることになるが、プロトンやゼニットもあり得る」と。以上の記事はRIAノーボスチより(2月14日)
プロトンは無事衛星を運んだようですね。よかった。(2月15日)
「プーチン首相に南極氷底湖の水届く、大臣はやりとりに冷や汗」
(記事こちら)
今月2日、NASAの地球観測衛星テラが撮影したカムチャッカのキジメン火山。この火山の溶岩は非常に粘性が高いと(こちら)。NASA(2月19日)
☆宇宙航空研究開発機構は9日、国産のH2Aロケットを改良し、2013年度に改良型の初号機を打ち上げる方針を明らかにした。
改良によって、搭載する人工衛星の燃料を節約できるようにし、世界の打ち上げビジネスで競争力を確保する狙いがある。
H2Aロケットは昨年12月、20号機の打ち上げに成功し、成功率が信頼性の目安となる95%に達した。だが、北緯約30度にある鹿児島県種子島から打ち上げるH2Aは、衛星を赤道上空の静止軌道に投入する際、衛星側に余分な燃料を使わせてしまう。衛星の寿命も短くなる。
その結果、赤道付近から打ち上げられる欧州のアリアンロケットなどに衛星打ち上げの注文を奪われてしまうことが多かった。改良型では、第2段エンジンの使用時間をこれまでの1時間から5時間に延ばし、衛星側の燃料使用量を少なくする。衛星の分離機構も爆薬を使わない方式に変更し、衛星に与える衝撃を約4分の1にする。【読売 02.09】
☆最近のロシア報道よりメモを…(古い順です
フォボス・グルント失敗調査委員会は、報告書をロシア宇宙庁長官へ30日提出と。同長官はこの報告書を、ロシア副首相へと。RIAノーボスチ。
フォボス・グルント失敗調査委員会はその主たる原因として、プログラムエラーをあげていることが、関係筋の話で明らかになったと。ロシア紙Коммерсантが報じていると。RIAノーボスチ。
フォボスGの失敗についてある関係筋は、2007年にさかのぼると。当時のラボーチキンのトップは、45歳以上のベテランを外し、30~40代の若手を多く起用したと。またその後の引き継ぎも適切に行われなかったため、ハードとソフトの開発が連携して行われなかったと。「2011年の打ち上げは再度延期することができたのでは?」という問いに対してその関係筋は、「仕切り直しは可能だった。しかし我々は急いでいた」と語る。「オリジナルのFG計画に対し、中国の相乗りが決まってから、システムは重量を増しかつ制御が面倒なものになった」とも。MKRUより。
上のラボーチキンでの人事の問題は、RussianSpacewebのこちらの記事にわかりやすく解説。
フォボス・グルントについて、地上試験ではソフトウェアにバグやシステムに欠陥などは発見されなかったと報告されているようだ。RIAノーボスチ。
露宇宙庁ポポフキン長官は31日、フォボス・グルントは宇宙線がコンピュータに影響を与えたため障害を起こしたと語った。RIAノーボスチ。
年末のメリディアン衛星打ち上げ失敗についてポポフキン長官は、上段エンジンの破壊(爆発?)が原因と。RIAノーボスチ。
露宇宙庁ポポフキン長官、フォボス・グルントには半導体チップにも問題があった可能性に言及。そのチップは輸入品と。RIAノーボスチ。
ちなみに、輸入チップはアジア製とのこと(以前リリースされた記事によると)。
フォボス・グルントに水準のチップが使われていなかった疑いについて、2009年のグロナスMと状況が似ていると。当時、既に軌道上にあるグロナス衛星がダウンしたことがあったが、原因にチップが浮上し、既にスタンバイしているプロトンを一旦戻して衛星を出し、ユニットの交換が行われたと。そのグロナスの件は後に、部品に輸入品が使われていたことが明らかになったと。RIAノーボスチ。
フォボス・グルントには95000のチップが用いられたが、その6割が宇宙機仕様ではなかったと・・。 RIAノーボスチ。
メディアによると、テスト中に破壊が生じたソユーズTMA-04M宇宙船は、丸ごとTMA-05Mに置き換えられる方向と。また、TMA-04Mの試験に関わった作業員のうち2名が亡くなったと。(これはストレスによるものとみられる)
フォボス・グルント失敗調査委員会の報告書は数日内に公表される方向と、露宇宙庁ポポフキン長官。RIAノーボスチ。
ロシア宇宙庁は、フォボス・グルントにかけられていた15億ルーブルの保険金を受け取る方向と。ポポフキン長官が明らかに。RIAノーボスチ
ポポフキン長官はまた、2020年までにロシア人飛行士を月面に立たせたいものだと語る。(先ほどのポストから)一連の発言は、ラジオ局「モスクワの声」の番組内でのもの。なお、月への飛行士は、すでに宇宙飛行士にあるものに加え、技術的、医学的素養のある一般人にもチャンスがあると。
ロシア宇宙庁ポポフキン長官は、先に輸入物の(宇宙機仕様にない)チップを用いた可能性があると発言していたが、それを否定し、結局フォボス・グルントではそのようなものは用いられなかったと述べたと。RIAノーボスチ。
フォボス・グルント失敗調査委員会の報告書。ロシア宇宙庁リリース。(これは要旨かな)http://www.federalspace.ru/main.php?id=2&nid=18647
報告書によると、フォボスG製造過程で技術的ミスはなかったと。宇宙線がコンピュータボードに影響を与え不慮の再起動をさせてしまったことがトラブルの引き金になったと考えられると。RIAノーボスチ。
ロシア宇宙庁ポポフキン長官は、フォボスGの失敗に関し、誰かをクビにするといった粛正は行わないと。「私はパージには反対だ」と。やるべきことは組織の改編であり、それはすでに始めていると。「もしちくいち処分を飛ばしていたら、誰もいなくなってしまう。それをみている若手は恐怖を感じるだろう」と。長官はこの頃の失敗続きの状況について、「原因の1つは人材にある。かつて宇宙開発現場の平均年齢は45歳だった。しかし今や当時の中年層は高齢化し、若手は給料のいい分野へと去ってしまった」と。もう一つの原因には組織の仕組みがあると。(トップのポジションとあり方について書いてあるが背景がわからないのでわからない)。昨年、ロシアは34の打ち上げを行ったが、うち5回を失敗した。以上、RIAノーボスチより。
http://ria.ru/science/20120203/555842093.html
フォボス・グルント失敗報告書によると、打ち上げ後地球2周目まではノーマルだったと。非常モードに入ったあと、constant solar orientationフライトモードに入った。11月24日までは電力が安定していたが、その後不安定になり、29日までにはリチャージャブルバッテリーも非常用化学電池も枯渇した。ただこの直前、恐らく27日に、ミニマムパワーモードに移行したとみられる。また、化学電池がパンクし、その破片が2つの分離物体として米戦略軍に捉えられたと考えられると。また、軌道要素の変化は、太陽指向のための姿勢制御スラスター噴射であったと認定と。以上、russianspacewebによる
モスクワのラジオ局「モスクワの声」による露宇宙庁ポポフキン長官へのインタビュー。膨大な量がべったりなので読む気が失せ気味。。
http://www.federalspace.ru/main.php?id=2&nid=18644
(ここまで)
☆最近のロシアの報道よりメモを…(古い順に並んでいます
おもしろい記事が出ている。Life on Venus? Images Re-analyzed.
1982年ベネラ13号が撮影した2枚の写真。搭載された2台のカメラ毎に撮影されたものだが、ディスク上の物体が両方に写り込んでいる。「これは生き物に違いない」とは当時ベネラ計画に関わっていたLeonid Ksanfomaliti 氏。
だが2つの物体は共に、外されて落ちているカメラキャップ。Space.com
http://www.space.com/14324-life-venus-russian-claim-debunked.html
フォボス・グルント失敗原因の報告書は25日、ロシア宇宙庁からロシア副首相ドミトリー・ロゴジン氏に提出されると。これをもとに、31日、会合が開かれる予定と。「現在置かれている状況は、90年代の忌々しい時代が根底にある」と、同副首相。
ロシア宇宙庁ポポフキン長官によると、現在の露宇宙開発現場の平均年齢は47歳という。現時点でいわゆる"適齢期"にある職員は全体の67%を占めると。ただ、全体の33%は60歳以上であり、30歳前後が同じ割合存在すると。
つまり、中間層が非常に少ないと。これは(現在この年代になっている層が)1990年代に宇宙開発業界を去ったためであると、ポポフキン長官は述べる。以上、RIAノーボスチより。
ロシア科学アカデミーはロシア宇宙庁に対し書簡を送り、その中で、「フォボス・グルントは類のないミッションであり、再チャレンジをするべきだ」と述べているという。書簡では「このプロジェクトのために科学者や設計者たちは膨大な量の仕事を行い、同時にイノベーションをもたらした。我々をフォボスGの失敗でこれらを失いたくはないのだ」とも主張されているという。
火星の衛星は密度がわずか1.8であるが、このため内部はすかすかではないかという説がある。サンプルを持ち帰りは、それが小惑星なのか、あるいは火星から分裂してできたものなのかの決着を可能とするものになるかもしれないと、科学アカデミー会員であるレフ・ゼレニー氏は語る。
また同氏は、探査機は2018年に打ち上げられるべきだと主張。これは、このタイミングが軌道的にも開発のタイムライン的にもちょうどいいからだと。ただし、現時点では何も決定はしていないことに注意。イタル・タス通信。
26日打ち上げ予定のプログレスM-14M、射点にロールアウト。
http://www.energia.ru/en/iss/iss30/progress_m-14m/photo_01-24.html
日本時間26日午前8時6分40秒、バイコヌール宇宙基地より国際宇宙ステーションへ向けてプログレスM-14M無人貨物船が打ち上げられたと。ISS到着は28日予定。ロシア宇宙庁。
JAXA金井宣茂飛行士、ロシアで冬期サバイバル訓練!モスクワ郊外で、他の2飛行士らと共に。寒そう! ロシア宇宙庁。
http://www.federalspace.ru/main.php?id=2&nid=18610
フォボス・グルントが軌道上でトラブルを生じた原因の一説に米国の小惑星レーダー照射を食らったことがあげられていた。この件についてロシア宇宙庁は米国に対し正式に共同調査を申し込んだが、拒否されていたと明らかにした。RIAノーボスチ。
「ロシア政府は2016年までの宇宙開発予算の満額支給を承認」と、ラボーチキン社のビクトル・ハリコフ社長。この中には2つの月探査ミッションと1つの金星探査ミッションが含まれている。SpaceDaily.
http://www.spacedaily.com/reports/
Russia_space_programs_fully_financed_until_2016_999.html
どうやら今日発表予定のフォボス・グルント失敗原因報告書、パブリック向け発表はまだ先のようだ。
これはすごいな。人類2番目に宇宙を飛んだゲルマン・チトフ写真集。ガガーリンやらコロリョフやら露宇宙開発史要人たちと撮影、ざっくざく。
http://englishrussia.com/2012/01/21/
the-second-soviet-astronaut-in-space/#more-88229
チトフの写真からいろいろ調べていたら、ふと行き当たった、ボストークの窓”ブゾール”から見える地球。大気圏突入時、この窓で地球がきれいなドーナツに見えたときが、正しい姿勢になったとき。
ところでそのチトフ写真集にある"This photo of Earth was made by Titov from Vostok-2 spaceship on August 6 1961." は、本当にphotoなのだろうか。drawingに見えなくもないのだが…恒星も点で写っているが、動いている機体からブレもなくきれいにとれるのか・・あるいは映写機で撮ったフィルムの1コマとか・・?
フォボス・グルントのトラブルの原因について、ある宇宙筋によると、宇宙機仕様のパーツが用いられていなかった可能性もありと。しかし別の開発企業側関係筋は、そのようなものが混ざることはないと否定。RIAノーボスチ。
ソユーズTMA-04Mはどうやら遅れることになりそうだと。今月22日の試験で帰還カプセルに気密漏れが認められたらしい。RussianSpaceweb.
ソユーズTMA-04M宇宙船、RIAノーボスチも一報。気密試験でリークが確認されたと。3月30日に打ち上げ予定だったが、4月下旬に延びそう。ただ正確なことはまだわからないと。
RIAノーボスチの先ほどの一報だと、04Mトラブルの原因は製造現場にありそうだなぁ。かなりバタバタなのかな・・今後作業加速のため、3交代で製造に当たると。
金曜日に打ち上げられたプログレスM-14Mは無事ISS到着、ハッチが開いたと。今夜から早速荷ほどき荷ほどきとのこと。RIAノーボスチ。
ISSから離脱した無人貨物宇宙船プログレスM-13Mは、軌道を上昇させ、小型衛星「チビスM」を軌道投入した。その様子(動画)
http://tvroscosmos.ru/frm/kosmostv/vesti/2012/vesti250112-1.php
チビスMがどうやって放出されるのか。離脱直後、ISSから撮影されたプログレスM-13M。http://spaceflight.nasa.gov/gallery/images/station/
crew-30/html/iss030e047156.html
説明図はこちら。左が保管状態で、右がISS離脱時。
TMA-04Mのトラブル、帰還モジュールの内壁がひずんで膨らんでいたという。現場筋の情報によると、気密チェックの際、通常は1.3ないし1.5気圧のエアを入れてみるところを、3気圧詰めていたという。加えて、素材の質も疑われているという。また、モジュールの状態は、ちょっとリペア、ですむ状態ではなさそうである。現時点で、別の帰還モジュールが1つ完成しているという。これを代わりに使うとすると、このチェックに1.5ヶ月、バイコヌールに運んで準備・発射までに1.5ヶ月かかるから、打ち上げは4月までずれることになると。Russianspaceweb.
今年は2機のドニエプルロケット打ち上げが予定されていると。最初は4月ないし5月に韓国の衛星を、2機目は9月か10月にアラブの衛星をと。イタル・タス電。
(ここまで)
☆昨年10月にインド洋のベンガル湾上空で大気圏に突入したドイツのエックス線観測衛星について、突入が7~10分遅れていたら、衛星の残骸が北京を直撃していた可能性が高かったことが分かった。ドイツの有力週刊誌シュピーゲル(電子版)が29日報じた。
ドイツ航空宇宙センターによると、観測衛星「ROSAT」は最大約30個(重さ計約1・7トン)の部品が燃え尽きずに、地上に落ちてくる可能性があった。同誌によると、欧州宇宙機関(ESA)当局者が「北京は落下圏内に入っていた。計算上、突入が7~10分遅れたら北京に落ちていただろう」と話したという。【共同 01.29】
☆直径20メートルに満たない小惑星が27日、地球から約5万9000キロ離れた宇宙空間を通過したことが、米航空宇宙局(NASA)専門家の観測で分かった。米メディアが報じた。地球に被害を与える恐れは全くなかったものの、専門家は「ニアミス」と表現している。
小惑星は、NASAが地球近傍小惑星として登録していた「2012 BX34」(直径約8~18メートル)。米東部時間27日午前10時半(日本時間28日午前0時半)ごろ地球に最接近し、通過した。【時事01.28】
☆フォボス・グルント関連で、メディアの報道より(古い順)
「我が国の宇宙開発企業はコマーシャライズ過ぎる」と、ロシア宇宙庁長官が苦言。また、同長官はフォボス・グルントの失敗原因についても触れ、「調査委員会はその原因が、設計や製造上の欠陥にあると踏んでいる」と述べた。今週中には調査が終わるものとこと。同長官はまた、小惑星用レーダーが衛星に影響を及ぼした説について、NASAに協力を要請し検証する可能性もあると。なお一連の発言はロシアのFM局"Vesti FM"のインタビューにて。RIAノーボスチ。
ESAのライター長官は、「フォボス・グルントはロシア発表の場所に落ちた」と述べた。RIAノーボスチ。
ESAが出していたFG落下場所詳細発表告知はそのページと共にさりげなく消滅している。ESAの発表は長官の声明のみで幕引きか。(?
☆フォボス・グルント関連で、ロシアのメディアより(古い順)
ESAがフォボス・グルントの落下に関する分析結果を日本時間18日午前2時に出すとのこと。突入時刻と地点についてとのこと。
http://www.esa.int/SPECIALS/SSA/SEM93NMXDXG_0.html
フォボス・グルントが問題を起こした引き金がいろいろ検討されているが、そのひとつに、米国がマーシャル諸島に設置している小惑星追跡レーダーの照射が入っていると、ロシア紙Коммерсантが伝えた。レーダー照射のレンジに入りそれを受けることで、回路が不具合を起こした可能性は排除できないと、宇宙関係者は言うという。RIAノーボスチ。
昨日、約3時間半にわたり露宇宙庁のHPがダウンしたが、当局は当初、DDoS攻撃を食らったと判断したという。その後、フォボスGにひかれて一斉にアクセスが集中したためと判明。このダウンのため、落下の公式発表が遅れてしまうという皮肉な結果に。RIAノーボスチ。
フォボスグルントのトラブル要因に米国のレーダー照射を食らった可能性に関して、ロシアの宇宙科学研究所の関係者は「とっぴすぎる」と。FGに達するレーダーのパワーはそのレベルにないと。RIAノーボスチ。
☆小惑星イトカワから微粒子を持ち帰った探査機「はやぶさ」の後継「はやぶさ2」の計画について、文部科学省の宇宙開発委員会推進部会は16日、計画開始を正式に認める事前評価をまとめた。
H2Aロケットで2014~15年に打ち上げられる予定だ。
はやぶさ2の目的は、水や有機物を含むと考えられる小惑星から岩石を地球に持ち帰ること。文科省は当初、来年度予算案で73億円を要求していたが、政府は財政難から30億円に減額した。はやぶさ2の計画代表を務める吉川真・宇宙航空研究開発機構准教授は、「13年度予算で減額分も要求して、スケジュール通りの打ち上げを目指したい」と話した。【読売 01.07】
☆昨年打ち上げたものの予定の飛行軌道に乗ることができなかったロシアの火星探査機「フォボス・グルント」の破片が15日、南米チリ沖に落下した。同国国営イタル・タス通信が伝えた。
同通信が軍報道官の話として伝えたところによると、破片が落下したのはチリのウェリントン島から西へ約1250キロの太平洋上。
フォボス・グルントは重さ約15トンの探査機で、火星の衛星に着陸し、土壌サンプルなどを採取して帰還する予定だった。
昨年11月9日に打ち上げられたが、地球周回軌道から飛び出すためのエンジンが故障。ロシア当局者らは、大気圏再突入後に最大で重さ約200キロの破片が落下する可能性があるとの見方を示していた。【CNN 01.16】
☆フォボス・グルントの落下を露宇宙庁も正式リリース
http://www.federalspace.ru/main.php?id=2&nid=18568
日本時間午前2時45分、軌道上から消滅と。これまでに地球を1097回周回。
ESAがフォボス・グルントの落下に関する分析結果をまもなく出すと(先ほどのリツイート)。突入時刻と地点についてとのこと。
http://www.esa.int/SPECIALS/Space_Debris/index.html
☆フォボス・グルントの落下が16日早朝にかけて予想されています。最近の関連記事を箇条書きで並べます(古い順)。体調不良もありここ数日停滞気味ですみません。
「フォボス・グルントは、リスクが高いにも関わらず打ち上げられた。そのリスクは現場で認識されていた」と、露宇宙庁ポポフキン長官語る。「我々は人質を強いられたようなものだった。つまり既にESAの科学機器、そして中国の衛星も乗っていたのだ。打たねば」と。また、今回打つことができなかったとしても、結局、開発にかかった50億ルーブルは無駄になっていたと。探査機の製造は長期にわたっており、ユニットの作動補償期間が終了に近づいていたのだと。RIAノーボスチ。
フォボス・グルントの失敗に海外の力が関わったのではないかととれる発言に対し、ロシア宇宙庁の関係者は、フォボスグルントがトラブルを起こした際、それは米国、欧州、そして中国の上空を飛行していなかったと語る。)「そもそも欧州の危機や中国の衛星が乗っているのに、彼らがそんなことをするはずがない」とも。RIAノーボスチ。
…ふと。長官はホンキで言ったのでは無くて、やりばのないイライラからついあんな嫌みが出てしまったのかと思ったり。
フォボス・グルントに何が生じたのか(エンジンが点火しなかった理由)、その公式見解は今月26日に発表と。RIAノーボスチ。
これは興味深い。ドイツの高出力レーダーTIRAによるフォボス・グルントのイメージ。展開パネルとドーナツタンクの様子がよくわかる。
http://www.fhr.fraunhofer.de/fhr/fhr_c753_en.html
文部科学省「ロシア探査機「フォボス・グルント」の落下に関する情報について」
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/01/1314966.htm
フォボス・グルントによる被害を回避するため、ロシア宇宙庁は衛星の動きを注意深く監視していると。ロシア国内については、被害を最小に抑えるため、ロシア非常事態省と協力。ロシア宇宙庁。
(これが最新)フォボス・グルントは降下を続けている。米戦略軍による落下予測ウィンドは、日本時間今夜10時26分から明日午前8時2分。今朝5時30分時点の軌道要素によると。
☆だいぶ予想期間が狭まってきた: フォボス・グルント、14日~16日の間に落下と、ロシア宇宙庁発表。RIAノーボスチ。
なお、フォボス・グルントに何が生じたのか(エンジンが点火しなかった理由)、その公式見解は今月26日に発表と。
ロシア宇宙庁によるプレスリリース: フォボスGの落下は15日プラマイ1日。計算上の突入時刻は15日13時18分モスクワ時刻。日本時間同日18時18分。この時の地点はインド洋。ただし正確な時刻と場所は直前にならないとわからない。
☆フォボス・G運用チームは最後まで諦めていなかった。大気抵抗の増加により姿勢に変化が生じ、コマンドを受け取れる状態になる可能性を期待して、コンタクトの確立を試みると。ただし現実的にはかなり厳しい(一回の交信セッション時間はかなり短い)。
http://www.russianspaceweb.com/phobos_grunt_reentry.html#1_8
☆「車椅子の物理学者」として知られる英国のスティーブン・ホーキング博士(69)が科学誌のインタビューで、宇宙最大のミステリーは「女性」だと答えた。
ホーキング博士は8日に70回目の誕生日を迎えるのを前に、英ニュー・サイエンティスト誌の取材に応じ、これまで犯した最も大きな失敗や近代科学への期待などについて話した。
その中で博士は、最も思考をめぐらすのはどういう問題かと聞かれ、「女性。彼らは完全なるミステリーだ」と語った。
1988年の著書「ホーキング、宇宙を語る」で一躍世界中に知られたホーキング博士は、8日に誕生日を記念してケンブリッジ大学で開かれる公開シンポジウムに参加する予定。【ロイター 01.05】
☆政府は、独立行政法人「宇宙航空研究開発機構」(JAXA)の設置法(JAXA法)を改正し、宇宙開発を平和目的に限定する項目を削除する方針を固めた。安全保障分野での宇宙利用促進が狙い。1月24日召集予定の通常国会に改正案を提出する。ミサイル防衛(MD)の精度向上に向け、偵察衛星や早期警戒衛星の研究開発が可能となり、中国の衛星攻撃兵器(ASAT)開発にも対抗できるようになる。
現JAXA法は、機構の業務を宇宙開発・研究、人工衛星の開発・打ち上げなどと規定するが、いずれも「平和目的に限る」としており、JAXAの活動は大きな制約を受けていた。
改正案では、平和利用規定を削除。宇宙開発の理念を定めた政府の宇宙基本法に合わせ「わが国の安全保障に資するよう行われなければならない」との規定を新たに盛り込む方針。
また、JAXAの所管を文部科学省から、文科省と内閣府の共管に改正。関係省庁が一体となって宇宙開発を進めることができるよう体制を整備する。
改正案提出に合わせ、内閣府に宇宙政策の司令塔となる「宇宙戦略室」や、統括役となる「宇宙審議官」を置くための内閣府設置法改正案も提出する方針。
宇宙開発をめぐり、衆院は昭和44年に全会一致で「わが国における宇宙の開発および利用の基本に関する決議」を採択。これにより、日本の宇宙開発は軍事以外の目的に限定された。
しかし、北朝鮮の核保有や、中国の軍事力増強を受け、日米両国はMDを推進。中国は対抗策としてASATを開発、平成19年1月には自国の人工衛星破壊に成功した。
このような情勢変化を受け、与野党は20年に宇宙基本法を制定。「非軍事」に限ってきた宇宙利用目的を世界標準の「非侵略」と再定義した。【産経 01.03】
☆米航空宇宙局(NASA)の月探査機グレイルが1日までに、月周回軌道に到着した。NASAがツイッター上で明らかにした。
昨年9月に打ち上げられた2機の探査機からなるグレイルは、今年3月から月の引力と斥力を調査する予定。月周回軌道上にある2機の探査機の距離を断続的に調べることで、月の重力分布図を作成することが可能となる。得られたデータは、長い間明らかにされてこなかった月の地下構造を解明するのに役立てられる。
NASAは2機が無事に月周回軌道に乗ったことを示すシグナルを受け取り、「全て順調に進んでいる。今年は良い年になりそうだ」とツイッター上でコメントした。
月は約45億年前に太陽系が作られた直後に、火星ほどの大きさの天体が地球に衝突してできたというのが有力な説だが、月の歴史はこれまで明らかにされてこなかった。特に、月の表と裏でその様子が全く異なっていることについては長年謎とされてきた。【ロイター 01.02】
☆中国人民解放軍の幹部養成機関、国防大学の教材が将来の宇宙分野での軍拡競争を視野に、人工衛星や弾道ミサイルなどを応用する中国軍宇宙部隊の創設構想を明記していることが31日までに分かった。将来的には宇宙兵を養成し、宇宙からレーザーや電波などで敵を攻撃する部隊をつくることを想定しているとみられ、米国に対抗して宇宙軍事大国化を目指す姿勢を明確にしている。
この教材は中国における軍隊建設の歴史や特徴、指導理論などを教える「軍隊建設学」(2008年、国防大学出版社発行)。第14章の「新型部隊建設」で「最前線の課題」の一つとして宇宙部隊を取り上げ、「(同部隊創設が)国際(軍事)競争における新しい戦略要衝を押さえる重要な取り組みとなる」として、宇宙分野で主導権を握る狙いを示している。その目的について「新たな戦略空間において国家利益を拡大し、将来の宇宙資源開発に有利な条件を創出することにある」としている。【共同 12.31】
☆中国政府は、今後5年間の宇宙開発計画を発表し、有人の月探査プロジェクトを本格的に進めていることを明らかにしました。
中国宇宙開発局報道官:「我々は現在、有人の月面着陸を検討している」
中国は、将来の有人での月探査を目指し、今後5年以内に月面着陸などを実施するとしています。有人探査によって、エネルギー源となり得る新たな資源を獲得する狙いがあるとみられます。各国が宇宙開発の規模を縮小するなか、中国はこの5年間に人工衛星や宇宙船など79機の打ち上げを行い、宇宙ステーション計画や中国版「GPS」の試験運用を始めるなど、驚異的な勢いで開発を進めています。【テレ朝ニュース 12.30】
☆「ソユーズフライトログ1967-2011」を手にとって下さいました皆様、どうもありがとうございました。
なお、通販はないのかというお問い合わせがありますが、これまでの前例では、後日通販が出てます(ただ、部数は僅かです)。現時点では通販そのものも何とも言えません。出た場合にはまたご案内させて頂こうと思います。【管理人】
☆ちょっとこのところメモが滞っていましたが、いくつかをこちらへまとめておきます。(古い順です)
フォボス・グルントに関して今のところ続報はなし。
ロシア宇宙庁は、立て続けのロケット打ち上げ失敗を受け、多くの企業体トップを若返らせる方向で動いていると。「クライシスにある。我々は状況を脱する方法を見つけねばならぬ。若い世代にもっと任せようかと。いまが、多くのトップを交代させる機会かも知れない」と。露宇宙庁ポポフキン長官によると、多くの傘下企業体の従業員は60を大きく越える年齢であり、30台は殆どいないと。「中間年齢層が殆どいない。この状況は打開せねばならない」と長官。RIAノーボスチ。
ロシアで、宇宙技術の国外向け輸出入窓口を一本化する動き。ロシア宇宙庁長官、対応企業体創設を示唆と、イズベスチアが報じる。長官によると、ロシアの企業体の競争原理が排除されることはないと。しかしそれ(競争)は対外的には必要の無いものであると。外軍事市場で輸出を一括して担う企業体にRosoboronexportがあり、そのような形を構想しているようである。RIAノーボスチ
先日打ち上げ失敗したソユーズw/メリディアン衛星の破片は、「宇宙飛行士通り」と名付けられた通りに面する民家を直撃。住民Andrei Krivoruchenkoさんは音響を聞いて屋根に上ったが、最初は何が起こったのかわからなかったと。
なお、被害状況調査の上、クリボルチェンコさんには補償が行われるとのこと。RIAノーボスチ。
日本時間29日午前2時9分、バイコヌールよりソユーズロケットw/ Globalstar 打ち上げ。成功。
先日打ち上げ失敗したソユーズロケット w/メリディアン衛星の残骸を専門家が回収。しかし現地は大雪のため火曜日まで動けず、水曜日に帰ると。RIAノーボスチ。
ソユーズの破片が散ったノボシビルスク州オルダでは10個の破片が確認された。うちひとつは民家の屋根を直撃。RIAノーボスチ。残骸の中には2個の燃料タンクが含まれると(直径約1.5m)。中は空だったという。
モスクワ郊外のエネルゴマッシュに複数の部外者が侵入し、5日間にわたって写真の取り放題やらだったと。この間、セキュリティには誰も出くわさなかったと。エネルゴマッシュはロケットエンジンの開発・製造を担う老舗。この件を重く見たロシア宇宙庁は、来月までにセキュリティ対策を講じるよう指示を出したと。なお、侵入者たちは彼らのブログでこれを明かしていると。
ロシア宇宙庁ポポフキン長官は不快感をあらわにし、彼らを「厚かましいネズミども」と呼んだと。なお、エネルゴマッシュ社のフェンスには外部とアクセスできる穴があいているといい、しかもそれをリペアする金がないのだと。
その問題のブログはこちら。すげえ。すっごいボロボロだが現役施設。
http://lana-sator.livejournal.com/160176.html
「雪の上に人の足跡はなかった。代わりに犬のものがあった。その痕跡から、たくさんの犬がいるようだ」と、リンク先のページの説明文にはある。
オホーツク海北部で貨物船「ゴールデンコリマ号」、救難信号。氷山に当たり浸水した模様と。RIAノーボスチ至急電。
ふと。収容所から釈放されたコロリョフは、オホーツク市へ向かい、そこから船で沿海州へ渡る予定だった。しかし12月、彼が市へついたときは最後の便が出た後だった。だが後日聞いたところ、その船は遭難したと。(この事故は日本にも記録が残っている。wikiによる解説こちら)
ロシアのプーチン首相はロシア宇宙庁に対し、2030年そしてそれ以降のロシア宇宙開発ロードマップを50日以内に策定し提出しろと。RIAノーボスチ。
ロシアのドミトリー・ロゴジン副首相はロシア宇宙庁に対し、1月末までに施設警備の不備を補強せよと指示。これは先日の一般人によるエネルゴマッシュ侵入を受けてのもので、同様のことが再度発生したら厳しい処置で臨むと。なお、ロゴジン副首相はロシア宇宙庁の活動を含む政府の防衛を管轄しており、エネルゴマッシュ侵入を「受け入れがたい出来事」として強い懸念を表明している。RIAノーボスチ。
フォボス・グルント、リエントリ解説。わかりやすいアニメーション。Video: Phobos-Grunt Re-Entry Animation
☆宇宙航空研究開発機構は27日、今年度中に予定していたH2A、H2Bロケット計2機の打ち上げを、いずれも来年度前半に延期すると発表した。
H2Aには、宇宙機構の水循環変動観測衛星「しずく(GCOM―W1)」と韓国の多目的実用衛星「KOMPSAT―3」などが搭載される。韓国から衛星製造の遅れを理由に延期の申し出があった。H2Bでは、国際宇宙ステーションに物資を送る無人補給船「こうのとり(HTV)」3号機を打ち上げる。延期は物資輸送計画の見直しによるものだという。
この結果、今年度の国産ロケット打ち上げは、政府の情報収集衛星を搭載した9、12月のH2A2機にとどまった。【読売 12.27】
☆ロシア当局者は24日、前日に打ち上げたものの地球周回軌道投入に失敗した通信衛星「メリディアン(子午線)」の破片がシベリアの村に落下し、「宇宙飛行士通り」の民家を直撃したことを明らかにした。(写真はロシアのロケット)
破片が落ちたのはノボシビルスク州の州都ノボシビルスクから約100キロ南のオルディンスク地区。地元治安当局者がインタファクス通信に語ったところでは、破片は直径50センチほどの球体で、同地区のワガイツェボ村にある民家の屋根を直撃した。
同当局者は、皮肉なことに民家は、旧ソ連やロシアの宇宙計画で活躍した飛行士たちをたたえて「宇宙飛行士通り」と名付けられた通りにあると述べた。
同地区の地区長によれば、民家には男性とその妻がいたが、けがなどはなかった。男性は、物音を聞いた後に衝撃があり、外に出て屋根が損壊しているのを見つけたと話しているという。専門家が被害程度を調査中で、男性は損害賠償を受け取る予定だ。 【時事 12.24】
☆(上の記事について)プレセツクからソユーズロケットで打ち上げられた通信衛星、軌道投入失敗。上段「フレガート」が不具合起こしたための模様と。RIAノーボスチ至急電。「初期データ解析によると、フレガートがトラブルを起こしたようだ」と。元記事はこちらへ
☆国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する3人の宇宙飛行士を乗せたロシアの宇宙船「ソユーズTMA-03M」が21日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。
ソユーズには米国のドン・ペティ、ロシアのオレグ・コノネンコ、欧州宇宙機関(ESA)のアンドレ・カイパースの3宇宙飛行士が搭乗している。米国時間の23日午前に宇宙ステーションにドッキングし、現在滞在している米国とロシアの宇宙飛行士3人と合流する。【CNN 12.22】
ソユーズクルー、いざ射点へ!
打ち上げ直前の宣誓式に臨むクルー
ロケットに乗り込みます
リフトオフ!!
その他の画像はこちらへ【photo: Energia】
☆ロシア宇宙庁ポポフキン長官は、ESAが2016年に予定している火星探査ミッションExoMarsに参加する方向であり、来る2月にもその内容で合意することになろうと語った。ロシアはキャリアロケットとしてプロトンを提供するのみならず、科学観測機器など広いレンジで協力できると、長官語る。RIAノーボスチ。
☆「私はカモメ」のコールサインで有名な旧ソ連の世界初の女性宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワさん(74)が、4日投開票のロシア下院選(定数450)でプーチン首相の与党・統一ロシアから出馬し、当選したことが17日、分かった。かつてソ連共産党中央委員を務めており、久々の「国政復帰」となる。
テレシコワさんは、ガガーリンの初の有人宇宙飛行から2年後の1963年、ボストーク6号で宇宙に。交信時のコールサインは「チャイカ(カモメ)」で、宇宙からの第一声が当時の流行語になった。【時事 12.18】
☆ESAとロシア、ギアナ基地からの有人ソユーズ宇宙船打ち上げについては何も話が進んでいないと。RIAノーボスチの元記事。
☆藤村修官房長官は22日午前の記者会見で、宇宙空間の開発・利用を戦略的に推進する「宇宙戦略室」(仮称)を内閣府に新設する方針を明らかにした。来年4月の発足を目指しており、次期通常国会に関連法案を提出する方針。
藤村長官は、宇宙戦略室について「宇宙政策の司令塔機能と、(日本版の全地球測位システムとなる)準天頂衛星システムの開発、整備、運用の施策実施機能を担当することが予定されている」と説明した。同室のトップとして、宇宙政策を総括的に担う「宇宙審議官」(仮称)を新たに設ける考えだ。【時事 12.22】
☆フォボス・グルント関連で、18日~22日のメモです。
フォボス・グルントへ対するコマンド送信は先週いっぱいでストップ。ロシアもESAも。軌道上、太陽光が当たりっぱなしの期間における試行でもうんともすんとも反応がなかったため、もはや可能性はないだろうと。
現時点では探査機の姿勢がわからず、エンジン点火をむやみにやるとどの方向へ加速するかわからないためとのこと。今後もテレメトリーの取得試行は続けると。
☆フォボス・グルント関連で、13日~17日のメモです(古い順)。
フォボス・グルント、特に進展無し。(15日)
ロシアのルナ・グロブ計画で使用される探査機(原案図)。同計画は2パートに分かれており、ローバーとサンプルリターン。サンプルリターンは一瞬、フォボス・グルントと見間違える。
フォボス・グルント計画は今後続くルナ・グロブ計画やベネラD計画などの前哨戦としての位置づけもなされていた。失敗の原因がはっきりし対応が取られるまで、後続計画は延びることになるのではと見る向きもある。
ロシアの元弾道ミサイルシステム指令であるニコライ・ロジオノフ氏は、フォボス・グルントはアラスカのHAARPが発した強いビームの影響で壊れたのではないかと。稼働目的にはこれまで何かと言われてきたHAARPだが、しかし、直近では9月に運用されたのが最後だったと。記事はこちら。
ちなみにHAARPがフルパワーでビームを発しても、フォボス・グルントの高度では23メートルの距離から60ワットの電球で照らしたのと同じくらいのパワーしかない。HAARPにとっては言いがかりですな。
ロスコスモスよりFGに関する公式最新状況。計算によると、落下予想は1月6~19日の間。正確な突入地点は数日前にならないと予測できないと。ごく小型の放射線源(コバルト57、10マイクログラム)が搭載されているが、汚染等の危険性はないと。
ロスコスモスが落下日時について具体的なことを言ったのは初めてですね。
NHKニュースで、フォボス・グルントが来月落下と露宇宙庁が発表したことを一報。(17日)
☆巨星がまたひとり、落ちました…
ボリス・チェルトク氏(人類初の有人宇宙船を開発したソ連技術者)ロシアのロケット宇宙企業エネルギアによると、14日朝、モスクワで死去、99歳。インタファクス通信などが伝えた。
12年、現在のポーランド中部ウッチ(当時、帝政ロシア)生まれ。ドイツの弾道ミサイル「V2ロケット」を第2次大戦後に調査研究。その後「ソ連宇宙開発の父」と言われるコロリョフの右腕として、世界初の人工衛星スプートニク打ち上げ(57年)やガガーリンの有人宇宙飛行(61年)に貢献した。【時事 12.14】
☆フォボス・グルント、9日~12日の動向です。遅れ気味になりすみません。。(古い順)
現在値での米戦略軍による最新予測。このまま変化がなかった場合、フォボス・グルントは来月9日に大気圏突入と。RIAノーボスチ。
フォボス・グルント計画プロジェクトマネジャーのレフ・ゼレニー氏は、FG計画と同様の内容で再度フォボス探査に挑戦したいと意欲。「露の次のプログラムが現在検討されている。現時点ではルナ・グロボとルナ・リソースである。また、露とESA、NASAの合同でExoMarsがある。将来的には露科学アカデミーは、フォボスへ新たなミッションを用意することになるだろう。ただし現時点では、何も決まっていない」。RIAノーボスチ。
ロシア宇宙庁がフォボス・グルントに関して公式リリース。軌道離脱に失敗し現在の状況に至った原因を調査する委員会を立ち上げたと。リリースこちら。
露宇宙庁による、10日現在のFGの軌道。アポジー287km、ペリジー202km、軌道傾角51.41度、周期89.39分。また、FGの誘導落下にむけて、ロシア国防省と協力体制に入ったと。
ロスコスモスの声明でも出ていたFG調査委員会、RIAノーボスチでも一報。委員長はユーリ・コプテフ氏。「ステップははっきりしている。まず複数のプロファイルグループを作り、探査機開発の全過程を分析する。全ての機器に科せられているクリア条件が満たされていたのか、そして組み立て工場ではきちんとされていたのか。打ち上げまでのあらゆる事がチェックされることになる」と。)(この訳文は意訳が混じっています。解釈にずれがあるかも。ご注意) RIAノーボスチ原文。
上のRIAノーボスチの記事だが、FG調査委員会委員長コプテフ氏の、メディアに対するけん制も報じている。相次いで出る大気圏突入の日時予想報道に警告を。「メディアはいつもホットな情報を追い求める。不必要に人々を恐れさせる必要は無い」と。また、「大気圏突入する衛星はその殆どが燃え尽きている。地上に落ちても人的被害は出していない」とも。
12日現在、以上より進展はなし。
☆ロシア、ESAが2016年に予定しているExoMarsでプロトンロケットを提供する用意があると。「ロシアはプロトンの提供を約束した。しかし彼らはリターンを求めている。それは科学機器の提供や学者の参画を認めるという内容になるだろう」と。
ロシアとESAそしてNASAはパリで協議を行った。会合は2つのワーキンググループに分かれ、ひとつはロシアサイドの科学ミッション内容、もうひとつはミッションに対するプロトンの能力を検討するものだった。なおこの時点では、いかなる文章の調印にも至っていないと。NASAは今回の協議の内容と2013年予算を考慮した上で、参加の仕方を決定すると。詳細はこちら。
ロシア宇宙庁も公式リリース。ロシア参画の最終決定は、19日にモスクワで行われる会合で表明とのこと。
☆ソフトバンクモバイルが展開する白戸家CM『宇宙』シリーズの最新作「打ち上げ」篇で、お父さん(犬のカイくん)が“憧れの宇宙”に旅立つシーンが描かれる。撮影中、身体のサイズに合わせたオーダーメイドの宇宙服に身を包んだカイくんが飄々と歩く姿を見て、監督も思わず「本当に宇宙服姿かわいいな~」とメロメロ。現場のスタッフたちも、その愛くるしさに目尻を下げっぱなしだったという。
前作「父、宣言する」篇で、家族に宇宙へ行くことを宣言したお父さん。今回は、ついに夢が叶い、JAXAの種子島宇宙センターからロケットで打ち上げられる姿が映し出される。宇宙飛行士さながら艦内の操縦席に座り、カウントダウンとともに「行ってきます!」と勇ましいお父さん。これとは対照的に家族はリビングで「たまには留守がいいわね」とくつろいでいるといった、同シリーズならではのコミカルなストーリーが展開される。
白戸家CM『宇宙』シリーズの最新作「打ち上げ」篇は10日より全国で放送開始。また同社の“スゴスマ”キャンペーンサイトでは9日より、お父さんが“宇宙へ旅立つ”同CMの放送開始日に合わせてカウントダウンページが設置。お父さんがtwitterをつぶやくなど、さまざまな展開も用意されている。ワンシーンなどはこちらへ【Oricon 12.09】
☆フォボス・グルント、その後の進展は特に無しと。交信は相変わらずサイレントのまま。
☆フォボス・グルント、4~6日の動向です(古い順)↓
米国のレーダー観測によると、明らかにフォボス・グルント本体から分離したものとみられる2つの物体が確認されると。両者はゆっくりと本体から離れ、急速に高度を低下させ、少なくともどちらかは1日に突入したようであると。
卓越した衛星観測家であるTed Molzcan氏によると、比較的密度の高い物体で、大きさは10センチで重さは500グラム程度とみられるという。
(…急速に高度を落としたということは、大気ドラッグを強く受けやすいものか?もげたパネルとか?管理人)
フォーブス誌も、メドヴェージェフ大統領が先月末に表明したFG関係者処分の方向について記事を掲載。同大統領は、スターリンのような振る舞いをするわけではないと。エンジニアたちに怒り心頭になっているわけではなく、一連の出来事はきちんと調査されねばならないと。
そうして、場合によっては、関係者に懲戒や過失責任を問うような懲罰を科すと。Forbes "Medvedev: Engineers Behind Russia's Failed Mars Probe Could.. こちらへ
日本時間5日午前0時20分のデータで、フォボス・グルントのアポジーは300キロを割った。perigee = 206.655 km, apogee = 299.912 km。
フォボス・グルント、フライトのギリギリまで欠陥やミスが見つかっていたようだ。燃料を充填し、ファイナルチェックの段階で、電気系コネクタにミスが発覚と。これをつけかえる段階で引き回しに欠陥が認識され、それを複雑なソフトウェアで乗り切らねばならなくなったようだ。
だいたい、燃料充填完了で電気系に不具合が見つかるとは、ネデリン事故と同じだなぁと思ったら、記事にもそうあった。Russianspaceweb。
もう、言葉がないですね。・・フォボス・グルント、コストセーブのため電気系と無線系テスト用のプロトタイプモジュールは作られず。テスト用モックもそれが完成形ではなく、モックによるテスト中に改良版が完成つまりテストは無駄。打ち上げ半年前なのに、オンボードは未だ未完成。
フライトソフトウェアも未完成、必要最小限だけ走らせ、残りのコードはフライト中にアップロードできないかと(しかもこの辺、正確な話はよくわからないようで)。
フォボス・グルント、地上観測で光度が変化していると。恐らく姿勢制御がロストしており、tumbleを始めているのではと。
RIAノーボスチによると、5日ロシア当局者は、フォボス・グルントからのテレメトリー取得を断念したと。ただ今後も、エンジン噴射コマンドの送信は続けると。
当局者は、コマンドを打ち続ければ、ひとつでも通るのではないかと。
フォボス・グルントの飛行。軌跡がドットを描いているのは、衛星がはやい回転をしているから。
☆生命の起源とされる有機物を含んだ試料採取を目指す小惑星探査機「はやぶさ2」計画が、延期の危機に直面していることが分かった。来年度予算編成では、東日本大震災の復興経費を捻出するため、宇宙関係予算は大幅な減額が避けられない上、国家戦略に基づく実用衛星が優先される可能性が高い。予算次第では、はやぶさ2の打ち上げが目標(14~15年)に間に合わず、計画が形骸化する恐れもある。
宇宙関係予算の概算要求額は、今年度予算比5%増の総額3260億円。政府の宇宙開発戦略本部専門調査会は今夏、「日本版GPS」の実現を目指す測位衛星「準天頂衛星」の整備を宇宙政策の最重要課題と決め、内閣府が41億円を要求した。
一方で同調査会は、文部科学省が進める「はやぶさ2」(要求額73億円)などの科学衛星や陸域観測技術衛星「だいち」の後継機(同約200億円)については準天頂衛星より重要度が低いと判定した。財務省は、宇宙関係予算を、準天頂衛星や国際約束に基づく国際宇宙ステーション(ISS)に優先的に配分し、開発段階の衛星関連予算は減らす判断に傾いているとみられる。
はやぶさ2は、小惑星イトカワから昨年帰還した「はやぶさ」の後継機で、今度は有機物が多いとされる小惑星「1999JU3」から試料を持ち帰り、太陽系の生命の起源に迫る成果を狙う。総事業費は約264億円。地球と小惑星との位置関係から、打ち上げ時期は限られ、14~15年の打ち上げを見送った場合、次は数年先となり、同様の計画を持つ米国に先を越される可能性がある。
計画を作った宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、はやぶさ2の予算が削られた場合の対応について検討を始めた。はやぶさ2は09年の事業仕分けで「縮減」と判定され、17億円の予算要求が3000万円に削られたが、はやぶさの成功を受けて「復活」した。11年度の予算は30億円。
財務省関係者は「新しい計画は何年間も財政負担が生じるため、安易な予算化は厳しい。(はやぶさ2の打ち上げが)どう有益なのか、国民にきちんと説明する責任がある」と言う。はやぶさ2を率いる吉川真・JAXA准教授は「来年度予算が削られ、13年度で増額がなければ間に合わない。復興はもちろん大切だが、将来につながる科学技術を進めることも日本には必要だ」と訴える。【毎日 12.04】
☆フォボス・グルント、12月2日~3日にかけての動きです(古い順)。
ESAカナリア諸島マスパロマス局では日本時間1日21時47分と2日0時47分にフォボス・グルントとの交信が試行されたがダメだった。ESAチームは今日2日もパース局で4回、マスパロマスで2回のセッションを試みる予定と。
しかし今日2日のパース局でのコンディションはあまりよくないと。太陽・アンテナ・探査機の位置関係。
フォボス・グルント、現在もコンタクト取れずと。
ESAマスパロマス局によるコンタクト、このあと21時40分と23時13分にウィンドウが開くと。
なお、ESAのトラッキングは今日でひとまず終了。ただし状況の変化に備えて、アシストはリメインと。
ロシアのエンジニアはこの週末、フォボス・グルントとの交信をblindlyに行うと。エンジン点火のコマンドを送信するのだが、まずエミュレータで動作確認をし、その後実行すると。
日本時間で2日夜ESAのツイートで流れた情報、RIAノーボスチも報道。ESAの協力はひとまず終了、ただ今後の展開に備えて待機はしていると
☆フォボス・グルント、30日から12月1日にかけての動きです(古い順)。
フォボス・グルント、地上から撮影の高解像度画像。おぉ。 Just released first high resolution images of Phobos-Grunt taken Nov 29 こちらへ
カナリア諸島のESAトラッキング局にて、フォボス・グルントとの交信を試みると。モスクワ時間30日午後6時30分より、すなわち日本時間今夜23時30分より。RIAノーボスチ。
「NASAはUSポリシーのためFGを援助できない」というまことしやかな話が流れている。しかしSpaceflight Nowのこの記事だと、NASAもコンタクトを試みようとしたが、フェイルドだったと。しかも、MSLのため火曜日にリスニングを止めたんだと。
30日現在、フォボス・グルントのペリジーは209.29km、アポジーは307.25km。RIAノーボスチ。
カラー画像! A new hi-res image from @ralfvandebergh shows Phobos-Grunt in orbit: こちらへ
フォボス・グルントの高解像度画像が出ているが、これはアマチュアであるRalf Vandenbergh氏によるもの。このプロ級の画像をロシアの関係者がみたところ、探査機は正しい姿勢をなしていないという。つまりパネルは太陽を向いていないと。RIAノーボスチ。
おぉ!NASAは例のうわさを強く否定。MSLや他のミッションに先立ち優先的だった。NASAより直接の返信と。詳細はこちらへ
昨夜(30日)日本時間23時30分過ぎからのカナリア諸島局での交信セッションでは、FGとのコンタクトができなかったと。なおこの時点では、パース局に施されたようなモディファイが完了していなかったという。同局は今夜再度挑戦するが、モディファイは完了した状態での試行とのこと。RIAノーボスチ。
☆フォボス・グルント、28日~29日にかけての動きです。報道の要約↓
日本時間29日午前3時21分~午後0時47分にかけて、パース局よりフォボス・グルントに対し、高度を上昇させるようコマンドを打つと。この間、5回の交信セッションが見込まれている。
ロシアのエンジニアチームはESAチームに対し、一連のコマンドセットを託したと。このコマンドはエンジンを点火し、軌道を上昇させるものである。成功すれば、さしあたり落下の危険性は遠ざけられる。また、1回の交信時間も長く確保できる。
なお、今回の交信セッションはどれも短いため、地上からはコマンドを打つことだけにし、ただちのレスポンスを探査機に求めない。軌道上昇がうまくいったかどうかは、後ほど確認すると。
そして、この一連の試みはうまく行かなかったと。
…うーん、厳しいですね。。
☆国際宇宙ステーション(ISS)から22日に地球へ帰還した、宇宙飛行士の古川聡さん(47)が26日、「気分は最高だが身体はまるで軟体動物のよう」などと、帰還後の様子を初めてツイッターで発信した。
日本人最長となる宇宙滞在167日を経験した古川さんは、着陸地点のカザフスタンから米国テキサス州ヒューストンの米航空宇宙局(NASA)の施設に移動。地上の重力に体を慣らすため、約1カ月半のリハビリを受ける。
古川さんはツイッター上で「身体の重心がどこだか全く分からず、立っていられない、歩けない」。さらに「歩くつもりで足を出すが、太腿が思っているほど上がっておらずつまずく」と、地球上で暮らす“難しさ”をつづっている。【産経 11.27】
☆人類が初めて月に降り立った米アポロ計画での着陸地点を「歴史的遺産」として立ち入り禁止にする指針を米航空宇宙局(NASA)が検討していることがわかった。国連の宇宙条約はどの国も自由に宇宙空間に立ち入りできるとしている。月面での活動や土地利用の国際ルールはなく、議論を呼ぶ動きだ。
米国は月の有人探査計画を中止したものの中国やインドが進めているほか、民間の探査計画も出ていることが背景にある。NASAは着陸地点や月面に残した機器類が近い将来、壊される恐れがあるとして「米国の財産」保護のためだという。朝日新聞に対し「指針に法的な拘束力はない」と説明するが、月での活動を制限する先例になる可能性がある。
アポロ計画では、1969~72年に計6回、宇宙飛行士を乗せた宇宙船が月に着陸した。それ以降、人類は月に行っていない。朝日新聞が入手した指針案では、着陸地点や月面の機器類を「歴史的・科学的にかけがえのない遺産」と位置づけている。
なかでも最初のアポロ11号(69年)と最後となった17号(72年)の着陸地点は価値が高いと判断。それぞれ半径2キロ以内の上空を飛行禁止とした。月面でも着陸時に活動した範囲を含む半径75メートル(11号)、225メートル(17号)以内の立ち入りを禁じる。
さらに研究目的などでNASAと事前協議をした場合を除き、月面の機器類について、汚染を避けるため接触を禁じる。対象には月探査車や宇宙船の離着陸に使った台座など大型機器から、米国旗、衣類、食品、排泄(はいせつ)物まで含まれる。【朝日 11.27】
☆米航空宇宙局(NASA)は米東部時間26日午前10時2分(日本時間27日午前0時2分)、火星無人探査車「キュリオシティ」をアトラス5ロケットでフロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げた。
探査車は2012年8月に、地形の変化に富んだ「ゲール・クレーター」に到着、ドリルを取りつけたロボットアームや、車体に内蔵した分析機器を使って、生命の痕跡を探す。
探査車は自動車ほどの大きさで、重さは899キロ・グラムと2004年に着陸した探査車(170キロ・グラム)の5倍以上もある。このため、エアバッグに包んで地面に落とす方法は適さず、ジェット噴射で空中に浮かぶ降下装置からケーブルでつりさげ地面に下ろす方法を初めて採用した。【読売 11.27】
キュリオシティ、リフトオフ!
力強い離陸
NASA-TVの中継で見ましたが、フェアリングの分離まできれいに見える澄んだ空の中、力強くすっ飛んでいきました。【photo: NASA】
☆フォボス・グルント、25日夜の報道を…
フォボス・グルントからバイコヌールで取得されたテレメを分析した結果、探査機の通信系は正常に機能していることが判明。また、通信系とメインコンピュータとの連絡も通っているようだが、どの程度正常なのかは明らかになっていない。RIAノーボスチ。
モスクワ時間25日16時(日本時間21時)、バイコヌールでフォボス・グルントとの交信を試みると。現地はすでに日が暮れているが、探査機には太陽光はまた当たっていると考えられるとのこと。
フォボス・グルントとの交信は取れなかったと。今日はパース局もリンクが繋がらなかった。(本日はパース2回、バイコヌール2回の試行)
ESAパース局は、月曜日までフォボス・グルントとの交信を行わないと。ここ数日同探査機が最優先されてきたが、他のミッションなどタスクが重なっていると。RIAノーボスチ至急電。
☆日本時間26日深夜0時過ぎ、NASAは大型火星探査車「キュリオシティ」を打ち上げます。現在も走行を続けている探査車「オポチュニティ」のざっと5倍の重量(900キロ)を誇ります。
キュリオシティの着陸フェーズ。大気圏突入を切り抜けると、“スカイクレーン”につり下げられてターゲットポイントまで運ばれます。この仕組み自体、史上初。
歴代のNASA火星探査車。中央が「ソジャナー」(1997)、左が「オポチュニティ」&「スピリット」、そして右が今回打ち上げられるキュリオシティ。キュリオシティは原子力電池による電力で稼働するため、太陽電池がついていません。
キュリオシティ、梱包作業中の様子。右上に吊られるのがスカイクレーン。
いまいち大きさが実感できませんが、空前のデカさを誇る突入シェル。
そしてこれを飛ばすアトラスⅤロケットのフェアリングがまたデカい!
ケネディ宇宙センター・41番射点に立つアトラスⅤロケット。
(射点のその他の画像はこちらへ)
無事の出発を祈ります! 【photo: NASA/Spaceflight Now】
☆フォボス・グルント、24日から25日朝にかけての報道の要約を…ごちゃついてすみません。。
モスクワ時間で昨夜、ESAのパース局で再びフォボス・グルントとのコンタクトを試みたところ、成功した。リンクは6分間でシグナルは良好であった。テレメトリーも取れたが、僅かな量のようである。これは直ちに(FGを開発した)ラボーチキン社へ送られ、分析が進められている。RIAノーボスチ通信。
フォボス・グルントとの交信に成功したが、ロシア宇宙庁(ロスコスモス)もこれを正式に認めた。オーストラリア・ESAパース局で2回のコンタクトで共にテレメトリーが取得された。なお、同局は先日のコンタクトが、9日以来の試行で初めて使用されたものだったという。
本日のコンタクト試行には全部で5回のチャンスがあるが、その全ては試みないとのこと。通信可能時間が短すぎるなどの理由によるという。RIAノーボスチ。
ロスコスモスプレスリリース。オーストラリア・パース局による試行で、2度の交信セッションで共にテレメトリーが取れたと。
バイコヌール宇宙基地のトラッキング施設でも、フォボス・グルントと交信成功。テレメトリーを受信。RIAノーボスチ至急電。
日本時間昨夜から今朝にかけてのESAによる試行の詳細が入った。ESAはフォボス・グルントと可能な5回のチャンスのうち3回を試みたが、テレメトリーが取れたのは1回だけだった。
一方、原因がよくわからない軌道の不自然な変化は、21日以降認められないという。
フォボス・グルント、24日現在の軌道は近地点205km、遠地点319km、傾斜角51.41度、公転周期89.75分。なにも手を加えないと、年明け1月から2月のうちに大気圏突入する見込みと。
RIAノーボスチが配信した記事によると、今朝(オーストラリアで)取得されたテレメトリーは、解読できなかったと。なにも得られなかった。エンコード/デコードに問題がありそうであると。今夜、エンコードされてないデータを送るよう、コマンドを送信してみると。
バイコヌールで捉えたテレメトリーは、デコードのトラブルを回避していると。
ESAは25日金曜の夜も、パース局における5回の交信可能セッションでコンタクトを試みると。関係者は、4回は取れるのではないかと期待していると。RIAノーボスチ。
ロシアのエンジニアは、フォボス・グルントのテレメトリーを解読したと。これはバイコヌールで受信された分。RIAノーボスチ至急電。
ESAは日本時間25日朝のチャンスではFGのシグナルを捉えなかった。今夜3回のチャンスで再挑戦。「今回はなにもなかった。信号は何も取れなかった。」と。RIAノーボスチ
また、先にバイコヌールで取得されたテレメについては2種類含まれていたと。ひとつはエマージェンシーモードに入っていることを示すもので、これはワーストケースに送信される。もうひとつは制御部から直接出されたものであるというが、どのような内容かは明らかにされていないという。RIAノーボスチ。
☆フォボス・グルント続報を↓
ESAパース局によるコンタクトはモスクワ時間今夜そして明日早朝に実施されると。セッション時刻は(全て日本時)24日午前5時25分、6時57分、8時32分、午後1時16分、午後2時49分。それぞれの交信時間は6ないし7分間。
「トランスミッターを起動し、テレメトリーを落とすのが目的だ。現時点でわかっているのは、通信系は生きていて、電源計は通電していて、ワイヤーは切れておらず、焼けてもおらず、つまりノーマルな状態だ」と。RIAノーボスチ。記事はこちら
☆フォボス・グルントとの交信ができたそうです!報道などを要約します↓
ロスコスモスが声明。フォボス・グルントのシグナルをパースで捕捉。今後の進展に向けて分析中と。欧州宇宙機構(ESA)のパース局が、4回のコムセッションのうち1回でシグナルを受信と。プレスリリースはこちら
ESAの発表によると、22日20時25分(世界時)、オーストラリア・パース局がフォボス・グルントとの交信を確立(established)。ESAチームはロシアエンジニアたちと密に作業を進めており、探査機との通信がどうすればできるかを決定してきた。詳細は後ほど、とのこと。ESAのサイトより
RIAノーボスチがやや詳しい話。ESAのRene Pishel氏によると、我々の1局がリンクを取ったと。しかしこれは始まりの一歩であり、テレメトリーはまだ取れていない。我々はロシア側のエンジニアチームと密に作業を進めていると。
ESAによると、23日の夜、ESAの南アメリカ、オーストラリア、カナリア諸島の各局で交信を試みるとのこと。
パースで受信できたというシグナルはキャリア波のみであり、テレメトリーは含まれていなかったという。地上からコマンドを送信すると、探査機はそれに反応したと。
記事によると、地上からキャリアを送信するようコマンドが送られたようだ。そして探査機はそれにすぐレスポンスしたとのこと。RIAノーボスチの記事はこちら
どうやらESAは23日夜の試行で追跡をやめるつもりだったらしい。コンタクトが取れたのは、捜索打ち切りの直前だったということのようだ。感涙。RIAノーボスチの記事はこちら
モスクワ時間で23日夜、パースで交信確立を試みると。「現時点では、かろうじてキャリア波が通っただけである。今夜、オーストラリア局からコンタクトを試みる。使用するのは同局だけだが、様々な要素を統合することで、安定した交信の確立へ向けた試行の継続が可能である」と。RIAノーボスチの記事はこちら
露プラウダも、Gazeta紙の引用という形でFGについて一報。インタファックス通信によると、パース局は世界時22日20時25分から21時11分までリンクが確立していたと。記事はこちら
…しかしこの45分近い時間は、現在の高度で1局のみで可能なのだろうか…この辺ちょっと疑問が残りますね。。
☆国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在していた宇宙飛行士、古川聡さん(47)らを乗せたロシアの宇宙船「ソユーズ」がモスクワ時間22日午前3時(日本時間同8時)にISSから離脱し、地球帰還に向けた飛行を開始。午前6時26分、カザフスタンの草原地帯に着地して、約5カ月半ぶりに無事帰還した。
支援チームに抱えられ、帰還カプセルから降りた古川さんは元気な様子で、重力に慣れるためのいすに座ったまま「地球の重力を感じる。お風呂に入りたい」と笑顔。屋外は氷点下20度近かったが「ずっとエアコンで22~23度だったので、こういう冷たい空気はいいですね」と話した。医療チェックを受けるために近くのテントに運ばれるまでの間も終始笑顔だった。
古川さんは東大病院の外科医出身。1999(平成11)年に宇宙飛行士に選抜され、12年間の訓練生活を経て今年6月、ソユーズで初の宇宙飛行に出発した。
ISSに長期滞在した日本人は若田光一さん(48)、野口聡一さん(46)に次いで3人目。日本人として最年長で初の宇宙飛行に臨み、1回の飛行での宇宙滞在としては日本人最長の167日と6時間を記録。来年に星出彰彦さん(42)、2013(同25)年には、若田さんがそれぞれ長期滞在する予定。
滞在中は、各種の実験を精力的にこなした。科学実験に加え、将来的な火星の有人探査もにらみ、宇宙環境が人体に与える影響を調べる医学実験に、医師の経験も生かして重点的に取り組んだ。
また、8月には、ロシアがISSへ物資を運搬する無人宇宙貨物船「プログレス」の打ち上げに失敗し、帰還に支障が出る可能性も取り沙汰された。
古川聡さんは国際宇宙ステーション(ISS)から、多忙なスケジュールの合間を縫って東日本大震災の被災地に励ましの言葉を贈り続けた。学生時代に三陸地方を旅行した経験がある古川さんは、妻の恵子さんが福島県いわき市出身ということもあり、被災地への強い思いがあった。
7月、福島青年会議所が要望したビデオメッセージの収録を快諾。日本実験棟の名称「きぼう」の3文字が染め抜かれた青いのれんを手に「福島の工場で作られた、とても品質の良いのれん。このような製品を作られているので、今まで以上に力強く復興されると信じています」と激励した。
収録を企画した同会議所の阿部友弘さんは「『自分にできることをやる』という(古川さんの)言葉に励まされた」と振り返る。
10月には津波で壊滅的な被害を受けた岩手県大槌町と無線で交信し、小学生に語りかけた。
町立吉里吉里(きりきり)小教務主任の千葉英悦さんは「すごく優しい話し方だった。子供たちが星を見上げるきっかけになり、元気が出たと思う」と話す。
一方、古川さんはツイッター(短文投稿サイト)での情報発信にも積極的で、大震災だけでなく、大洪水に見舞われたタイの様子も宇宙から撮影し「早く回復できるよう、お祈りしております」と書き込んだ。
また、帰還前の11月21日には、ステーションから撮影した富士山の写真とともに「富士山は日本人の心。日本人としての誇りを胸に、いよいよ地球に帰還します」と投稿した。【産経 11.22】
☆「太陽は東に沈む!?」-。大学・短大生の4人に1人が、日没の方角を問う問題に不正解だったことが、東海大産業工学部(熊本市)の藤下光身教授らが実施した天文基礎知識調査で分かった。
調査は、今年4~5月に県内外にある公私立の短大3校・大学2校で実施した。日没や月の満ち欠け、太陽系などについて基礎知識を問う9問(選択式)を出題。1、2年生を中心に667人が回答した。
「太陽はどちらの方角に沈みますか」との問いで、「西」と正解したのは75%。「東」と回答した人が22%に上り、「南」「北」も合わせて3%いた。
「月が満ち欠けする理由」は、「地球から見て太陽と月の位置関係が変わるから」と正しく答えた人は56%。不正解の「月が地球の影に入って見え方が違う」は42%、「いろいろな形の月がある」の回答も1%いた。
また「太陽、アンドロメダ銀河、月、冥王星、織り姫星」から太陽系の天体をすべて選ぶ問題では、正解の「太陽・月・冥王星」を選んだ人は25%のみ。「太陽、月、火星」から地球の周囲を回っている天体を選ぶ問題でも、正解の「月」のみは54%だった。
藤下教授によると、2001年から04年にかけて小学生に実施した同様の調査で、3割が日没の方角を西と回答できなかった。今回は、その世代が大学に進学した現在の知識の推移を調べる狙いもあったという。
藤下教授は「日没の方角は、生活の中で自然と身に付く知識のはず。正答率の低さは衝撃的。小学校以降の理科教育で、知識が修正も補完もされなかった表れだ」と指摘している。記事はこちらへ【熊日 11.21】
☆国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の古川聡さん(47)の帰還が、目前に迫っている。古川さんら3人が乗るロシアのソユーズ宇宙船は22日午前8時25分(日本時間同11時25分)、中央アジア・カザフスタンの草原地帯に着陸する予定。宇宙生活は165日間に及び、連続滞在としては日本人最長となる見通しだ。
古川さんは外科医出身で、1999年に宇宙飛行士候補に選抜。12年間の訓練を経て、初飛行で船長補佐を務めた。長期滞在は若田光一さん(48)と野口聡一さん(46)に続き3人目で、連続滞在としては野口さんの163日を上回る。
古川さんは6月8日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から新型ソユーズの2号機で出発。滞在中は医師の経験を生かし、自分の心拍数や脳波などを測って診断する医学実験を担当したほか、がんの治療薬開発などにも従事した。また本人の強い希望で、東日本大震災の被災地との交信も積極的に行った。
滞在中の8月24日には、ISSへの物資補給船を搭載したソユーズの打ち上げが失敗。この影響で、当初16日の予定だった帰還日は22日にずれた。宇宙航空研究開発機構などによると、延期を知った古川さんは「それはいい。長くなっても構いません」「ぎりぎりまで実験ができるのはうれしい」と明るく話したという。
古川さんの日課の一つが、ツイッターの更新。地球の写真やISSでの生活の様子をつづった。帰還を2週間後に控えた8日には「この5カ月間毎日忙しく充実していましたが、振り返ってみると早かった! というのが実感です」とした上で、「いつもみなさまの応援に力づけられており、感謝」と締めくくった。【時事 11.19】
☆宇宙飛行士や機器類を、民間のロケットで国際宇宙ステーション(ISS)まで運ぶという米航空宇宙局(NASA)の計画が、スケジュールの遅れや連邦政府の予算の縮小で危機に直面している。政府と業界の関係者が明らかにした。
ISSに向かう最初の商業カーゴは今年末か来年1月に打ち上げられる予定だったが、それが4月までずれこみそうだ。担当企業のエンジニアが、宇宙船誘導のソフトウエアに手こずっているのが要因だ。
一方で米下院は17日にも、民間が作成し運営するシステムの開発にあてられるNASAの予算を削減する見通しだ。
この予算の問題と技術的な遅れは、米国がスペースシャトルを引退させ、宇宙飛行士と荷物の輸送を民間企業に移行しつつあるなかで起こっている。移行の最初のステップは、米国企業2社が発射装置と宇宙船を用意するというものだ。これはISSまで荷物を運ぶためのもので、人はまだ運ばない。
非上場企業のスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)はこの任務を、同社のロケット「ファルコン9」に搭載するカプセル「ドラゴン」で実行しようとしている。これらが2010年12月に初めて打ち上げられた後、スペースXは荷物の輸送を数カ月で始めるとしていた。しかし、政府と業界関係者によると、輸送の開始は早くて来年2月か3月になるだろうと、同社は予想している。
スペースXの創業者で、起業家としても有名なイロン・ムスク氏は、NASAに比べれば遅れはわずかで、技術的な問題も少ないという。
ホワイトハウスはISSでの有人のミッションを開発する来年度の予算として、8億5000万ドルを要求したが、議会が割り当てるのはその半分以下と見られている。この削減により、スペースXとライバル企業が行っているミッションは影響を受けない。
NASAの報道官は、議会での協議により、NASAの全体予算が178億ドルに縮小されるのではないかとの懸念を表明した。この金額はホワイトハウスの要求より10億ドルほど少ない。
スケジュールの変更と予算の縮小で、民間の宇宙ベンチャーへの政治的サポートが損なわれ、1000億ドルをかけたISSに滞在する宇宙飛行士にも問題を引き起こす恐れがある。宇宙飛行士は定期的に宇宙船により物資の供給を受けているが、NASAのスペースシャトルが引退したため、その役目はロシアの宇宙船が担っている。
遅れの要因の1つは、ドラゴンを宇宙ステーションに近づけるソフトウエアを微調整するために、時間を必要としていることだという。
スケジュールの遅れにもかかわらず、ムスク氏はNASAとの物資輸送契約のすべてを履行するとしている。また、議会が民間企業に積極的な資金提供を続けるならば、2014年までにはロシア政府の請求額よりも安い価格で、宇宙飛行士をISSまで運べるようになるという。
ボーイングも宇宙飛行士の輸送に名乗りを上げているが、その実施は積極的かつ安定的な予算にかかっていると、同社は議員らに話した。
一方で、民間のロケットと宇宙船を支援する他の人々は、NASAの厳しい予算を気にしていない。インターネット起業家で新興の宇宙ベンチャーに投資するエスター・ダイソン氏は、議会の予算は「非常に残念」だが、民間の宇宙ベンチャーの支援に関して「シリコンバレーではどんどん関心が高まっている」という。
同氏によると、非常に裕福な投資家らは「NASAがやらないなら、自分たちがやると話している」という。【ウォール・ストリート・ジャーナル 11.18】
☆フォボス・グルントを打ち上げ、現在も地球を周回しているゼニットロケット2段目が、22日あたりにも落下しそうだと。記事によるとモスクワ時間22日19時39分、太平洋上に落下。NORADの計算による。ただし誤差は±72時間とまだ幅がある。詳しくはこちらへ【RIAノーボスチ 11.19】
☆素粒子のニュートリノが超光速で進むという相対性理論に修正を迫る実験結果を9月に発表した国際研究グループ「OPERA」に参加するイタリア核物理学研究所は18日、精度を高めた再実験でも同じ結果が得られたと発表した。
再実験では、スイス・ジュネーブ郊外にある欧州合同原子核研究機関から約730キロ・メートル離れたイタリアの地下研究所へ飛ばすニュートリノのビームの長さを前回の3000分の1以下に短くし、より正確に速度を測定できるように工夫した。【読売 11.18】
☆フォボス・グルントに関して、17~8日は特に進展はなかったようです。他、見かけた記事の要約を↓
Russianspaceweb.comに掲載された記事によると、フォボス・グルント、蛍火1号搭載決定を受けた設計変更の変遷。最初はトップに載せる構想だったが却下、現在の姿になったと。
当初ロシア単独の構想だったが、政治側からのねじ込みで急遽、決定された。2007年5月上旬の段階ではサポート施設まで含めてしっかりした設計ができあがっており、(まだ実現していないが)欧州のローバー「ExoMars」のデータ中継も担う構想もあった。
一方、平行して中国の参加も話が進んでおり、2005年の段階で中国の参画があるかもしれないと当時の露宇宙庁長官が口にしている。
記事を追う限りは、中国とのジョイントプロジェクトが正式決定したのは2007年6月のよう。それまでも協議が行われてきたが、大規模な設計変更はここからだったよう。詳しくはこちらへ
☆フォボス・グルントに関して、16日は特に進展はなかったようです。
☆ソユーズTMA-22号が無事国際宇宙ステーション(ISS)へ到着しましたが、早くも次のソユーズ宇宙船の準備が進んでいます。来月21日、ソユーズTMA-03M号が打ち上げられる予定で、クルーの訓練も順調に進んでいるようです。
画像は訓練中の一コマ。個人的には、背後のソユーズシミュレーターが気になります。電源も入って起動中。TMA-M型のコントロールパネルはTMA型と殆ど大差ないらしいですが…もう少し近くで見てみたいです。
ちなみに、ソユーズTMA型の運用はTMA-22号で終了です。今後はTMA-M型の本格運用となります。
下は、打ち上げ準備中のソユーズTMA-22号。すごい降雪ですね。
大きいサイズはこちらへ。
ロケットに乗り込む直前のクルー。なんとなくポリンキーのキャラを連想してしまったコートをまとって、ロケットに向かいます。
詳しくはこちらやこちらへ【photo: Roscosmos/RIA Novosti/NASA】
一方、現在ISSに滞在中の古川飛行士は、今月22日に帰還します。彼の搭乗するソユーズの安全確認結果が公開されました。
http://www.jaxa.jp/press/2011/11/20111116_sac_27s_j.html
☆フォボス・グルントに関して、15日のロシア報道よりまとめを↓
現在も交信確立せず…様々な方法を試みているものの。天空を横切るスピードも速いため、追尾が難しそうだ。
宇宙庁関係者の中には、高度の変化は計測の誤差ではないかという意見も。エンジンが吹いているのかはわからないとも。詳しくはこちらへ
近地点高度が更に上昇、209.2キロへ。一方、遠地点高度は当初より10キロ高度を落として331.8キロへ。この挙動からしてエンジン噴射など非重力が関わっていると考えられると。
また、ゼニットロケットは高度を4キロ/日の割合で落としており、今月24~27日のうちに落下する見込みと。くわしくはこちらへ。
ISSでフォボス・グルントの撮影を試みようとしたセルゲイ・ボルコフ飛行士によると、「あまりにも距離が遠すぎてできなかった」と。「探査機は我々よりずっと高度が低い。120~150キロ離れている」
また、ISSや打ち上げられたソユーズTMA22との衝突について、ツープ当局者は「ありえない」とのコメント。
NASAスペースデブリ課のニコラス・ジョンソン課長がRIAノーボスチ通信に語ったところによると、フォボス・グルントの突入点を予測する方法はないと。「現時点でどこに落ちるかを言うのは時期尚早だ。NASAでは、12月末までには落下するのではないかと踏んでいる。」
また、ジョンソン氏は、探査機のどの部分が地上に到達しうるかを判断する工学的情報をNASAは持ち合わせていないとのこと。詳しくはこちらへ
ポポフキン長官、「フォボス・グルントの失敗が宇宙庁の宇宙探査プログラム削減をもたらさない」と明言。「火星探査は、いくつもの国が失敗している。ソビエトロシアは成功率わずか30%、米国は5分、日本と欧州は達成していない」と。
また、現行の計画は、宇宙探査のシェアを拡張する方向で見直される予定だと。長官の言では、大幅な資金再分配を意味するもののようである。くわしくはこちらへ
☆フォボス・グルントについて、14日のロシア報道よりまとめを↓
フォボス・グルント、現在の状況なら1月に大気圏突入か。現在の軌道要素で計算すると、1月12日±12日。このところ、遠地点距離が342キロから334キロに落ち、近地点距離が206.6キロから207.8キロに上昇している。RIAノーボスチ。元記事はこちら
ロシア宇宙庁ポポフキン長官は、フォボス・グルントの見通しについて、まだロストしたとは考えていないが、1月の早い段階で大気圏突入する可能性があるとの認識をしめした。こちら
フォボス・グルントの落下の場合について、露宇宙庁ポポフキン長官は、「7.5トンの燃料が搭載されているが、タンクはアルミ製であり、大気圏突入の際に爆発するだろう。その破片すら地上へは到達しないのではないか」との認識を示す。(…タンクはアルミなんですね。チタンでは無くて)元記事はこちら。
「チャンスはある。しかしテレメトリーを取れないので何が起きているのかわからない。」とポポフキン長官。「現在の軌道では、1回の交信セッションが7分しか取れない」とも。また、設計に欠陥があったという噂が流れていることについて、それを否定した。ロシア宇宙庁リリース
(先ほどのRIAノーボスチ配信記事要約の補足で、) 露宇宙庁は12月初めまでは回復を頑張るとのこと。
で、ふと…既報の報道によるとウィンドウは今月21日までとのことだが、これを過ぎて息を吹き返した場合はどのような運用を行うのだろう。それとも12月初めでも大丈夫なのかな。せめて中国衛星を火星軌道まで連れてってはあげれるかな・・?
☆ソユーズTMA-22宇宙船は無事に打ち上げられました!今回はブリザードすれすれの天候の中の発射でした。
吹雪の中、発射準備が続きます
一瞬ぎょっとしますが…吹雪よけマントをまとったクルー。まるでハロウィンの仮装みたい…これで玄関に立ってられたら驚くよなぁ(笑
リフトオフ!雪煙で視界が…
船内の様子。無重力を“見る”ために、小さなマスコットが目の前に下げられるのがガガーリン以来の伝統ですが、今回は“Angly birds”のキャラが。あちこちで話題になっているようです(大きいサイズ)。
行ってらっしゃい!無事の道中を :-) 宇宙船は16日午後9時半頃、国際宇宙ステーションへ到着予定です(日本時間)。詳しくはこちらへ 【Universetoday 】
…Angly birdsは中毒性がありますよね…笑
☆14日午後1時14分(日本時)、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりソユーズTMA-22宇宙船が打ち上げられます。
ロケットはすでに射点へ据え付けられています
搭乗しているのは、アントン・シュカプレロフ(船長)、アナトリー・イヴァニシン、ダニエル・C・バーバンク(ともにフライトエンジニア)の3飛行士。シュカプレロフ及びイヴァニシン飛行士はロシア人ルーキー。バーバンク飛行士は3度目の宇宙飛行です。【photo: Roscosmos/Energia】
☆フォボス・グルントについて、昨日に引き続き、RIAノーボスチ通信が配信した記事を要約します。
過去3日間で5キロ程度降下するはずのものが、逆に1キロ上昇している(近地点高度)。この理由は現在もわからない。探査機の姿勢もほぼ一定と見られる。以上のことから、探査機自身は生きており、自律的なエンジン噴射でその姿勢を維持していると見るのが妥当と。ただ、交信が確立しない。つまり、「探査機は生きているが、会話ができない状態にある」と言える。以上、関係筋の話。記事はこちら。
フォボス・グルントの高度(近地点高度)は、確かに上昇していることが確認された。米戦略軍による新たな計測によると、軌道は少しずつだが確かに上昇していると。現在は208キロ。記事はこちら。
フォボス・グルントとの交信回復へ向けた努力は、その大気圏突入まで行うつもりだと、関係者は語る。現時点でそれが“死んだ”というには早すぎると。「何度も何度もコンタクトを繰り返す。探査機が大気圏突入する直前まで」と。RIAノーボスチ通信の記事はこちら。
低軌道で探査機を操る仕様にはなっていなかったと、関係筋が語る。交信もツーウェイを想定していなかったと。先日報じられたことが認められた。記事はこちら。
☆フォボス・グルントとの交信再開に向けた試みは継続されている。11日夜から12日にかけての試行ではしかし、交信は確立しなかった。試みは13日も続行される予定である。
「昨夜から今朝にかけて、欧州宇宙機構(ESA)の協力の下、探査機とのコンタクトがはかられた。コマンドは我々がバイコヌールから打ち、他局は探査機の反応をモニターしていた。しかし反応は全くなかった。」
こう語る関係筋によると、探査機のコントロールシステムを“こじ開けよう”としているとのこと。とにかくテレメトリーを取らないと、機体がどうなっているのかわからないし、対策の施しようがない。
一方、まだ希望の持てる話が関係筋から聞こえている。ロシア側は米国の協力者たちに対し(既報の)光学観測で機体の姿勢を確認してもらえるよう呼びかけところ、
「彼らは承諾し実行してくれた。その結果、探査機は太陽の方向を向いていることが確認された。すなわち、まだ時間がある、理論的には、フォボス・グルントを火星へ飛ばす猶予があるということだ。ただしウィンドウは今月21日であるからそれまでに飛ばさねばならぬが。」
とのこと。以上、RIAノーボスチ通信の記事より(こちら)。
ところで、Russianspaceweb.comが伝える報によると、各地で光学観測が行われ、航跡は瞬きせずに天空を抜けていったという。このことはつまり、探査機の姿勢が一定に維持されているということ示唆している。また、フォボス・グルント探査機の高度が上昇していることが明らかになったという。推測では高度を215メートルほど下げているものと考えられていたが、NORADによるデータでは、逆に138メートル上昇しているのだという。計測の誤差も考えられるが、しかし、何らかの噴出が生じている可能性も排除できないという。その場合、それがスラスターの噴射なのか、流体の漏れなのかは、わからない。
そもそもパーキング軌道から火星遷移軌道へ入る過程は高度に自動化されており、ツーウェイコミュニケーションは想定されていなかったという。そういうわけで、現状はまったく想定外の範疇のようである。(原文はこちら
とのこと【管理人 11.12】
☆ロシアの火星探査機「フォボス・グルント」は、最初の交信セッションでテレメトリーが取れて以降、コンタクトがロストしたままの状態が続いています。ロシアでの報道をいくつか拾って箇条書きにします。
探査機とアクセスできる時間は1日わずか数時間。また、一部の関係者は、ハードウェアに損傷があるのではないかと考えていると。(日本時間11日朝)
ESAのトラッキング、受信できず(日本時間11日朝)
RIAノーボスチ通信によると、Fグルントを光学観測し、その姿勢を直接確認する試みが行われるとのこと。現在セーフモードに入っていると見られているが、その場合、パネルを太陽へ向けているはず。これを直接見ることで、本当の状態を確認できるかと。
露関係筋が語るところによると、今後数時間が山場になるとの見方。その関係者は、次の交信セッションでも失敗したら、復旧の可能性は極めて小さいとの認識。ただ失敗しても、復旧に尽力すると。「露宇宙庁は、特に今年は失敗続きだったこともあり、メンツを保つためにも力を尽くす方向だ」と。またその関係筋は、打ち上げの失敗は、宇宙技術における競争意識の完全な欠如を示しているとの認識を示す。(この記事は、時刻00:51の配信。この時刻は恐らくモスクワ時間なので、日本時で今朝5時51分。ESAのトラッキングが失敗したことも含まれており、「今後数時間が山場」というのは、日本時間の今日昼にかけてということになる。)
米戦略軍は、フォボス・グルントは今月26日頃大気圏突入するとの見通しを発表。
ノーボスチ・コスモノーチキ誌のサイトフォーラムにポストされた情報ではあるが、メイン推進ユニットの外部燃料タンクがローゲインアンテナを妨害(干渉か)し、地上からのコマンド受信を困難にしているのではないかという説。また、ハイゲインアンテナは展開されていないと。
モスクワ時間10日23時頃(日本時11日午前4時頃)、フォボス・グルントはバイコヌール上空を通過。非公式の情報によると、このとき軌道把握用の無線送信機に向けて直接起動コマンドを送信したが、うんともすんとも言わずと。今夜さらなる試行を実施と。
責任問題の話が聞こえつつある。RIAノーボスチ通信によると、関係筋の話として、フォボスの失敗はひとまとまりの上級幹部の辞任に発展する可能性があると。「グロナス衛星の軌道投入に失敗したときは、宇宙庁副長官が更迭された。今回はそれに匹敵する事態だと。」 昨年12月のグロナス失敗では、副長官更迭の後、ペルミノフ元長官が懲戒、その補佐は解任、エネルギア社の副社長も解任、に見舞われた。(11日夜)
今朝、米戦略軍がフォボス・グルントの落下日時を11月26日と出した事に対し、露関係者から反発が出ている。「12月3日までは軌道上にいる」という話や、「正確にはわからない」といったもの。(管理人には、一部報道が日時を取り上げ始めた事に対し、その一人歩きを打ち消そうとしているように見えます)
ちなみにフォボス・グルント喪失が確定した場合は、保険金が支払われる。ロシア保健センターに12億ルーブルの保険がかけられており、あらゆるリスク(全損も含む)に対応していると。
そういえば、フォボス・グルントがエンジンをバリバリ吹かしながら加速していく様子をISSから目視する試みが行われたんでした。もちろん見えませんでしたが、エンジン噴射してたら見えてたのかな・・
以上、RIAノーボスチ通信などの報道を要約、箇条書きにしたものです。【管理人】
☆ロシアの情報サイト“RussinaSpaceweb.com”が伝えるところによると、モスクワ時間10日早く、ロシア宇宙科学研究所(IKI)レフ・ゼレニィ所長からもたらされた情報として、米軍のトラッキング施設の協力により、現在のフォボス・グルント探査機の正確な軌道要素を求めることができたといい、これは昨夜(現地時)の交信可能時間帯におけるコマンド送信に使用されたことを明らかにした。また、同所長は猶予の日数は殆ど無いことを再確認したという。
なお、モスクワ時間午前6時20分(日本時間午前11時20分)の地元テレビ局のリポートで、昨夜の交信でテレメトリーを落とすことに成功し、今後の対策に向け分析を始めたと報じたとのこと。
詳しくはこちらへ【Russianspaceweb.com 11.10】
☆ロシアの火星探査機「フォボス・グルント」は日本時間9日午前5時16分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より無事に打ち上げられた。しかし地球周回軌道へ投入され点火する予定の上段エンジンが点火せず、周回軌道の離脱に失敗した。
現在、探査機は軌道上を周回中であるという。
探査機は地球周回軌道(パーキング軌道)で2度のエンジン噴射を行い加速し、火星遷移軌道へ投入される予定だった。1回目の点火は打ち上げ3時間後、南米上空を飛行中に実施される予定であった。この空域はロシアからモニターできない場所であり、内蔵プログラムに従って実施されることになっていた。
管制部では当初の予定に従い、追跡可能時刻で追尾を開始したが、捕捉できなかった。「長い間、探査機を見失っていた」と、ロシア宇宙庁長官ポポフキン氏は語っている。同長官によると、現在は位置を把握しているという。また、推進系に不具合が生じていることを認め、2回の噴射が全く実施されなかったことも明らかにした。加えて、衛星の姿勢と、トラッカーの切り替えにトラブルが生じている可能性を示唆している。
ポポフキン長官によると、点火コマンドが実行されなかったようだといい、また、開発段階で問題が生じる可能性も予見されていたと付け加えている。なお、ノーボスチ通信が伝えるところによると、ソフトウェアかハードウェアに問題が生じた可能性があるといい、ソフトの場合はまだリカバリーできる可能性があるが、ハードの場合は最悪の結果もあり得るという。
探査機は現在、バッテリー駆動の状態にある。容量は3日分で、この間に対策を講じたプログラムをアップロードし、火星へ向けたエンジン点火ができるよう、状況を確認しているとのこと。
ちなみにNASAとロシアとの間には追跡協定はなく、ロシア側からの要請が無い限り、NASAの深宇宙ネットワーク(DSN)では追跡しないとのこと。詳しくはこちらへ【Spaceflight Now 11.08】
…中途半端にエンジンを吹かず、燃料満載のままなのが幸いでしたね。単なるプログラムエラーなら再点火で乗り切れる可能性も高いと…
☆フォボス・グルントの打ち上げ中継がこちらで行われます↓
http://www.tv-tsenki.com/index2.php
☆9日午前5時16分(日本時間)に打ち上げ予定の火星探査機「フォボス・グルント」、パーキング軌道では2回のエンジン噴射で火星遷移軌道へ投入されますが、いずれもロシア本土からは見えない地点でのオペレーション。経緯はオンボードメモリに蓄えられ後でダウンロードされて正否が確認されますが、これでは時間がかかります。
そこで、地上から光学観測でエンジン点火を確認できないかという試みが提唱され、その協力が呼びかけられています。下図が、リリースされている軌道プロフィール。黒い部分がエンジン噴射の部分です。
2回の噴射は南米上空、現地時間で夜ですね。ロシア上空を通るときに交信が可能です。軌道投入成功がはっきりするのは、日本時間で午後でしょうか。詳しくはこちらへ【pic: phobos-grunt】
☆欧州宇宙機構(ESA)は、ロシア宇宙庁と合同で木星の衛星「エウロパ」を探査する構想を明らかにした。今月30日までに両機関からなる合同研究チームが具体的なプランを明らかにする方向だという。露イズベスチア紙が報じた。
ロシア宇宙庁の高官は匿名で、近未来にESAと合同で木星系の探査プロジェクトが始動すると語っている。2023年以降は打ち上げのタイミングが悪くなるので、それまでに実施されるものだという。
探査機の打ち上げにはは「プロトンM」ロケットが用いられるという。現時点でのロシア側負担見積もりは23億8000万ルーブル(約61億円)とされている。
詳しくはこちらへ【イズベスチア 11.01】
☆将来の有人火星飛行を想定してロシアとフランス、イタリア、中国の男性計6人が外部から隔離されたモジュール内で520日間を過ごす実験「MARS500」が4日に終了し、参加者は約1年5カ月ぶりに「外の世界」に出た。
実験はロシア科学アカデミー生物医学問題研究所が実施。世界から選抜された医師や研究者ら6人が昨年6月3日からモスクワ市内に設置された模擬宇宙船で暮らし、長期間の「宇宙生活」が人体に与える影響などを調査してきた。実験期間の520日は、地球からの往路(250日)と火星着陸(30日)、復路(240日)を想定した。
「火星飛行」を終えて地上に「帰還」した6人は健康診断を受け、8日に記者会見を行う。
同研究所によると、実験期間中に6人の間でいさかいなど問題は起きなかったという。参加者には「調査協力費」として各約300万ルーブル(約770万円)が支払われる。
一方、ロシア連邦宇宙局は4日、同様の実験を約2年後に国際宇宙ステーションで実施し、2030年代半ばには火星への有人飛行が可能になるとの見解を示した。【毎日 11.04】
☆2日、プログレスM-13M無人貨物船が、無事国際宇宙ステーション(ISS)に到着しました。
プログレスがアプローチを開始します。同船には補給燃料が750kg、酸素50kg、水420kg、それに各種ハードウェアが計1410kg搭載されています。
プログレス、ISSの「ピールス」モジュールの正面まできました。
プログレスの先端に取り付けられている、さかづき型をした2枚の小型パラボラが、ピールスに取り付けられているやや小さめのパラボラと正対しています。これはプログレス/ソユーズ宇宙船の誘導システム「クルス」のアンテナです。
ドッキング直前!
その他の画像はこちらへ【photo: NASA】
☆米航空宇宙局(NASA)は、空母ほどの大きさの小惑星が米国時間の11月8日に地球に最接近し、月よりも近い距離を通過する見込みだと発表した。この大きさの天体が地球にこれほど接近するのは約30年ぶりだという。
この惑星は幅約400メートルで、太陽の方向から接近し、地球から32万4600キロの距離を通過する。
NASAではこの小惑星を「潜在的に危険な天体」に分類している。米パデュー大学の専門家によれば、もし地球に衝突した場合、マグニチュード7.0の地震に相当する4000メガトンの衝撃が発生し、海上に落下すれば落下地点から約100キロの圏内が高さ20メートル以上の津波に襲われる。
ただしNASAによれば、少なくともあと100年はこの小惑星が地球に衝突する危険はないという。
NASAはカリフォルニア州のモハベ砂漠にあるレーダーアンテナを使って小惑星を観測する計画。光学望遠鏡を使えばアマチュア天文家も観測できるという。米国で観測に最も適した時間は東部標準時の同日午後4時(日本時間9日午前6時)以降だという。
次にこの規模の天体が地球に接近するのは2028年になるとNASAは予想している。【朝日 11.04】
☆火星への長旅を模して、「宇宙飛行士」の男性6人が520日間も閉鎖空間で生活する実験「火星500」が、日本時間の4日夜終了する。長期滞在による精神的、肉体的影響を調べ、将来の本物の火星探査に生かすのが目的で、昨年6月からモスクワの実験施設で続けられていた。
「同じ科学実験の繰り返しで、もう関心が薄れてしまったよ」。メンバーの1人が先月26日のブログでこう弱音を漏らした。
火星500ではロシア、フランス、イタリア、中国からの医者や技術者6人が約550立方メートルの宇宙船を模した空間で暮らす。食糧は宇宙食だけで、9月中旬までは外部と直接通話もできなかった。空気は内部で循環させているが、例えば、トイレは「地球」の下水道を利用しているという。
火星を模したモジュールもあり、「着陸」の間だけ出入りできる。火星には今年2月に到着した。
「帰還」間近の10月、施設のあるロシア科学アカデミー生物医学問題研究所が朝日新聞の取材に、最終段階の様子を説明した。
「初めの頃に比べると、乗組員はだいぶ疲れて、活動が鈍っているのがわかる」。6人の様子を司令室から遠隔カメラで見守る上級技術者のミハイル・クタコフさん(27)は話す。
ディスプレーをのぞくと、一人は机に向かって勉強し、別の一人は運動トレーニングを黙々とこなしていた。個別のプログラムに沿って活動しているとはいえ、孤独そうにみえる。
終了後、データを分析して結果を発表するが、心理面の研究を担当するユーリー・ブベーエフさん(55)は「特に、国際チームでどういう人をメンバーに選抜すべきかについて成果があるだろう。火星を目指す米国もこの結果を参考にするのではないか」と話した。
模擬施設を使ったこうした研究方法の原型は、旧ソ連が1960年代から実施していたものという。宇宙空間を模擬した閉鎖空間での実験としては、1999年、同じ研究所で国際宇宙ステーションを想定して実施された110日間の実験「スフィンクス99」があり、日本も参加した。【朝日 11.04】
☆今月9日午前5時16分、ロシアの火星探査機「フォボス・グルント」が打ち上げられる予定です。これはその名の通り、火星の衛星「フォボス」に到達、着陸し、その表面を採取し持ち帰るという、とても野心的なミッションです。
4日、探査機にフェアリングが被せられました。この後、ロケット組み立て棟へ運ばれ、打ち上げロケット「ゼニット-2SB」に結合されます。
フェアリングにはミッションイラストが貼られています。参画機関のロゴマークもありますね。(そのほかの画像はこちらへ)
本来は2009年秋に打ち上げられる予定でしたが、ハードウェア等の準備が間に合わず、今回に延期されていました。ロシア宇宙庁のサイトには時折、進捗状況が出ていましたが、9月頃からインタビューなど関連話題がよく出るようになりました。
この探査機には、中国の火星周回探査機「蛍火1号」も相乗りしており、火星の側で分離されます。下の画像で、上段にフォボス・グルント、中段に蛍火です。下段は推進部。
ちなみに、「NetMet」と呼ばれる、フィンランドの研究機関が製作した火星着陸機が搭載される予定でしたが、重量問題から今回は見送られました(2009年の打ち上げタイミングに比べ今回は投入可能重量が小さいため、重量削減の必要がありました)。
下・探査機の軌道プロフィール。火星周回軌道へ入ると、推進部などを切り離し、その際、蛍火が分離されます。フォボス・グルントの方は軌道変更してフォボスへ。フォボス近傍へ到達すると活動開始です。
打ち上げられた探査機は、来年10月に火星周回軌道に入り、フォボス・グルントがフォボスへ着陸するのは2013年2月の予定です。
フォボス上で各種観測を行いつつサンプル採集を行い、帰還ステージが2013年8月、地球へ向けて離陸します。このとき本体はまだ観測を継続しており、エンジン噴射で機器を壊してはならないので、離脱はスプリングを利用して行われます(重力が微小なので可能)。充分な高度になったところでエンジンを噴射し、地球帰還軌道へ入ります。
2014年7月、地球の側まで来ると、カプセルが大気圏突入します。このカプセルにはパラシュートはなく、弾道突入で地表に着陸するとのこと(汗)。しかもビーコンなど発信器も搭載していないとのことで、地上からのレーダーおよび光学観測で捕捉、回収できるとのことです(…この辺、恐らく重量削減の一環かと…管理人)。
公式サイト http://phobos.cosmos.ru/index.php?id=559&L=2
ロシア宇宙庁の解説ページ http://www.federalspace.ru/main.php?id=375
☆新華社電によると、中国は3日午前1時半(日本時間同2時半)ごろ、同国の上空343キロの軌道上で、9月29日に打ち上げた無人実験機「天宮1号」と1日に発射した無人宇宙船「神舟8号」のドッキングを初めて試み、成功した。2020年をめどに完成を目指す独自の有人宇宙ステーション建設に向けて大きな一歩を踏み出した。
神舟8号は2日夜、52キロ離れた天宮1号を目標として捕捉した後、自動操縦に切り替えて減速しながら接近。ドッキングは約15分間かけて行われ、中国中央テレビが生中継した。北京宇宙飛行管制センターでは温家宝首相ら共産党政治局常務委員7人が見守り、フランスを訪問している胡錦濤国家主席の祝電が読み上げられた。【時事 11.03】
☆東日本大震災が起こした大気の波が高度約300キロ付近にまで到達していたことが、独立行政法人・情報通信研究機構(東京都)と京都大、名古屋大が共同で実施している観測でわかった。神戸大で3日から始まる地球電磁気・地球惑星圏学会で発表される。
同機構の津川卓也・主任研究員によると、東日本大震災の振動は、震源付近で地面の揺れや津波だけでなく大気の波も起こし、約7分後には宇宙の入り口である高度約300キロ付近の電離圏に到達。到達地点の「電離圏震央」を中心として電離ガス(プラズマ)の波が同心円状に広がる様子が約3時間にわたって観測されたという。
国土地理院が国内に1200カ所持つ全地球測位システム(GPS)の受信地点を活用して観測。2004年のインドネシア・スマトラ島沖地震などでも同様の現象が観測されたが、全体を詳細に観測できたのは今回が初めてという。【時事 11.03】
☆屋外展示施設を改装中の名古屋市科学館(名古屋市中区栄)に、国産最大のロケット「H2B」と、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の試作機が登場した。
H2Bと「きぼう」の機体が展示されるのは国内で初めて。すべての改装工事が終わる6日から公開される。
H2Bは、今年1月に2号機が打ち上げられた国産最新の2段式ロケット。全長約57メートル、直径5・2メートルあるが、展示されるのは一部を除いた約46メートル。フェアリングと呼ばれる先端にある覆いや、液体水素タンク、エンジンを支える部分などほとんどが開発のための実験用に作られた実物だ。液体水素タンクは切断されていて、内部も見ることができる。
宇宙飛行士の古川聡さんが活動しているISSの「きぼう」は、宇宙飛行士が滞在する中核部分の船内実験室(全長約11メートル、直径4・4メートル)が展示される。
「H2B」は愛知県弥富市の倉庫に、「きぼう」は宇宙航空研究開発機構の筑波宇宙センター(茨城県つくば市)に保管されていたものを、JAXAから譲り受けた。【読売 11.03】
☆宇宙航空研究開発機構は1日、金星周回軌道への再投入を目指す探査機「あかつき」について、金星方向に軌道を合わせるため、小型エンジンを約10分間噴射したと発表した。
再投入に向けた最初の山場。21日まで計3回に分けて噴射し、成功すれば2015年に金星に近づく。
あかつきは、主エンジンが故障しており、小型の姿勢制御エンジンを使った金星周回軌道投入を狙う。15年以降に速度を調整し、周回軌道投入は16~17年になる可能性が高い。
あかつきは昨年12月、金星の周回軌道投入に失敗。その後、主エンジンは想定の9分の1程度の推進力しか出ないことが判明した。【読売 11.01】
☆米ボーイング社は10月31日、スペースシャトルの整備に使っていた米フロリダ州のケネディ宇宙センター内の施設を利用して、国際宇宙ステーションに人を送るための新たなカプセル型有人宇宙船「CST―100」の開発を進めると発表した。
最大7人乗り。さまざまなロケットで打ち上げて再使用が可能で、2015年に試験飛行を予定する。深刻化する同地域の失業者対策になるだけでなく、シャトルの施設を有効利用することで経験豊かな作業員や技術者を集めやすい利点があるという。【共同 11.01】
☆中国は1日、無人宇宙船「神舟8号」を内モンゴル自治区の酒泉衛星発射センターから打ち上げた。2日以内に9月に打ち上げた中国初の無人宇宙実験室「天宮1号」とドッキング実験を実施。2020年前後に予定する長期滞在可能な有人宇宙ステーション建設に向け、ステップを進める。【共同 11.01】
☆政府の宇宙開発戦略本部の専門調査会は10月31日、文部科学省の宇宙開発委員会を廃止し、新たに政府の宇宙政策全体を見渡す宇宙政策委員会(仮称)を内閣府に設置する方針をまとめた。11月の次回会合で検討し、年内に改革案を宇宙開発戦略本部に提出する。
同本部事務局によると、宇宙政策委には、宇宙開発についての政策の重点化や予算配分方針について、関係省庁に勧告できる権限を持たせることを検討する。従来の宇宙開発委は主に、宇宙航空研究開発機構の活動や計画について審議していた。【共同 10.31】
☆日本時間30日19時11分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より、無人貨物宇宙船「プログレスM-13M」が打ち上げられました。飛行は順調で、予定の軌道に投入されたとのことです。
リフトオフ!力強い離陸です
画面右下に見える青い看板には、ガガーリンの顔に添えて「ガガーリン発射台」と書かれています。
これで、11月14日に予定されているソユーズ宇宙船の打ち上げへ弾みがつきましたね!詳しくはこちらへ【Energia 10.30】
☆日本時間30日19時11分、バイコヌール宇宙基地より国際宇宙ステーションへ向けて、無人貨物宇宙船「プログレスM-13M」が打ち上げられます。今年8月に打ち上げ失敗した同M-12Mに続く貨物船です。
雪の舞う中、プログレスは射点へと運ばれ、据え付けられました
今回の打ち上げは、11月中旬に予定されているソユーズ宇宙船飛行再開へ向けた、ソユーズ打ち上げロケット認証テストの意味合いもあります。無事のフライトを祈りましょう。詳しくはこちらへ 【photo: Roscosmos】
☆ロシアの政府系紙イズベスチヤは19日、ロシア宇宙庁が極東アムール州に建設を計画するボストーチヌイ宇宙基地について、今夏に予定された着工が予算不足で遅れ、2015年に見込む最初のロケット打ち上げが大幅にずれ込む見通しだと報じた。
ロシアは、ロケット発射の主力施設をカザフスタンのバイコヌール基地からボストーチヌイ基地に移し、18年にも有人宇宙船を打ち上げる計画を示してきた。工事の遅延は、ロシアの宇宙戦略にも影響しそうだ。新基地は周辺施設を含め総工費4000億ルーブル(約1兆円)。予算を巡る財務省との溝が埋まっていないという。【読売 10.19】
☆ロシア連邦宇宙局の有人宇宙飛行プログラムを担当するアレクセイ・クラスノフ氏は18日、宇宙局が国際宇宙ステーション(ISS)の運用を2028年まで継続させる方針を決めたと述べた。
ガガーリン氏の有人宇宙飛行50周年を記念するフォーラムが、モスクワ近郊の宇宙飛行士訓練センターで行われている。クラスノフ氏は開幕式で、ISSの運用を計画について、協力相手との協議を経て28年まで継続することにしたと説明した。
クラスノフ氏は「今後、ISSは科学実験室だけでなく、組立工場として活用してもよい。大型宇宙飛行装置を組み立ててから、需要に応じて地上に送る、または軌道に乗せるといったことができる」と説明した。
ISSプロジェクトは1998年に始まり、ロシア、米国、カナダ、日本、ブラジル、欧州の宇宙局を含む16組織が参与している。当初の計画では13年に運用が終了するはずだったが、03年の米コロンビア号の空中分解事故によってISS計画に遅れが生じたため、20年まで延長されることとなった。【毎日 10.18】
☆宇宙に長期滞在中の飛行士は、睡眠・覚醒などの生体リズムを刻む「体内時計」が地上よりも正常化する傾向があることが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究で分かった。宇宙では体内時計が狂ってしまうとの予想を覆す結果だ。長期滞在飛行士の生体リズムの分析は世界初で、将来の火星旅行に向けた基礎データになるという。
若田光一さん、野口聡一さんら日米欧の飛行士数人が、国際宇宙ステーション(ISS)での約半年間の滞在中に24時間の心電図を3回計測。地上での計測値と比較し、約1日周期の生体リズム(概日リズム)がどう変わるかを調べた。人間の体内時計は1日を24時間より少し長めに刻んでおり、太陽光を見ることなどで24時間に修正しているとされる。
計測の結果、飛行前の概日リズムは正常値より長めだったが、ISS滞在中は24時間に近づいて正常化する傾向がみられ、帰還後は再び飛行前の状態に戻ることが分かった。
概日リズムは自律神経の働きと密接な関係があり、周期が乱れると昼間に眠くなるなど「時差ぼけ」のような状態になる。地球を周回するISSでは昼夜が45分で入れ替わるため、飛行士の概日リズムは乱れると懸念されていた。
宇宙生活で正常化した理由は不明だが、飛行士は訓練のため世界各国を頻繁に移動しており、いわば年中、時差ぼけの状態。一方、ISS船内では昼間は照明をつけ、夜は消灯して1日24時間の日照を再現しており、地上勤務よりむしろ規則的な環境だったことが影響した可能性がある。
データは分析の初期段階で、今後詳しく解析する。JAXA宇宙医学生物学研究室の山田深主任研究員は「生体リズムが崩れると体力が低下して免疫力が落ちる恐れがあり、任務に影響する。研究成果は1、2年の長期に及ぶ火星飛行での健康管理にも役立つだろう」と話している。【産経 10.10】
☆政府は30日、衛星利用測位システム(GPS)の精度向上を目指す準天頂衛星「みちびき」について、2010年代後半を目標に4基体制とし、将来的には7基を目指すとする方針を閣議決定した。
政府の宇宙開発の体制一元化については、検討していた「宇宙庁」設置を当面見送り、司令塔機能を内閣府に置く。
30日朝に開かれた宇宙開発戦略本部で、野田首相は「さまざまな省庁が宇宙に関わっていたが、まとめて戦略的な推進体制を作ることが肝要だ」とあいさつした。
同本部は、準天頂衛星を産業の国際競争力強化や、安全保障に重要と位置付け、「日本も取り組む必要がある」とした。【共同 09.30】
☆中国初の国産有人宇宙ステーションの無人実験機「天宮1号」が29日午後9時16分(日本時間午後10時16分)、内モンゴル自治区と甘粛省にまたがる酒泉衛星発射センターから打ち上げられた。その後予定の軌道に乗り、中国政府は「打ち上げ成功」を発表した。
中国は2020年までに長期滞在可能な有人宇宙ステーションを完成させ、将来的には有人宇宙船の月面着陸も目指している。中国の計画が成功すれば米露に次ぐものとなり「天宮1号」の打ち上げ成功は、その第一歩となる。
中国メディアによると、天宮1号が打ち上げられた後、11月までに無人宇宙船「神舟しん(しゅう)8号」が発射され、宇宙空間で「天宮1号」とのドッキング実験を行う予定。その後、さらに2年以内に中国初の女性宇宙飛行士の搭乗を想定した「神舟9号」、「神舟10号」も打ち上げ、ドッキングの実験を繰り返す。
また、今回の「天宮1号」の後続として「天宮2号」「天宮3号」も15年までに打ち上げる予定だ。
宇宙ステーションの建設・運用には巨額の費用がかかるため、単独で成功したのは旧ソ連(1971年)と米国(73年)だけ。日米露など15カ国は協力して国際宇宙ステーション(ISS)計画を進めてきたが、中国の軍事利用を警戒する米国の反対もあり、中国は参加せず独自開発してきた。中国の打ち上げ成功にはインドなども強い関心を示しているとみられ、日米露などによる既存のISS計画に対抗し、中国を軸とする新たな協力関係が築かれる可能性もある。【毎日 09.29】
☆画像は、NASAの地球観測衛星「テラ」が撮影したカムチャッカのキジメン火山。一枚目は2009年9月上旬に撮影されたもので、二枚目は今月上旬に撮影されたもの。2010年の噴火で様相ががらりと変わってしまっています。
変化の違いがわかるように着色されています。噴火で吹き出した溶岩や灰は灰色で着色された部分ですが、地形的な違いは、噴火で堰止め湖が出現したことです。そばに見える元々あったものと比べると、かなり巨大なものであることがわかります。
詳しくはこちらへ【photo: Earth Observatory】
☆中国の宇宙ステーションの実験第1号機「天宮1号」の打ち上げが29日にも内モンゴル自治区の酒泉衛星発射センターで実施される。華僑向け通信社「中国新聞社」など複数のメディアが伝えた。中国は2020年までに中国初の宇宙ステーションの完成を目指しており、天宮1号はそのひな型版だ。宇宙船のドッキング技術などを確立することが目的で、成功すれば中国の宇宙開発は新たな段階に入る。
天宮1号の重さは約8・5トン。実験装置室と物資保管室から構成され、ドッキングボートを装備している。計画では、年内に打ち上げられる無人の宇宙船、神舟8号の自動ドッキングを成功させてから、有人の神舟9号、10号にドッキングさせ、宇宙飛行士が天宮1号に移動して作業する実験を行う。
その後、2015年までに本格的な船内実験室を持つ天宮2号と3号を打ち上げる予定。その実験データを分析したうえで最終的に中国独自の宇宙ステーション「天宮」を完成させる。天宮は、中国の古典小説「西遊記」の中で神仙が住む場所とされている。
中国メディアによれば、天宮1号は29日午後9時(日本時間同10時)に打ち上げられる予定だが、天候の関係で30日にずれ込む可能性もある。打ち上げに運搬ロケット「長征2号F」を使う予定だが、同系統の「長征2号C」が今年8月、実験衛星の打ち上げに失敗し、衛星を予定の軌道に乗せられなかったことがあったため、天宮1号の打ち上げの延期を主張する専門家もいるという。
中国は文化大革命のさなかの1960年代から巨額の資金を投じて人工衛星の研究など宇宙開発に力を入れ始め、90年以降経済発展とともにさらに本格化させた。当初はロシアから提供を受けた技術が多かったが、最近は独自開発の技術の割合が急増したとされる。【産経 09.27】
☆米航空宇宙局(NASA)は24日、運用を停止した大気観測衛星「UARS」が大気圏に突入し、一部の部品がカナダに落下したとみられると発表した。
短文投稿サイト「ツイッター」には、カナダ西部カルガリー南郊のオコトクスに破片が落下したという報告がみられる。
大気圏突入は米東部時間23日午後11時45分から24日午前0時45分(日本時間24日午後0時45分から同1時45分)とみられるが、詳しい時間と場所の特定はできていない。
衛星はこの時間帯に、カナダやアフリカのほか、大西洋、太平洋、インド洋の上空を通過していた。
UARSは1991年にスペースシャトルから軌道に放たれ、14年間にわたって大気中のオゾンや化学物質を観測。2005年にその役目を終えると、徐々に高度を下げてきた。
NASAのウェブサイトによると、UARSの大きさは全長10.6メートル、直径4.5メートルで、重さが6.5トン。大気圏突入の際、最大151キロの部品を含め計約500キロの破片26個が地上に落下すると予想されていた。【ロイター 09.24】
☆地球に落下しつつある米航空宇宙局(NASA)の大気観測衛星「UARS」について、首相官邸危機管理センターは24日、日本付近に落下して被害が出る可能性は低いとの見通しを示した。
NASAは、衛星が同日正午から午後4時の間に大気圏に突入するとの予想を発表。危機管理センターによると、仮に落下が遅れれば、午後5時半ごろ小笠原諸島のかなり南の太平洋上空を通る見通しだが、その場合でも被害は生じないとみられる。【時事 09.24】
☆ニュートリノが、光の速度より速く飛んでいるという今回の観測結果が正しいとすると、どうなるのか。
タイムマシンや異次元空間、宇宙の運命が変わるなど、これまではサイエンスフィクション(SF)の中でしかなかったような奇妙なことが現実に起きている可能性があると、村山斉・東大数物連携宇宙研究機構長は説明する。
アインシュタインの相対性理論では、ものが速く動くほど時間の進み方は遅くなり、光速では進み方はゼロになる。さらに光速を超えると、時間の進み方は逆になり、時間を遡ってしまう。このような現象はあり得ないとして、アインシュタインは「光速を超えるものはない」とした。しかし、それが破られたことになる。ニュートリノから見ると、到着したイタリアの時刻は、自分が飛び出したスイスの時刻より前になる。
相対性理論と矛盾しないように「超光速」を説明する考えもある。「異次元」の存在だ。私たちの宇宙は、前後、左右、上下の3次元に時間を加えた4次元の世界だ。もし、5次元や6次元といった、別の次元があり、そこを近道して粒子が通れば、見かけ上、光よりも早く着いたように見えてもおかしくない。だが、「仮想の粒子ならともかく、ニュートリノという実際の粒子にあてはめるのは難しい」と、佐藤勝彦・自然科学研究機構長はこの考えに否定的だ。
ニュートリノの質量を計算に便宜的に使われる「虚数」という想像上の数字にしてしまう方法もある。だが、ニュートリノの質量を虚数とすると、宇宙全体のエネルギーが変わり、宇宙がどのように生まれ将来どのようになっていくのか計算するのにも影響を与える。
「アインシュタインの理論を捨てなければならないとはにわかには信じられない。様々な理論や実験を重ねながら検証していかなければならないだろう」と村山さんは指摘する。
一方、人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」の原作者、松本零士さんは「ヤマトで描いた、ワープ(超光速航法)が実現可能なんだと思った。思いをめぐらして描いたSF作品が、現実だったと証明されていくのは楽しい。さらに新しいアイデアを考えなければ」と今回の結果に興奮気味だった。【読売 09.24】
☆三菱重工業株式会社および宇宙航空研究開発機構は、平成23年9月23日13時36分(日本標準時)に、種子島宇宙センターから情報収集衛星光学4号機を搭載したH-IIAロケット19号機(H-IIA・F19)を打ち上げました。
ロケットは正常に飛行し、情報収集衛星光学4号機を分離した事を確認しました。
今回のH-IIA・F19打上げ実施にご協力頂きました関係各方面に深甚の謝意を表します。 なお、ロケット打上げ時の天候は晴れ、北東の風(5.7m/s)、気温24.5℃でした。プレスリリースはこちらへ【JAXA 09.23】
…管理人の地元でもすっ飛んで行くのが見えました。写メでは少し苦しいのですが、肉眼でははっきりとした煙の筋が↓
☆米航空宇宙局(NASA)は22日、6年前に運用を終え、宇宙ごみとなって徐々に高度を下げている大気観測衛星「UARS」(長さ約10メートル、重さ約6トン)が米東部時間23日午後もしくは夕方に大気圏に突入する可能性があると発表した。日本時間の24日未明から同日朝に当たる。
NASAは、この時間帯には北米上空は通過しないとしている。落下予想地域は日本を含む北緯57度から南緯57度の広い範囲。CNNテレビによると、NASAは大気圏突入後、数分で破片が地球に到達すると予測している。
大気圏突入後に、分解した衛星の破片のうち26個(計532キロ)が長さ約800キロにわたって帯状に落下すると予測。破片は燃料タンクに使用されているチタニウムなどで、重さは大きい物で約160キロ。
破片が当たり人が負傷する確率は3200分の1で、NASAの専門家は当たる人を特定した場合の確率は20兆分の1以下になるとしている。【時事 09.23】
☆三菱重工業株式会社および宇宙航空研究開発機構は、種子島宇宙センターからの情報収集衛星光学4号機/H-IIAロケット19号機(H-IIA・F19)の打上げを平成23年9月22日以降に行うとお知らせしておりましたが、新たな打上げ日を平成23年9月23日、打上げ時間帯13時36分~13時49分(日本標準時)に設定いたしましたので、お知らせいたします。
なお、今後の天候状況等によっては、再延期の可能性もあります。プレスリリースはこちらへ【JAXA 09.20】
☆ロシア連邦宇宙庁は16日、6月から国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する日本人宇宙飛行士、古川聡さんらの地球への帰還を当初予定の11月16日から同月22日に延期すると正式発表した。
代替の飛行士を送る宇宙船「ソユーズ」は当初予定より2日遅れるが、同月14日に打ち上げる計画で、順調にドッキングすればISSが無人になる事態は避けられる。【読売 09.16】
☆三菱重工業株式会社および宇宙航空研究開発機構は、種子島宇宙センターからの情報収集衛星光学4号機/H-IIAロケット19号機(H-IIA・F19)の打上げを平成23年9月17日(土)に予定しておりましたが、天候の悪化が予想されることから、打上げを9月18日(日)以降に延期することといたしました。
なお、新たな打上げ日については、決定し次第お知らせいたします。プレスリリースはこちらへ【JAXA 09.15】
☆米航空宇宙局(NASA)は14日、退役したスペースシャトルの後継機となる次世代大型有人ロケットの開発計画を発表した。地球周回低軌道を越え、月や小惑星、最終的には火星に宇宙飛行士を送り込む能力を持たせる。人類初の有人月面着陸を果たしたアポロ宇宙船を運んだ「サターン5」を超える「史上最強」のロケットを開発する。
計画では2017年に大型ロケットの無人飛行試験を実施する。NASA当局者は米メディアに21年の有人飛行試験を目指すとしている。ロケットは多目的有人宇宙船「オリオン」を搭載する。
オバマ大統領は25年までに月を越える地球近傍の小惑星の有人探査を行い、30年代中盤までに火星周回軌道を有人飛行することを目標にしている。【時事 09.15】
☆ロシア宇宙庁当局者は13日、国際宇宙ステーション(ISS)に交代要員を送る有人宇宙船「ソユーズ」の延期されていた打ち上げについて、11月12日と12月20日に行うと明らかにした。インタファクス通信などが伝えた。
当初9月22日の予定だった打ち上げは、同型ロケットを使用する無人貨物船「プログレス」の8月の打ち上げ失敗を受けて延期されていた。ISSに滞在中の日本人宇宙飛行士、古川聡さん(47)ら6人が11月中旬までに帰還後、ISSが無人化する可能性もあったが、回避できる見通しとなった。【時事 09.14】
☆小惑星イトカワからサンプルを採取し帰還した探査機「はやぶさ」のプロジェクトを描いた映画「はやぶさ/HAYABUSA」が10月1日に全国で公開されるのを前に、堤幸彦監督と主演の竹内結子さん、西田敏行さんが13日、福岡市内で記者会見し、作品をPRした。
約60億キロ、7年間に及ぶイトカワまでの往復の旅を支え続けたプロジェクトチームの人間ドラマを描いた映画。竹内さんは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の広報担当スタッフ役、西田さんは実際に「はやぶさ」のプロジェクトに参加した的川泰宣・同機構名誉教授を演じた。
会見で西田さんは「はやぶさにかかわった人たちの活躍は、東日本大震災で打ちひしがれた日本に改めて感動を与えてくれるはず」。竹内さんは「映画を見た人が『自信』を持って劇場を後にしてくれれば」とアピールした。
堤監督は「はやぶさの偉業に、映画で参加するんだという熱気にあふれた撮影現場だった」と振り返った。【産経 09.14】
☆先日、月面上のアポロ着陸地点のクローズアップ画像が公開されて話題になりましたが、ここでもちょっとメモしておきます。
月を南北に周回しているNASAの月周回探査衛星「ルナ・リコネッサンス・オービター」(LRO)は通常、平均高度50キロを周回していますが、詳しく言うと、近月点35キロ、遠月点65キロの楕円軌道を描いています。ほっておくと不均一な月重力場からうける揺らぎのため月面に墜落するので、定期的に(28日おきに)エンジンを吹かして軌道を保っておく必要があります。
ところで先月10日、エンジニアチームはこの機会を巧みに利用し、軌道修正を注意深く行うことで、近月点距離を21キロまで持って行くことに成功しました。しかもその場所をアポロ着陸地点の真上に持ってきたのです。
その結果、すでに公開されていたアポロ着陸地点よりもより高解像度の画像を得ることに成功しました。下は、以前と今回の比較。a、bは以前撮影されたアポロ17号着陸地点で、cは今回撮影されたもの。LM下降段の細部や、周辺を走り回った月面車や飛行士の足跡がよりはっきりとしています。
下は17号クルーが残した観測機器周辺の様子。彼らの足跡もそのまま残っています。
17号クルーが使用した月面車。車輪の形など浮かび上がっているのが感動的です。
LROの軌道は9月6日、元の軌道高度へ戻されました。詳しくはこちらへ。【photo: LROC】
☆このところ更新がさらに滞り気味ですが、このようなものを作ってました。
タミヤのシャトルプラモ、あとは細部の塗装とデカール貼りです。このキットにはスペースラブもついていますが、カーゴベイに入れるべきか考えていたり。プラモは20数年ぶりに作ったので実質、ド素人。塗りムラなど突っ込みは無しでお願いします(笑
☆ロシア宇宙庁は24日、国際宇宙ステーション(ISS)に食料や燃料を輸送する無人の宇宙貨物船プログレスの打ち上げが失敗し、大気圏内で炎上したと発表した。
現地時間の同日午前9時(日本時間午後10時)にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられたプログレスは、打ち上げ約5分後に上段ロケットモーターの不具合が発生したとみられている。
ISSには現在、日本人宇宙飛行士の古川聡さんら6人が滞在しているが、ロシアや米国の宇宙当局は食料や水の備蓄はまだ十分にあるとしている。
米スペースシャトルが先月に退役した後、ISSへの輸送はロシアに依存している状態だが、同国の宇宙船ソユーズもプログレスと同様のシステムを採用しており、今後の計画に影響が出る可能性もある。【ロイター 08.25】
…ソユーズロケットの不具合は久しぶりですね。プログレスの失敗は初ですね。。
☆国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の宇宙飛行士で、毎日新聞臨時ISS宇宙支局長の古川聡さん(47)が20日、プロ野球の横浜・阪神戦(横浜)で宇宙からの始球式を行った。
スコアボードの大型画面内に登場した古川さんは「横浜出身で野球少年でした」と自己紹介。軽く投じたボールは、しばらくして二塁ベース付近に着地(?)。日本宇宙少年団の少年が拾い、改めて始球式をした。
宇宙空間ではボールは理論上、スピードが落ちないまま永久に飛び続ける。中高時代には、軟式野球部の主将だった古川さんだけに、本当は宇宙で全力投球してみたかった?【毎日 08.20】
☆光のエネルギーを99%以上吸収してしまう、石炭より黒い惑星を米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究者らが発見した。
惑星の大気に光の吸収を促す物質が存在するとみられるが、それだけではこの黒さを説明できず、大きな謎として話題を呼んでいる。英国王立天文学会がホームページで発表した。
「黒い惑星」は木星ほどの大きさ。地球から、りゅう座の方向に750光年離れた恒星のそばを回っている。科学者らが、米ケプラー衛星が観測した光の反射率データを調べたところ、ほとんど光を反射しない「黒い惑星」を見つけた。
恒星の光を吸収しているため、惑星の大気の温度は1000度以上に達し、吸収熱で表面はわずかに赤みを帯びている可能性もある。大気には、光を吸収しやすいナトリウム、酸化チタンなどがあるとみられる。【読売 08.16】
☆ロシア・ラボーチキン社副局長の話によると、同国が今秋に打ち上げる火星探査機「フォボス・グルント」の打ち上げ予定が、11月5日とのこと。これまでもいくつか日付が出ていましたが、これが直近の予定ということでしょうか…
詳しくはこちらへ【Roscosmos 08.14】
☆ロシア宇宙局のポポフキン長官が有人宇宙飛行について、巨額の費用がかかることを理由に見直しを示唆した。スペースシャトル引退後、ロシアは国際宇宙ステーション(ISS)に人員を運べる唯一の国となっており、ISS計画の費用負担などをめぐる牽制(けんせい)と見られる。
11日付のロシア紙「コメルサント」がインタビュー記事を掲載した。長官は「現在、宇宙局の予算の半分が有人飛行計画に充てられている」と発言。「単にだれかが『軌道』に出たいというだけなら、効果的な活動とはいえない」などと語った。
長官は「ISSについては義務であり、実現しなければならない」としながらも、ロシアにとって優先順位の高い課題として衛星測位システムや遠隔地質探査、気象装置などを列挙。「有人飛行には成果が必要だ」とも述べた。
ISS計画は米国が主導してきたが、米国は7月、費用などの問題から有人宇宙船スペースシャトルの打ち上げを終えた。人員輸送は当面ロシアのソユーズ宇宙船に頼ることになる。今後はISSの利用などをめぐってロシアの発言力が増すとみられており、長官の発言は注目を集めそうだ。
…本音とそうでない部分となんとなくわかりますが、もう少し様子をみないといけませんね。。
☆ソユーズ運用リスト5 1986-1989をアップしました。今回はミール打ち上げ直前から、打ち上げ3年後までのフライトです。振り返るとトラブルの多いこと…
http://spacesite.biz/space.soyuzmissions_5.htm
☆8月6日、ソ連が2人目の宇宙飛行士ゲルマン・チトフを打ち上げて50周年を迎えました。打ち上げは日本時間午後3時でした。
☆米航空宇宙局(NASA)は日本時間6日午前0時25分、ケープカナベラル空軍基地より木星探査機「ジュノー」(Juno)を打ち上げました。ジュノーは5年後、木星を周回する極軌道へ入り、磁気圏などの観測を詳しく行います。
第41番射点に立つジュノー。打ち上げロケットはアトラスⅤ551。この仕様で打ち上げられるのは冥王星探査機「ニューホライズン」以来です。
ジュノー、力強いリフトオフ!
迫力の動画はこちらへ。
打ち上げ前、射点に立つアトラスロケットw/ジュノー。フェアリング、デカ!w
今年5月、ケープカナベラルに運び込まれたアトラスロケット。輸送に使われた航空機はアントノフ124。デカ!
アストロテック社でのジュノー探査機。3枚の巨大太陽電池パネルは折りたたまれています。これから燃料の充填が行われるところです。
アストロテック社で組み立て中、探査機バスに取り付けられる前の太陽電池パネル。これが3枚。
ただし、1枚には先端に磁力計が取り付けられています。
ちなみに火星以遠の外惑星探査で太陽電池が用いられるのはこれが初。技術の進歩が発電効率を高め、木星軌道でもその使用が可能となったためです。また、原子力電池(RTG)の在庫が現時点では僅かということ、RTGに比べ結果的にコストが抑えられるということに加え、原子力を使わないという政治的アピールもあるようです。
木星周回中のすがた
プレスリリースはこちらへ【photo: NASA】
☆米メディアによると、米テキサス州東部のナコードーチス湖で、03年に空中分解事故を起こしたスペースシャトル「コロンビア」の残骸の一部が、事故から8年ぶりに見つかった。2日、米航空宇宙局(NASA)が確認した。
見つかったのは、燃料が入っていたとみられる直径1メートルほどの球状部品。湖周辺は激しい干ばつに見舞われており、水面が低下したために残骸が姿を現したという。
シャトルの残骸は米国の広い範囲に落下したが、見つかっていない部品も多い。NASAはコロンビアの残骸が保管されているフロリダ州のケネディ宇宙センターにこの部品も運ぶ予定という。
事故は03年2月1日に発生し、7人の乗組員全員が死亡した。打ち上げ時に破損した左翼前縁部から、大気圏突入の際に高温ガスが機体に流入したことが原因と判明。シャトル計画に終止符が打たれる一因となった。【共同 08.03】
☆ロシアのベールイ駐日大使は2日、ロシアのソユーズ宇宙船に搭乗した経験を持つ宇宙飛行士の若田光一さん、元TBS記者の秋山豊寛さんに対し、東京のロシア大使館で「宇宙開発の功績をたたえる」メダルを授与した。
メダルは、旧ソ連の宇宙飛行士ガガーリンが人類初の宇宙飛行をしてから今年で50年になるのに合わせ、ロシアが外国人飛行士63人への授与を決定。対象となった日本人3人のうち、野口聡一さんは4月12日、クレムリンの授与式でメドベージェフ大統領からメダルを受け取ったが、若田さんと秋山さんは欠席していた。【共同 08.02】
☆有人ソユーズミッション・リスト3および4をアップしました。
ソユーズ運用リスト3 Soyuz missions 1980-1981
ソユーズ運用リスト4 Soyuz missions 1981-1985
☆無重力でめまいなどを感じる「宇宙酔い」の仕組み解明を目指す信州大医学部の宇佐美真一教授(耳鼻咽喉科)らのグループが27日、米国最後のスペースシャトル「アトランティス」で無重力状態で飼育した実験用ラットの耳の奥の内耳を分析、本格的な研究を始めると発表した。宇宙酔いに関する内耳の基礎的なデータは世界で唯一という。
宇宙酔いは、内耳の中で重力を感じる器官の前庭が無重力でバランスを保てず、吐き気やめまいなどを起こすとされるが、発症の詳しい仕組みは分かっていない。
宇佐美教授らは宇宙航空研究開発機構と共同で2001年に研究を始めた。09年から今年までの3回、スペースシャトル内の無重力空間で約2週間から3か月間飼育されたラット計23匹の内耳を入手。09、10年の前庭の細胞では、遺伝子のたんぱく質が活発に増減していることが分かった。増減について分析を進め、宇宙酔いに関係する遺伝子を解明する。
仕組みが分かれば、めまいや宇宙酔いに効く新薬の開発にもつながる可能性があるという。宇佐美教授は「宇宙に長期滞在する時代を前に、宇宙酔いの改善方法や、長期滞在が可能かどうかが分かり、通常のめまいの治療にも役立つのではないか」と期待している。【読売 07.28】
☆米航空宇宙局(NASA)で約2年間の訓練を終え、新たに宇宙飛行士に認定された油井亀美也さん(41)、大西卓哉さん(35)、金井宣茂さん(34)の3人が27日、東京・丸の内の宇宙航空研究開発機構で記者会見し、「国民の期待に応えられるよう、誠心誠意頑張りたい」と抱負を語った。
スーツ姿の3人はやや日焼けし、2年前の選抜時と比べ精悍な顔つきに。大西さんは「期待と不安がない交ぜだったが、2年間NASAの訓練でもまれて手応えを感じた」と自信に満ちた表情。最年長の油井さんも「新しいことばかりだったが、41歳でもNASAの訓練を乗り越えられた。自分がというより、人間の能力はすごいと思った」と振り返った。
2人から半年遅れで訓練に参加した金井さんは「目の前の課題を一つ一つクリアしていたら、2人と同時に認定された」と振り返り、「2人が先にいたのは実は得で、難しい訓練を先に受けていたので手助けしてもらえて助かった」と笑いを誘った。
3人は国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在要員候補として訓練を続け、2015年以降の滞在機会を待つ。【時事 07.27】
☆有人ソユーズミッションの概要まとめを作っています。いつコンプリートするかは未定ですが、ぼちぼち続けていければと…とりあえずソユーズT-1号までをこちらに
ソユーズ運用リスト1 Soyuz missions 1967-1975
ソユーズ運用リスト2 Soyuz missions 1975-1979
☆日本の宇宙飛行士の宇宙滞在日数が24日で通算494日となり、ドイツを抜き、ロシア、米国に次ぐ世界第3位になる。
1990年にテレビ局記者だった秋山豊寛さん(69)が、旧ソ連の宇宙船ソユーズで初めて宇宙に滞在してから、日本人の宇宙飛行士はこれまで計9人。現在は、古川聡さん(47)が国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在している。
日本は2009年末時点では第7位だったが、野口聡一さん(46)、山崎直子さん(40)、古川さんとISS滞在が続いたため、一気に3位に浮上した。ただ、独自の宇宙ステーション「ミール」も持っていたロシアの2万760日、月面着陸を成功させた米国の1万4786日とは、大きな差がある。【読売 07.23】
☆米航空宇宙局(NASA)は11日、最後のスペースシャトル「アトランティス」の任務期間を1日延長すると発表した。
国際宇宙ステーション(ISS)での任務を1日延ばすためで、帰還は米東部時間の21日午前6時前(日本時間21日午後7時前)になる。
帰還日は当初、アポロ11号が月に着陸してからちょうど43年目にあたる20日に設定されていた。しかし、予定になかった記者会見をISSで開くことになったため、任務を確実にこなすにはISSでの滞在期間を延長すべきだと判断した。
一方、シャトルがISSに到着する直前に古川聡さんらが撮影した写真をNASAが分析した結果、帰還の際に問題となるような損傷は見つからなかったという。【読売 07.12】
☆90分に1回地球を回る国際宇宙ステーション、この宇宙開発事業史上最も高額な1000億ドルを費やしたプロジェクトは数日中にロシアの単独事業となる。
米国最後のスペースシャトルが8日に打ち上げられ、その後、米国をはじめ各国はロシアへ委託して宇宙ステーションに宇宙飛行士を送り込まなければならない。有人宇宙事業を独占することになるロシアは、すでに意気軒高たるものがある。同国は飛行士を輸送するソユーズのカプセルの費用を2005年と比べほぼ3倍に値上げしようとしているが、他の国々は従う以外にない。
「われわれは、非常に居心地が良いとはいえない状況だ。いや居心地が悪いという表現ですら婉曲的だ。われわれはそろって過ちを犯してしまった」と、欧州宇宙機関のジャン=ジャック・ドルダン長官は怒りをあらわにする。
ソユーズの成功はコスト重視戦略の勝利だ。米国がスペースシャトルに総額2091億ドルを費消した一方、現在のロシアの宇宙事業は、年20億ドルしか使っていない。
ただ、計画通りに進めばロシアの独占は2016年に終わるはずだ。今はまだ漠然とした計画だが、米航空宇宙局(NASA)が、民間企業を活用して営利目的の乗員運搬計画、いわば宇宙のタクシー事業を始める予定だからだ。
2004年にブッシュ前大統領がスペースシャトル計画の終了を発表して以来、ロシアの宇宙当局は米国の宇宙飛行士を運搬する費用を値上げしてきた。直近の契約ではソユーズの乗員カプセルを宇宙ステーションに送るために一回で6300万ドルを支払うことが監査報告で明らかになった。2005年以降、2.75倍に値上がりだ。
NASAは4月、人間を宇宙ステーションに運ぶシステムを構築するため民間の宇宙事業会社5社に2億6930万ドルを配分した。その中でもスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(カリフォルニア州ホーソーン)は最先端を行っている。同社は再利用可能なシステムを使って7人を1回2000万ドルで飛ばせるという。これは大方の予想の数分の一だ。
同社の最高経営責任者(CEO)で電子決済サービスのペイパルや電気自動車メーカーのテスラ・モーターズの共同創業者エロン・マスク氏は「この事業は納税者が払いたいと思うような金額でやらなければならない」と語る。同社は来年から同社が開発した「ドラゴン」宇宙船と「ファルコン」ロケットを使い無人で宇宙ステーションに物資を輸送する16億ドルの契約をNASAと結んでいる。【ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 07.07】
☆宇宙航空研究開発機構は6日までに、ブラックホールなどを観測する電波天文衛星「アストロG」の開発を中止する方針を決めた。
2012年度の打ち上げを目指していたが、天体からの電波を捉えるアンテナの精度を目標まで上げることが難しくなったためで、近く文部科学省宇宙開発委員会に報告する。
アストロGはブラックホールの構造やそこからガスが高速で噴き出す現象「宇宙ジェット」などを詳細に解明するのが目的だったが、口径約10メートルの大型アンテナについて、目標精度を出すには大幅な追加予算が必要になることが判明し、開発は困難と判断した。【共同 07.06】
☆日本人宇宙飛行士、古川聡さんらが乗った国際宇宙ステーション(ISS)に28日午後4時(日本時間午後9時)ごろ、宇宙ゴミが急接近し、乗員6人全員がISSに連結しているソユーズ・ロケットに一時、避難した。
宇宙ゴミはISSから約250メートル離れた場所を通過、乗員はISSに戻ったという。宇宙産業関係者は同通信に、「宇宙ゴミに気づくのが遅く、衝突を回避する措置がとれなかった」と説明した。【読売 06.28】
☆国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の宇宙飛行士、古川聡さんとのアマチュア無線交信が21日、熊本県南関町の南関第四小であり、6年生18人が古川さんとの会話を楽しんだ。わずか数分ながら、約400キロかなたの古川さんとのやり取りに児童たちは感激していた。
交信は米航空宇宙局(NASA)が実施している事業。無線に詳しい同小関係者の働きかけで古川さんとは日本で初めて実現した。会場の体育館には児童や保護者ら約100人が集合。午後6時から呼び掛けが始まり3分後、古川さんの「よろしく」との応答に、児童は笑顔で質問を始めた。
「宇宙から見て一番きれいにみえるのは」との質問に古川さんは「青く輝く美しい地球です」と応答。東日本大震災の被害の様子を聞かれると「海岸線の変化がみえる。力強く復興していく姿がみられるといいなと思う」と語っていた。
質問した稲葉有希君(11)は「古川さんの声が聞けてうれしかった。一度宇宙に行ってみたい」と興奮した様子で話していた。【毎日 06.22】
☆宇宙航空研究開発機構は15日、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から、小型人工衛星3基を直接放出して地球周回軌道に乗せる実証実験を行うと発表した。
ISSからの衛星放出は世界初。小型ながら高機能の衛星は低価格で済むため、将来の衛星市場の一翼を担うと期待されており、数多くの小型衛星を効率よく軌道に乗せる手法確立をめざす。
同機構が15日開かれた文部科学省の宇宙開発委員会に報告した。放出が決まったのは、和歌山大、福岡工業大、明星電気がそれぞれ提案した3衛星。大きさは和歌山大の衛星が縦横各10センチ高さ20センチ、残り二基が縦横高さ各10センチで、可視光通信や魚眼カメラによる地球撮像などを予定している。【読売 06.15】
☆多くの星が集まってできている「銀河」の中心で最近観測されている巨大なブラックホールは、いくつものブラックホールが連続的に合体してできたことを、筑波大のグループがコンピューターシミュレーションで確かめた。米天文学誌「アストロフィジカルジャーナル」に論文を発表した。
通常のブラックホールは恒星が寿命を迎えた末に起きる超新星爆発によって生まれ、質量は太陽の数十倍とかなり小さい。一方、銀河中心の巨大ブラックホールは質量が太陽の1000万~10億倍にもなり、起源が不明だった。
梅村雅之教授(宇宙物理学)らは、質量が太陽の1000万倍のブラックホール10個と、50万個の恒星が点在する宇宙初期の銀河を想定。星とブラックホールやブラックホール同士の間にはたらく引力を高速で計算できるコンピューター「宇宙シミュレータ」を使い、10億年間で銀河の構造がどう変わるかを調べた。
その結果、ブラックホールは初めは運動エネルギーが豊富なため銀河の中を動き回っているが、周りの星やブラックホールと引き合うことで次第にエネルギーを失い、中心に集まってくる。このうち一部は他のブラックホールからエネルギーを得て再び動き始めるが、奪われた側は次々に合体し、3億年後には10個のブラックホールのうち6個がひとかたまりになった。【毎日 06.15】
☆日本人宇宙飛行士の古川聡さん(47)が搭乗するロシアの宇宙船「ソユーズ」が9日午後5時18分(日本時間10日午前6時18分)、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした。
古川さんが、ロシア人のセルゲイ・ウォルコフ飛行士、米国人のマイケル・フォッサム飛行士とともに乗り込んだ新型ソユーズ「TMA02M」は、6日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、丸2日でISSに到着した。
医師でもある古川さんは今回が初飛行で、ISSに長期滞在する3人目の日本人飛行士。約5カ月半滞在し、さまざまな実験を行う。【ロイター 06.10】
☆ロシア連邦宇宙局(FSA)は、古川宇宙飛行士が搭乗するソユーズ宇宙船(27S/TMA-02M)を、以下のとおり打ち上げましたのでお知らせします。
打上げ日時: 平成23年6月8日(水)5時12分(日本時間)
平成23年6月8日(水)2時12分(バイコヌール時間)
打上げ場所: バイコヌール宇宙基地(カザフスタン共和国)
国際宇宙ステーションとのドッキング予定日時:
平成23年6月10日(金)6時22分(日本時間)
平成23年6月10日(金)1時22分(モスクワ標準時間)
搭乗員: セルゲイ・ヴォルコフ(FSA)
古川 聡(JAXA)
マイケル・フォッサム(NASA)
プレスリリースはこちらへ【JAXA 06.08】
…寝過ごしてライブは見ることができず...orz 笑 ISASではパブリックビューイングも行われましたが…この時間でこれだけ集まるのも凄い(こちら)。
☆先月23日に地上へ帰還したソユーズTMA-20が、国際宇宙ステーション(ISS)から離れた際に全景を撮影しましたが、その画像が公開されました。
帰還後なかなか公開されなかったので、カメラのメモリーカード紛失の噂なども流れたりしていましたが、そんなことはなかったのですね。とても素晴らしい光景の数々はこちらへ。
…それにしても、一瞬、ミールと空目した人も少なくないはず…笑
☆今年11月に打ち上げ予定の、ロシアの火星探査機「フォボス・グルント」の準備はどうやら順調に進んでいるようです(リリースされる情報はNASA等と比べてかなり限られますからよくわからない…)。先日、探査機の熱真空テストが行われ、その報告が出ています。
詳しくはこちらへ【Lavochikin 06.06】
☆古川聡飛行士が搭乗するソユーズTMA-02M宇宙船が、8日早朝・午前5時12分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地から打ち上げられます。(ライブ中継がこちらで行われます)
5日にはロケットが第1番射点(ガガーリン発射台)に据え付けられました。
モスクワ時間午前5時(現地時刻午前10時)、サイト112ロケット組み立て工房よりロールアウトされました。機関車がゆっくりと引き出します。
とても気持ちよい、ロールアウト日和
照明タワーからの撮影。とても広大な敷地ですね。奥の左側に見える白く高い建物は、シャトルテスト工房だったはず。その右奥に淡く見えているのがシャトル射点…いずれもソ連時代の名残です。
生で見たいですね!
ピットの構造がよくわかります
詳しくはこちらへ【photo: Roscosmos】
☆フロリダ州ケネディ宇宙センター(CNN) 米スペースシャトル「エンデバー」が米東部時間1日午前2時35分(日本時間同日午後3時35分)、最後の飛行から米フロリダ州のケネディ宇宙センターに帰還した。
未明の滑走路に着陸し、やがて停止したエンデバーに、テキサス州ヒューストンの管制センターは「お帰りなさい、エンデバー」と呼び掛けた。マーク・ケリー船長は「最後の着陸となるのは悲しいが、エンデバーは実に偉大な歴史を残した」と述べた。
エンデバーは1992年の初飛行以来、通算25回目となった今回の飛行で、国際宇宙ステーション(ISS)に「アルファ磁気分光器」と呼ばれる観測装置などを届けた。
シャトル計画の最後を飾る「アトランティス」は、7月8日に打ち上げられる予定。5月31日夜には同センターで、組み立て施設から発射台へ移動する作業を見ようと、数千人が詰め掛けた。【CNN 06.01】
☆バイコヌール宇宙基地では、ソユーズTMA-02M宇宙船の準備が着々と進んでいます。26日にはクルーらの会見や船内宇宙服のチェック、ちょっとした訓練などが行われました。
ガラス越しに行われる会見。一番手前が古川飛行士。正規&バックアップ計6名が並びます。また、彼らの背後にちらっと見えているのが、宇宙服チェック機材。そしてガラスの手前には報道陣や記録係がズラリと。
服の機密性と合わせて、座席のフィット感もチェック
場所変わって、ソユーズ整備工房。写真撮影の後、ソユーズに乗り込んでチェック。
ソユーズカプセル内のフォッサム飛行士、真剣な眼差し
縦に並べられたこのケースのようなものは何なのか。向こう側にも積み上げられており、計2列14個あります。(4日追記: 宇宙食箱とのことです)
29日、宇宙船はソユーズロケット組み立て工房へと運び込まれました。この時点で燃料とガスの充填は完了しています。
この時点で宇宙船の外装は半完成・むき出しなので、普段は見えない部分の構造が堪能できます。
宇宙船は作業台に固定。最終仕上げが行われ、その後、水平に倒して手前に見えるフェアリングが被せられます。
詳しくはこちらやこちらへ【photo: Energia】
☆米航空宇宙局(NASA)は日本時間25日早朝、次期惑星探査計画として「オサイリス・レックス」(OSIRIS-Rex)を選定したと発表した。
これは、2016年に打ち上げ、小惑星へ到達しサンプルを採取、地球に持ち帰るという内容。米国にとっては、初めての小惑星サンプルリターンミッションとなる。ちなみにOSIRIS-Rexは"Origins-Spectral Interpretation-Resource Identification-Security-Regolith Explorer"の頭文字を取って並べたもの。
「これはオバマ大統領によって決定が下された、地球外・深宇宙探査計画の目的にかなう、重要なステップです」と語るのは、NASAボールデン長官。「将来の小惑星や他の深宇宙世界への有人飛行への布石となる、重要な無人探査ミッションのひとつです」とも。
具体的なミッションの内容であるが、目的地である小惑星としては地球近接小惑星のひとつである「1999RQ36」が選定されている。探査機は2016年に打ち上げられ、4年の飛行の後、同小惑星に接近。
まず、小惑星からの距離を3マイル(約5km)内に維持しながら、半年かけてマッピングを行う。それをもとに、サンプル地点にふさわしい場所を選定し、ゆっくりとそこへ降下、ロボットアームを延ばして2オンス(約60g)以上の資料を採取し、帰還カプセルに格納する。
カプセルは2023年にユタ州のテストレンジに着陸する。なおこのカプセルは2006年にビルド2彗星のかけらを回収して地球へ帰還した「スターダスト探査機」と類似のものになる予定とのこと。回収されたカプセルはジョンソン宇宙センターへ持ち込まれる。
また、このミッションで個性的なのは、小惑星にあるとされる「ヤーコフスキー効果」の検証も行われることである。この効果は、表面で吸収された太陽光が赤外線で放射され、その放射の力が積もることで自転や軌道にずれが生じていくというもの。小惑星のようないびつな形や表面成分の場合、いわゆるこの非ニュートン効果は大きく作用すると考えられており、同ミッションで取得された精密データがその効果の洗い出しに有用だと考えられている。
打ち上げ費を含むトータルコストは約8億ドル(約640億円)が見込まれている。アリゾナ大学のマイケル・ドレーク氏をリーダー(PI)に、ゴダード宇宙センターなど多くの研究機関所属の研究者たちがミッションを遂行する。(下・コンセプトイメージ)
ちなみにOSIRIS-Rexは今回、NASAの惑星探査選抜プログラム「ニュー・フロンティア・プログラム」で選定されたもの。NASAはこのような選抜プログラムをいくつか持っており、それぞれで選ばれたミッションにNASAが予算を与え実行に移されるという、いわばコンペである。その中のニュー・フロンティア計画は中規模予算で実施されるもので、過去に選ばれたものに「ニューホライズン」、「ジュノー」があり、OSIRIS-Rexはそれらに続いて3番目。
なお、OSIRIS-Rexは過去にOSIRISミッションとして、低規模予算で実施する探査計画を選抜する「ディスカバリー・プログラム」にエントリーしたが、最終選考で落ちた(2006年)。当時は日本が計画している「はやぶさ2」と内容と時期が被る等といったことで、ファンらの間でも関心が高かった。
詳しくはこちらへ【NASA 05.25】
…ちなみに今回のニュー・フロンティア選抜ファイナルで落選したミッションは、金星探査および月サンプルリターンとのこと。また、ディスカバリー選抜落選後、ニュー・フロンティアへ"格上げ"して再参戦したのは、ミッションのボリュームを増やすことができるから等とのことです。概要はこちらに出ています。
☆NASAは、2004年1月3日より火星上で走り回っていた火星探査車「スピリット」との交信回復を断念すると公式に発表した。
スピリットは同型車「オポチュニティ」と共に、90日の活動期間の予定で火星上を走り回り、水の痕跡など地質調査を行うために送りこまれたラジコンカー。今や言うまでもないが、予定3ヵ月どころか、スピリットは6年以上も活動を続けていたのだが、2010年3月22日のコンタクトを最後に、通信が途絶えていた。
スピリットが走る地域は、赤道に近いところを走るオポチュニティに比べてやや緯度があり、そのため受ける季節変化の影響が大きい。当時スピリットは砂地に足を取られ、走行できないどころか姿勢を変えることもできず、迫り来る冬に備えて太陽電池を適切な方向へむけることができずにいた。このための電力低下が懸念されていたが、それが現実のものとなり、10年3月22日をもってコンタクトが取れなくなったのであった。
当時、まだ生きているのか、ヒーターも機能しなくなり低温で破壊されてしまっているのか、正確なところは誰にもわからない状態であった。
かの地に春が戻り、太陽光量が増しつつあった昨年夏頃よりコンタクトの試みが開始されたが、応答なしの状態が続いていた。NASAは現地の夏至を越えた今でも交信が回復しないことなどを踏まえて、今後の試みを断念したようである。
なお、オポチュニティの方は今でも元気に走り続けている。詳しくはこちらへ【NASA 05.24】
…スピリット、お疲れさまでした。。
☆平成18年2月22日に打ち上げた赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)は、要求寿命1年、目標寿命3年を超えて運用しておりましたが、5月24日午前5時30分頃(日本時間、以下同)、バッテリの蓄電量の低下により、軽負荷モード(注1)に移行し、搭載観測機器、Xバンド送信機の電源がオフ状態となっていることが、内之浦局での受信データにより判明しました。
その後、蓄電量の低下が進み、日陰により衛星への電力供給が断たれた後、日照により初期状態(注2)に移行したことを午前11時20分に確認しました。
現在は、太陽電池パドルによる電力発生のある時間帯のみ、衛星への電力供給がなされている状態です。続きはこちらへ【JAXA 05.24】
☆日本時間24日午前11時27分、カザフスタンの草原にソユーズTMA-20宇宙船が帰還しました。この船には国際宇宙ステーション(ISS)第27次長期滞在クルーであるドミトリー・コンドラティエフ、パオロ・ネスポリおよびキャディー・コールマンの3飛行士。
なお、ソユーズはISSより離脱直後、ISS全景の撮影を動画とスチールで行いました。シャトルが接舷した状態で、軌道上でISSが撮影されるのはこれが初めて。後ほど公開されます。
ソユーズ・タッチダウンの瞬間。今回の帰還は極めて正確に行われ、地上で待機していた回収部隊が、パラシュートを広げてゆっくり降下する様子を撮影、ネットで生中継されました。
大きいサイズはこちら【photo: NASA】
☆日本時間21日午前4時15分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりプロトンMロケットが打ち上げられました。搭載衛星は米国の通信衛星「テルスター14P」です。
そびえ立つプロトン!
プロトン、リフトオフ!物凄い火炎がトレンチから吹き出します!
詳しくはこちらへ【Roscosmos 05.20】
☆16日、ソユーズTMA-02Mに搭乗するクルーが、モスクワのクレムリン壁を訪れ、献花しました。クレムリン壁はソ連時代、重要な人物が亡くなった際に葬られる場所でした。彼らはガガーリンと、彼のインストラクターだったセリョーギンの墓標に献花します。
ガガーリンとセリョーギンは68年3月27日、飛行訓練中に事故死。墜落の原因として気象観測気球を避けようと急旋回した可能性が検討されていたことが、先日機密解除された文章で明らかとされました。
これから献花に臨むところ。左からマイケル・フォッサム、セルゲイ・ボルコフ(船長)そして古川聡の各飛行士達。
フォッサム飛行士が献花
別の角度より。彼の献花している真上にセリョーギンの、その右側にガガーリンの墓標が見えます。ちなみにこの奥に遺骨が納められています。
古川飛行士は合掌
大きいサイズはこちらやこちら、こちらやこちらへ【photo: NASA】
☆宇宙航空研究開発機構は19日、古川聡さん(47)が搭乗するロシアの宇宙船ソユーズの打ち上げが、6月8日午前5時15分(日本時間)に正式決定したと発表した。
古川さんは初飛行で、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から「ソユーズTMA02M」で国際宇宙ステーション(ISS)に向かう。約160日間滞在し、11月中旬に帰還予定。医師の経験を生かし、ISSでさまざまな医学実験を行うほか、東日本大震災の被災地との交信も希望している。【時事 05.19】
☆恒星の周りを回る惑星とは別に、銀河系を広くさまよう「浮遊惑星」が数多く存在することを、名古屋大、大阪大などの研究チームが突き止めた。
惑星の形成過程を解明する手がかりになると期待される。19日付の英科学誌ネイチャーに掲載される。
研究チームの伊藤好孝名大教授、住(すみ)貴宏阪大准教授らは、浮遊惑星が恒星の前を横切る際、重力によって惑星周囲の光が曲げられ、1~2日間だけ恒星の明るさが増幅される現象に着目した。1日あたり約5000万個の恒星を観測した2006~07年のデータを調べたところ、木星と同じぐらいの質量を持つ浮遊惑星が10例確認できた。
検出比率から見積もると、銀河系全体の恒星の数の2倍は存在するとみられ、数千億個になると予想される。研究チームは、元々は恒星の軌道上にあった惑星が、他の惑星の重力の影響で、はじき飛ばされて浮遊するようになったとみている。【読売 05.19】
☆ロシアのソユーズ宇宙船で6月8日に国際宇宙ステーション(ISS)へ出発する古川聡宇宙飛行士(47)は12日、モスクワ近郊のガガーリン宇宙飛行士訓練センターで最終試験を受け、「準備万端です。(打ち上げまで)ベストを尽くします」と語った。
最終試験は13日まで。12日はISS内の機器操作に関する試験を受けた。古川さんは試験結果を踏まえ、25日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地へ移動し、打ち上げに備える。打ち上げ後はISSに5カ月半滞在し、宇宙から、東日本大震災の被災地との対話なども計画している。
日本人によるソユーズ船乗船は90年の元TBS記者の秋山豊寛さん(68)、09年打ち上げの野口聡一さん(46)に続き3人目。古川さんは同船で副船長の役割も務める。【毎日 05.13】
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12日、小惑星探査機「はやぶさ」の後継機となる「はやぶさ2」について、2014年に打ち上げると発表した。地球と火星の間の軌道にある小惑星「1999JU3」へ18年に到着し、20年の地球帰還を目指す。
惑星への滞在期間もはやぶさの約3カ月から1年半に大幅に延ばした。前回、着陸失敗や機器のトラブルに見舞われたことを教訓とし、一つ一つの作業時間に余裕を持たせたという。
目指す小惑星は有機物や水が含まれ、約46億年前に地球が誕生する前の状態と近い物質があるとされる。そうした物質を回収、分析することで、太陽系の形成や生命の起源に迫れる可能性があるという。
計画責任者の吉川真准教授は「技術的には、はやぶさのようにドラマチックにならないよう、当たり前のように行って戻ってくることを目指したい」と述べた。【朝日 05.12】
☆NASAの惑星探査計画部門のひとつである「ディスカバリー・プログラム」で実施される候補として、3つの探査計画が選定された。各チームには300万ドルの初期研究開発費が与えられ今後更なる検討が続けられ、12年に再度選考が行われた上でひとつに絞り込まれる。
NASAは昨年6月、ディスカバリー・プログラム候補を広く公募し、28の計画が集まった。その中から今回、火星「GEMS」、土星「TiME」そして彗星「Comet Hopper」の3つに絞られたのである。
GEMSは火星の内部を調べるもので、TiMEは土星の衛星タイタンに存在するとされるメタンの海を直接調査するというもの、Comet Hopperは彗星に着陸し表面の変化を調査する。
なお、今回ノミネートされた中から最終決定されたプログラムには4億2500万ドル(打ち上げ費別)が付与され、2016年からスタートする。詳しくはこちらへ【NASA 05.05】
…個人的にはタイタンをば…液体メタンを、直接ジャブンと確認して欲しいです。ワクワク。
☆世界最大のプラネタリウムを最大の売り物にリニューアルオープンしてから初めての大型連休を迎えた名古屋市中区の同市科学館が人気だ。1日はチケットを買い求める人たちの長蛇の列ができ、入場者数はリニューアル後で最多の8349人を記録した。
ゴールデンウイークに入ってからは、いつもの土日の倍近い約2000人が、1日は雨天にもかかわらず約2500人が開館前に並んだ。家族や親戚計9人で午前8時半から約2時間並んだ同市中村区の浦上哲也さん(41)は「プラネタリウムの回転シートは見やすく、ゆとりがあるので楽しめた」と話し、息子の小学4年、魁人君は「大きくてすごかった」と目を輝かせていた。【毎日 05.02】
☆中国政府は4月29日、中国の宇宙研究拠点「北京航天城」(北京市)の宇宙飛行士訓練施設の一部を外国メディアに公開し、2020年を目標とする大型有人宇宙ステーションの建設に向け準備が本格化していることをアピールした。
公開したのは、宇宙でのドッキングの操作を訓練する機器の模型など。訓練で実際に使っている機器こそ見せなかったものの、外国メディアに同施設を公開すること自体が珍しい。
中国有人宇宙飛行プロジェクト弁公室副主任で、中国初の有人宇宙飛行を達成した楊利偉氏は報道陣に対し、「2010年9月に宇宙ステーション建設計画が正式に動き出した」と明らかにした。今年後半、小型の宇宙実験室「天宮1号」を地球を回る軌道に投入した後、無人の宇宙船「神舟8号」を打ち上げて初のドッキング実験を行う計画という。来年には無人、有人の宇宙船で実験を重ね、宇宙ステーション建設に欠かせないドッキング技術の習得を目指すという。【読売 05.01】
☆米航空宇宙局(NASA)は29日、同日予定していたスペースシャトル「エンデバー」の打ち上げを延期した。シャトルの補助動力装置(APU)の系統に不具合が見つかったため。打ち上げは5月2日午後(日本時間5月3日午前)以降になる。
エンデバーは最後の飛行となり、銃乱射事件で重傷を負ったガブリエル・ギフォーズ下院議員(40)の夫のマーク・ケリー飛行士(47)が船長を務める。ギフォーズ議員は夫を見送るためにケネディ宇宙センター入りしていた。オバマ大統領一家も打ち上げに立ち会うことにしていた。【時事 04.30】
☆映画『タイタニック』『アバター』を手掛けたハリウッドメジャー映画スタジオ・20世紀フォックス映画が、女優・竹内結子を主演に迎え、小惑星探査機「はやぶさ」を題材に映画製作することが明らかになった。映画『はやぶさ/HAYABUSA』で竹内は宇宙科学研究所(現・JAXA)のスタッフを演じ、上司には西田敏行がふんする。「はやぶさ」が成し遂げた偉業を壮大なスケールで描く本作は、世界配給も視野に入れ、一大プロジェクトとして始動している。
2003年5月9日に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」。旅の途中では、エンジンが停止するトラブルや通信が途絶えるなど、幾多のピンチを乗り越え、60億キロにも及ぶミッションをこなしてきた。そして2010年6月13日に奇跡的な帰還を果たし、太陽系誕生の謎を解く手掛かりとなる小惑星のサンプルを持ち帰った。NASAでも成し得なかったこの快挙と、満身創痍(そうい)になりながらも任務をやり遂げた「はやぶさ」の感動的なストーリーに、ハリウッドのメジャースタジオである20世紀フォックス映画が注目。最近では米ドラマ「フラッシュフォワード」にも出演した国際派女優・竹内結子を主演に迎え、映画化を決定した。
映画『はやぶさ/HAYABUSA』は、事実に基づきプロジェクトの7年間にわたる挑戦と苦闘の日々を描き出す物語。宇宙科学研究所(現・JAXA)のスタッフとしてこの偉業に携わり、自身の生き方を見つめ直す役どころに竹内が挑む。そんな彼女を研究スタッフ兼広報要員としてスカウトする上司役には西田敏行。監督は、映画『20世紀少年』シリーズの堤幸彦が務める。竹内は「7年越しのはやぶさの帰還が多くの人に感動をもたらしたようにこの作品も今の日本の夢や希望となれたらうれしいです」と東日本大震災に思いをはせ、願いを込めた。
また西田も、「震災と原発事故による日本のマイナス・イメージが広まっていますが、この映画で改めて『はやぶさ』の快挙、世界に誇る日本の科学技術を知ってもらいたい。昨年のあの感動をもう一度思い出してもらい、日本に誇りとプライドを取り戻したい」と力強く語った。はやぶさのニュースは久々に聞いた明るい話題だったという堤監督も「大震災で大変厳しい状況の中、この映画が少しでも日本の皆様に自信と力を与えられればうれしいです」と映画を通して支援する気持ちを表した。
「はやぶさ」を題材にした映画は日本を代表する映画会社の松竹や東映、角川映画でも製作されている。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の全面協力を得て、「はやぶさ」が着陸したオーストラリア・ウーメラ砂漠などの海外でも撮影予定だという『はやぶさ/HAYABUSA』は、どんな感動ストーリーに仕上がるのか?
映画『はやぶさ/HAYABUSA』は10月1日より全国公開【シネマトゥデイ 04.29】
☆27日に打ち上げられたプログレスM-10M無人貨物宇宙船は、29日午後11時28分、国際宇宙ステーションにドッキングしました。
☆日本時間27日午後10時5分、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地より、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて無人貨物宇宙船プログレスM-10Mが打ち上げられました。
搭載貨物は水や食糧を初めとしてざっと2.6トンです(リフューエル用燃料627kg、酸素51kg、水420kg、食糧194kg、医療器具/下着/衛生用品類94kg、などなど)。
25日早朝、サイト112・ロケット組立棟より運び出されました。
射点に到着し、据え付けられるところ。
ダイナミックなアングル!
詳しくはこちらへ【Photo: Roscosmos】
☆宇宙航空研究開発機構は27日、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する古川聡さん(47)が搭乗するロシアのソユーズ宇宙船の打ち上げが6月8日(日本時間同)に決まったと発表した。当初は5月末の予定だった。
古川さんは医師出身。1999年に宇宙飛行士候補に選ばれ、今回が初飛行になる。宇宙機構の飛行士としてソユーズに搭乗するのは、2009年12月の野口聡一さん(46)以来2人目。カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からソユーズでISSに向かい、約半年間滞在する予定。【時事 04.27】
☆9月12日は、「宇宙の日」です。今年も、この「宇宙の日」の記念行事として、全国小・中学生作文絵画コンテストを実施し、平成23年4月25日から7月31日までの間、作文・絵画の2部門で作品を募集します。
募集要項など詳細はこちらへ【文部科学省 04.25】
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、国内外の大規模災害で被災状況把握などに大きく貢献してきた世界最大級の地球観測衛星「だいち」に電力系統のトラブルが起こり、地上から制御不能になったと発表した。平成18年1月に打ち上げられただいちは、設計寿命3年、目標寿命5年とされ、現在は運用6年目だった。
JAXAは現在、後継機の設計を進め、25年度の打ち上げを目指しているが、それまでの地球観測は、海外の衛星に頼らざるを得なくなるという。
JAXAによると、巨大な太陽電池パドルで発電しながら、高度約700キロの軌道で地球を周回していただいちは22日午前6時41分ごろ、ベルギー上空で電力系統に異常が発生。発電量が徐々に低下して午後1時半ごろにはゼロになり、衛星としての機能を失った。
太陽電池パネルや関連機器が寿命で壊れたとみられる。地上から復旧を試みているが、このままだと高度を下げ、10年以上先に大気圏に突入して燃え尽きる。
だいちは3種類の高性能な地球観測センサーを備え、東日本大震災でも被災地の画像を400枚以上撮影し、役立った。【産経 04.22】
☆米航空宇宙局(NASA)が29日に予定しているスペースシャトル「エンデバー」の最後の打ち上げに、オバマ米大統領が立ち会うことが分かった。ホワイトハウス当局者が20日明らかにした。
シャトルの船長は、今年1月に西部アリゾナ州で起きた銃乱射事件で重傷を負ったガブリエル・ギフォーズ下院議員の夫、マーク・ケリー飛行士が務める。ケリー氏によると、医師の許可が下りれば、ギフォーズ議員も打ち上げを現地で見守る予定だという。【ロイター 04.21】
☆インターファクス通信によると、ロシア宇宙庁は19日、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する日本の宇宙飛行士、古川聡さん(47)が搭乗するロシアの宇宙船ソユーズの打ち上げを、当初予定した5月30日から6月7日に延期すると明らかにした。
延期の理由については説明していない。
ソユーズはカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる。【読売 04.19】
☆米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル飛行準備審査会は19日、シャトル「エンデバー」を米東部時間29日午後3時47分(日本時間30日午前4時47分)に打ち上げることを正式決定した。エンデバーの最終飛行となる。
今年1月に起きた西部アリゾナ州の銃乱射事件で重傷を負ったガブリエル・ギフォーズ下院議員(40)の夫、マーク・ケリー飛行士(47)が船長として搭乗する。ギフォーズ議員は、医師の許可が得られれば打ち上げに立ち会う。
審査会は修理した外部燃料タンクの安全性をチェックした。シャトルの通算134回目の飛行となる。エンデバー飛行後、残る打ち上げは6月28日のアトランティスだけとなる。【時事 04.20】
☆冥王星は単に遠くて冷たいばかりか、最新の観測データによれば、非常に有害な一酸化炭素を含む大気で覆われていると改めて確認された。
10年以上前の観測で、確定的ではないものの冥王星の大気に一酸化炭素が存在する証拠が見つかっていた。
ハワイにあるジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡の観測データに基づく今回の研究では、一酸化炭素の存在が確認されただけでなく、2000年の観測時に比べて一酸化炭素の量が倍増していたことが明らかになった。
研究を率いたイギリス、セント・アンドリューズ大学の天文学者ジェーン・グリーブス氏は、「地球でそんな(大気成分が何倍にもなる)ことが10年の間に起こるかどうか考えてみて欲しい」と話す。地球でそのような変動が自然に生じるとはとうてい考えられない。
冥王星の大気はとても薄く、大気圧は地球の100万分の1程度だが、大気層は比較的厚い。冥王星自体の直径は2300キロ程度しかない。そして今回の研究により、冥王星の大気層の厚みが、この10年間で100キロから3000キロに増えたことが分かった。実に最大の衛星カロンまでの距離の4分の1に及ぶ。
天文学者らは大気の膨張について、冥王星の過酷な季節変化によるものではないかと考えている。
冥王星の公転周期は248年で、楕円軌道を描いているため、太陽との距離が大きく変化する。1989年に近日点を通過し、太陽との距離は44億キロ以内にまで近づいた。「おそらく(太陽から受け取った熱量の)多くが、冥王星の大地に吸収された」とグリーブス氏は語る。冥王星の表面は氷に覆われているため、表層物質の一部が昇華(固体から直接気化)して、薄い大気を膨張させたと思われる。
太陽風(太陽が常時放出している荷電粒子の流れ)によって、いずれは増大した大気の一部は吹き飛ばされてしまうだろう。また、太陽と冥王星の距離が離れるにつれて温度が下がり、吹き飛ばされなかった大気のうち、一部の成分は凍って雪のように降り積もる可能性がある
グリーブス氏は太陽周期に言及し、「冥王星の大気は、太陽の周期に非常に強く反応していると思う」と語った。太陽の磁気活動はおよそ11年周期で変動し、宇宙天気と太陽フレアが変化する。
ただし、前回の観測データが11年前のものとはいえ、今回と大気構成が異なる点については、「現時点ではまだ分からない要素ばかりだ」という。
予想以上に多くの一酸化炭素が存在すると分かったが、それは冥王星が持つ大気圏のごく一部に過ぎない。冥王星の大気は、地球と同じくほとんどが窒素だ。将来、宇宙飛行士が何らかの形で冥王星までの長旅と、摂氏マイナス220度という極寒に耐えることができたとして、冥王星の大気を吸い込んでも害はないのだろうか?
「うっかり熱を加えれば一酸化炭素が発生し、たいした量を必要とせず死に至る。どうなっても僕は知らないよ」とグリーブス氏は語った。
冥王星の大気に関する今回の研究は、ウェールズで開催中の王立天文学会の会合で4月19日に発表された。【ナショナルジオグラフィクス 04.20】
☆米航空宇宙局(NASA)は18日、国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士を輸送する宇宙船開発を目指す「コマーシャル・クルー・ディベロップメント」プログラムで、計2億6900万ドル(約220億円)余りの開発資金をボーイングなど複数の米企業に割り当てたと発表した。
米国は現在、年内に予定されているスペースシャトルの引退後に向けて、宇宙飛行士をISSまで送迎する代替手段を開発中。既に1人当たり5100万ドルの輸送費でロシアに「外注」もしており、その費用は2014年に6300万ドルに膨らむ見通し。
NASAのチャールズ・ボールデン氏は声明で、「米国人宇宙飛行士を米国製の宇宙船で安全に輸送し、外国への依存を終わらせることに取り組んでいる」と説明。米企業のアイデアをISSへの輸送に活用し、NASAはさらなる宇宙探査に資源を集中すると述べた。
NASAはこの開発プログラムを通じ、最終的には2015年頃までに地球周回軌道の宇宙輸送サービスを民間発注したい考え。プログラムの次の段階としては、フライトシステム開発に向けたコンペを開催したいとしている。
プログラムの対象に今回選定されたのは、ボーイングのほか、シエラ・ネバダ・コーポレーション、ペイパル共同創業者イーロン・ムスク氏のスペース・エクスプロレーション・テクノロジー、アマゾン<AMZN.O>創業者ジェフ・ベゾス氏のブルー・オリジンなど。各企業は公的資金のほか自社資源も投じて技術開発を行い、NASAから提供される次回分の開発資金を争ってしのぎをけずることになる。【ロイター 04.20】
☆実際に宇宙に打ち上げられた旧ソ連の宇宙船ボストーク3KA-2宇宙カプセルが12日、競売大手サザビーズによって米ニューヨークで競売にかけられ、288万ドル(約2億4000万円)で落札された。
サザビーズは当初、カプセルが200万ドル(約1億7000万円)~1000万ドル(8億4000万円)の値をつけると予想していた。落札したのは投資会社会長のエフゲニー・ユーチェンコ氏。カプセルを母国に返す目的で競り落としたという。
ボストーク3KA-2は1961年3月25日、有人飛行の安全性を確かめる試験飛行で使用され、等身大のマネキン1体と「ズヴェドッカ(小さな星の意)」と名付けられた小型犬1匹を乗せて打ち上げられた。
カプセルは地球を1周し、大気圏に再突入し、パラシュートを開いて着地した。中のマネキンは無事で、小型犬も動揺はしていたもののけがはなかったため、ガガーリンによる有人飛行にゴーサインが出された。
ユーチェンコ氏は、「サザビーズのおかげでカプセルを母国に持ち帰ることができる。今後は、ロシアの宇宙開発計画の歴史記念館など、本来あるべき場所に置いてあげたい」との声明を発表した。【AFP 04.13】
☆旧ソ連のガガーリン元宇宙飛行士が人類初の宇宙飛行に成功してから50年となる12日、ロシア政府は自国の宇宙事業にかかわった国内外の関係者を表彰した。日本人では09年12月にロシアのソユーズ宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)へ飛び立った野口聡一飛行士(45)ら3人が表彰された。
野口さん以外に日本人で表彰されたのは、日本人で初めてソユーズ船に乗船した元TBS記者、秋山豊寛さん(68)、日本人で初のISS船長となる若田光一宇宙飛行士(47)。
表彰された日本人で唯一、式典に出席した野口さんは、メドベージェフ露大統領から「宇宙開発功労メダル」を渡された。あいさつに立った野口さんは「震災で苦労している日本の皆さんにメダルをささげたい」と発言。大統領も「お悔やみを申し上げたい」と声をかけたという。【毎日 04.13】
☆旧ソ連のユーリー・ガガーリン(1934~68年)が人類初の有人宇宙飛行に成功してから12日で50周年を迎えたのに合わせ、これまで機密扱いとされていた大量の関連文書が公開された。「偉業」に向けた準備が共産党指導部の厳格な統制下で、緊張と高揚感をもって進められたことを物語る資料の数々だ。ガガーリンの宇宙船「ボストーク(東方)」が予定通りの場所に帰還できない場合に備え、諸外国に事態を警告する文書も準備されていた。
公開された資料は、有人宇宙飛行に向けた科学者の研究報告や共産党指導部の決定、ガガーリンによる帰還翌日の報告など。米国との激しいロケット・ミサイル開発競争の中で、世界初の人工衛星「スプートニク」打ち上げ(57年)に続く有人飛行の目標が短期間の集中作業で達成された過程が明らかにされている。
露宇宙庁のダブイドフ次官は記者会見で「(文書で明らかにされた)技術的問題もさることながら、何より興味深いのは当時の雰囲気だ」と指摘。当初は60年中に計画された有人飛行が、度重なる無人ロケットの打ち上げ事故や技術的不調で延期されたことや、ガガーリンには「偉業を達成するため」との名目で宇宙飛行に先立って少佐の称号が与えられていたことを明らかにした。
次官によれば、ガガーリンの飛行に際しては「成功」と「不成功」の場合の2種類の声明文案が党指導部で承認されていた。「不成功」は、操縦装置の不具合によって想定通りの場所に帰還できず、国内外に「宇宙飛行士が降ってくるかもしれない」と通知する内容。ガガーリンが死亡した場合の文案は存在しなかったという。
ソ連はガガーリンの飛行前から地球周回軌道の飛行だけでなく、有人・無人機による月や火星などの探査までも計画。だが、有人飛行前に行われた犬など動物の飛行実験では地球軌道の3~4周回目で体調の変化が観察され、無重力状態が人体に与える影響を懸念してガガーリンの飛行は1周回にとどめられた。
「宇宙飛行士」という用語がソ連共産党最高会議幹部会で公式の称号に定められたのは実際の飛行の2日後。党では有人飛行の成功を受けて新暦の導入まで検討されていた。
ガガーリンは68年3月、ロシア西部ウラジーミル州でミグ戦闘機の飛行訓練中に墜落死し、事故原因をめぐってはさまざまな臆測や陰謀論が語られてきた。露大統領文書館のステパノフ部長はこれに対し、事故直後に設けられた特別調査委員会が「(ガガーリン機が)観測気球を避けようとして急な操縦をした可能性が最も高い」と結論づけていたことを明らかにした。【産経 04.13】
☆ちょうど50年前の今日、1961年4月12日、ソ連のユーリ・ガガーリン飛行士が人類初の宇宙飛行に成功しました。ロシアでは今年に入り、この日にあわせて各地で様々な催し物が開催されています。
ガガーリン飛行士はヴォストーク1号に搭乗し、モスクワ時間午前9時7分(日本時午後3時7分)、バイコヌール宇宙基地より飛び立ちました。打ち上げから4分後、フェアリングが外れ、窓から地球を見た彼は思わず声を出しました。
「雲が見えます…陸地…なんと美しい…美しい!」
人間で初めて宇宙から地球を眺めた彼。その一言はシンプルですが、深遠です。
モスクワ時間午前10時、モスクワ放送は臨時ニュースを伝えました。この時同時に、ソ連国営タス通信が至急電を配信しました。
「ガバリッ・モスクバッ!(こちらはモスクワ放送局)ソビエト全土の送信所よりお伝えしております」
「世界初の有人宇宙船“ボストーク”が飛行士を乗せ、ソビエト連邦より打ち上げられた。飛行士はソビエト社会主義共和国連邦市民、ユーリ・アレクセイビッチ・ガガーリン少佐である!宇宙船は多段ロケットで打ち上げられ、軌道周回速度まで加速、軌道飛行を行っている…」
この瞬間、ガガーリンの名は永遠不滅のものとなりました。
この史上初の有人宇宙飛行に関しては、当サイトの「ロシア宇宙開発史」でもまとめております。特に以下の記事に詳しく紹介しています。
「癒し系の男」 http://spacesite.biz/ussrspace8.htm
「親父の背中」 http://spacesite.biz/ussrspace9.htm
「東方という名の宇宙船1」 http://spacesite.biz/ussrspace_vostok1.htm
「東方という名の宇宙船2」 http://spacesite.biz/ussrspace_vostok2.htm
【管理人 04.12】
☆人類初の宇宙飛行に成功した旧ソ連のユーリー・ガガーリン飛行士が1968年3月27日、操縦していたミグ戦闘機の墜落により34歳で死亡した事故について、ロシア大統領文書館のステパノフ総務局長は8日、観測気球との衝突を避けようとして急旋回したことが原因だったとの結論を当時のソ連政府調査委員会がまとめていたことを明らかにした。
今月12日のガガーリンの宇宙飛行50周年記念日を前に、ロシア政府は一連の関連文書の秘密指定を解除した。同局長によると、この中の政府調査委の文書は「気象観測気球を避けようとして急旋回したことが事故原因になった可能性が最も大きい。急旋回に続いて危機的な飛行状態に陥り、墜落した」と結論付けていた。【時事 04.08】
☆5日午前7時18分(日本時)、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりソユーズTMA-21宇宙船は無事に打ち上げられ、7日午前8時9分、国際宇宙ステーションにドッキングしました。
5日未明(現地時間)、クルーがソユーズ宇宙船に乗り込みました。エレベーター手前のステップでソユーズクルーは必ず立ち止まり、メディアに向かって手を振ります(下)。上からアンドレイ・ボリセンコ飛行士(船長)、ロン・ガラン、アレクサンダー・サモクチャエフ飛行士。
現地時間午前4時18分、リフトオフ!!
力強い上昇!
【photos: NASA】
☆日本時間5日午前7時18分に打ち上げ予定のソユーズTMAー21宇宙船の準備は順調に進んでいるようです。
3月29日、バイコヌール宇宙基地。ソユーズ宇宙船の最終チェックがエンジニアらによって行われ、問題なしと確認されると、フェアリングが被せられました。
一同、見守る中でフェアリングが被せられていきます。
各部を確認しながら、ゆっくりと被せられます。
31日、ロケット組立棟へと搬送され、1日にソユーズFGロケットと組み合わされました。
ロケット組立棟での一コマ。横に次の打ち上げで使われるロケットが既に転がっています。順調な生産力。
2日、ロケットが射点に立てられました。曇天で少し霞のかかった早朝でした。
傍の道を走るのは消防車っぽいですね。
このあと、左右に広がる整備塔がロケットを包み込み、アンビリカルタワーがはり付いて据え付け完了となりました。【photos: Energia】
☆画像は3月20日、国際宇宙ステーション(ISS)で撮影された一枚。正面に見えるのは日本が打ち上げた無人輸送機「こうのとり2号」(HTV-2)。その傍には「デクスター」と呼ばれるマニピュレーター。
眼下に広がるのはカナダ南東部のセントローレンス湾。大きいサイズはこちらへ。とても美しい光景ですね。
下は、ISSの「キューポラ」で撮影を行っている第27次長期滞在クルー・コマンダーのドミトリー・コンドラティエフ飛行士(左)と、欧州宇宙機構の飛行士パオロ・ネスポリ飛行士。
大きいサイズはこちらへ。
一方、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地では、4月5日に打ち上げ予定のソユーズTMA-21宇宙船と搭乗クルーの用意が順調に進んでいます。同宇宙船はもともと3月下旬に打ち上げ予定でしたが、通信系の不具合のため延期されました。
搭乗クルーは左からロン・ガラン、アレクサンダー・サモクチャエフおよびアンドレイ・ボリセンコ飛行士で、ソユーズ船長はボリセンコ飛行士。22日、最終訓練&チェックの合間に撮られた一枚。ちなみに今回のソユーズには、ガガーリン50周年にちなみ、「ユーリ・ガガーリン」のペットネームが付けられています。宇宙船の保護カバーにもガガーリンをデザインしたロゴが貼られています(大きいサイズ)。
下は、ソユーズ宇宙船を覆うフェアリングとガレン飛行士。フェアリングもガガーリン仕様。とてもクールですね!大きいサイズはこちらへ。
【photos: NASA】
☆昨年7年間の運行を経て小惑星イトカワの微粒子を採取して地球に帰還した小惑星探査機はやぶさを描いたCGドキュメンタリー映画『はやぶさ HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-帰還』が5月14日より全国で公開されることが明らかになった。本作は第52回科学技術映像祭で、科学教養部門文部科学大臣賞を受賞している。
本作は、映画『HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-』に、はやぶさ帰還までの最新映像を加えたフルCGドキュメンタリー作品。一部地域のプラネタリウムではすでに上映されていた本作が、いよいよ劇場公開される。3月16日に発表された第52回科学技術映画祭では科学教養部門文部科学大臣賞を受賞しており、科学考証の確かさは折り紙付きだ。
続きはこちらへ【シネマトゥデイ 03.25】
☆画像は、NASAの土星周回探査機「カッシーニ」が撮影した衛星「タイタン」地表の変化。タイタンは大気全面にスモッグが漂い可視光で地表を見ることができないため、近赤外線波長で撮影されたものである。
タイタンの北半球は現在、春を迎えつつある。その季節変化の中で、赤道域では液体メタンの雨が降り注いていると考えられており、それによる変化が捉えられたものと研究者達は考えている。画像で青いラインで縁取られた部分で顕著だ。
画像B、C、Dで白く輝いている斑点は大気下層(対流圏)に漂うメタンの雲。地表は灰色で写っている。黒く写っているのは「ベレット」と名付けられた地域で、周辺と異なる物質成分のため黒い色で出ている。
画像で写っている赤道域は殆ど乾燥している地帯であるが、画像に見られる変化はメタンの雨が地表を濡らしたためであろうと研究者達は考えている。彼らはこの地域を何年にもわたって注視しており、他の変化要因を排除した。
画像Aは2007年10月、B=2010年9月27日、C=同10月14日、D=同10月29日そしてEが2011年1月15日に撮影された。特にBについては、このフレームのすぐ外には巨大なメタンの雲が迫っており、この撮影の後にそれがこの地域を覆っていた。それによると見られる大きな変化を捉えたのがC。2週間ほど経過した後もまだ湿っているように見られるが(D)、しかし1ヵ月経つと一部を残して乾き上がったことがわかる(E)。
変化した領域の面積は、ざっとアリゾナ州とユタ州を合わせたそれに匹敵するという。
論文は「サイエンス」3月17日号に掲載されている。詳しくはこちらへ【Cassini 03.17】
☆伝説の惑星探査機「ボイジャー1号」は、太陽系外空間で今でも順調に飛行を続けている。電力の低下により全ての観測機器を同時に動かすことはとっくにできなくなっているが、イオンセンサーなどは稼働を続けており、姉妹機である「ボイジャー2号」共々、太陽風の振る舞いに関する貴重なデータを送り続けている。これらが外空間の構造理解を大きく飛躍させていることは、近年報じられている通りである。
ところで、荷電粒子である太陽風は、太陽系外空間でどの方向に向きを変えているのか?この疑問に答えるデータを集めるべく、ボイジャー1号の姿勢が大きく傾けられた。このような大きな姿勢制御は、1990年以来のことである。
米東部時3月7日午後12時10分(日本時8日午前2時10分)、ボイジャー1号は地球から見て反時計回りに姿勢を70度回転、ジャイロによりそれを2時間33分維持させた。このように、姿勢を変更しジャイロで固定させるマニューバは90年2月14日が最後で、この時は有名な“太陽系ファミリー”の撮影が行われた。
「ボイジャー1号は33年も飛行を続けているのに、しなやかな動きです。」と語るのは、プロジェクトマネジャーのスザンヌ・ドッド女史。「なんのひっかかりもなくマニューバは実行されました。我々はあと数回同様の観測を行おうと考えています」
2機のボイジャーは「ヘリオヒース」と呼ばれる領域を飛行している(下)。ここは太陽風が太陽系外の星間風とぶつかり、乱される領域。太陽から一直線に飛んできた荷電粒子が向きを変えるのである。
2010年6月、地球から170億キロの地点を飛行していたボイジャー1号の低エネルギー荷電粒子検出センサーのデータは、太陽風の外向きの速度成分が正味ゼロになったことを示していた。この現象を、もちろん研究者達は太陽風が消滅したと考えているわけではなく、向きを変えてセンサーにかからなくなっていると解釈している。だがそれはどの方向へなのか?それをはっきりさせるべく、今回の制御が行われたのであった。センサーはボディに固定されており、その向きを変えるには探査機全体を振り回す他ない(下・枠囲みが該当センサー)。
ただしこれはリスクを伴う運用でもある。姿勢を大きく変えるということは、メインアンテナもそっぽを向くわけであり、もしその状態でなにかトラブルが発生し再度地球へアンテナを向けることができなくなったら、それで終わりということになってしまう。本番に先立ち2月2日、2時間15分の試行が実施された。16時間後にデータが受信され、テストは成功し、探査機の姿勢変更に何も問題がないことが確認されたのであった。
また、検出センサー分析チームは期待していたデータを取得することができ、正式にゴーサインが出たのであった。運用チームはこの観測を3ヵ月おきに実施することにしているという。
詳しくはこちらへ【Voyager 03.08】
☆水星周回探査機「メッセンジャー」は、18日午前、予定通り水星周回軌道へ入った。水星を周回する探査機は、史上初めてのものである。
メッセンジャーは2004年8月3日、ケープ・カナベラル空軍基地17番射点よりデルタⅡロケット(7925H-9.5)で打ち上げられた。今日の日までに行われたフライバイは地球へ1回(05年8月)、金星2回(06年10月&07年6月)、水星3回(08年1月、同10月、09年9月)の計6回(下に詳細図。これではわかりにくいので詳細がこちらにあります)。
太陽系内惑星空間を公転すること6年半。総飛行距離は79億キロに達した。なおメッセンジャー計画は、開発期間を入れるとここまでに約12年が経過している。
メッセンジャーは日本時間18日午前8時45分、メーンエンジンを進行方向に向け、逆噴射を開始。これは15分間で、打ち上げ時搭載燃料の約3割を消費する。同午前9時にエンジン停止。その10分後、管制するジョンズホプキンズ大学応用物理研究所ではシグナルを受信、エンジン停止がきちんと行われたことが判明し、探査機の軌道投入に成功したことが確認された。
探査機は午前9時45分までに姿勢を振り、地球へのデータ送信を開始した。この分析に先立ち、逆噴射が予定通りに終わったこと、全てのサブシステムにエラーがないことなどが確認された。
逆噴射では秒速862メートルの減速が行われ、予定通りの楕円軌道(下)に投入された。この時、地球からの距離は1億5500万キロであった。
「水星周回を成功させることは、メッセンジャーが6年半前に打ち上げられてから今日までの、最大のマイルストーンでした」と語るのは、プロジェクトマネジャーのペーター・ベジニ氏。
予定観測期間は1年(これは“4水星年”に相当)で、地表や大気、磁場の観測を行い、いまだ謎多い内部構造などの解明に必要なデータを収集する。
なお、軌道上からの最初の撮影は29日16時40分(日本時)に予定。観測機器の立ち上げは24日から順次行われる。詳しくはこちらへ【Messenger 03.17】
…探査機が健在ならミッションの延長もあり得ます。頑張って欲しいですね!
☆冥王星探査機「ニュー・ホライズン」が天王星軌道を通過しました。早いですね!
位置情報の詳細はこちらへ【New Horizons】
☆日本時間18日午前、NASAの水星周回探査機「メッセンジャー」が6年半の旅を終え、水星周回軌道へ投入される。メーンエンジン逆噴射は同午前9時45分から15分間で、全てがうまくいけば、史上初めて水星を周回する探査機となる。
エンジン逆噴射の33時間前(日本時16日午後9時31分)、NASA深宇宙ネットワーク(DSN)の2つのアンテナがメッセンジャーの連続トラッキングを開始する。この約31時間後には追跡アンテナを5つに増強するが、4つで探査機からのシグナルを拾い、1つはバックアップである。
この約2時間後、探査機は逆噴射に備えた姿勢を取る。
日本時間18日午前9時45分、メーンエンジン逆噴射、減速が始まる。噴射は15分間続けられるが、この間、打ち上げ時に搭載されていた燃料の31%が消費される。ここがうまくいけば、探査機は周回軌道に入る(下・軌道投入後の軌道。地球から見えるような軌道を描いて入ります)。
噴射終了10分後、メッセンジャーは地球へとアンテナを向け、ダウンリンクを開始する。このとき落ちてきたデータを解析することで、管制部は探査機が予定通りの軌道へ投入されたか否かを判断することになる。2時間後までには、軌道投入の成否を判断することができると見られている。
詳細なタイムラインなど、詳しくはこちらへ【Messenger HP】
…とても楽しみですね^^ 当サイトにこれまでの関連をまとめています(こちら)。
☆地震に伴う、JAXA事業所の状況について
http://www.jaxa.jp/info_earthquake_j.html
☆種子島宇宙検定(種子島観光協会主催)が6日、南種子町の種子島宇宙センターであり、8~83歳の63人(県外16人)が宇宙開発全般にわたる70問に挑戦した。
問題は「ロケット飛行中に情報が集まる総合指令棟の略称は」「宇宙ステーション補給機は最終的にどうなる」など。同センター職員らが作成した。
3択方式で50問以上正解すると合格となる検定試験に、参加者は真剣な表情で取り組んだ。試験に先立って施設案内もあり、大型ロケット発射場の射点や、実物のJ1ロケットの一部を見学した。
岩手県の小学5年、高橋成弥君(10)は「試験は難しかったが施設を特別に見せてもらったのでよかった」。宇宙好きで島に留学中の岩岡小6年、秋葉怜伊君(12)は東京に住む妹美怜さん(8)と受検。「勉強していたので出来は普通」と自信をのぞかせた。
同協会によると、受検者には3月中に合否を通知。成績優秀者3人がペアでロケット打ち上げに招待される。【南日本新聞 03.14】
☆国際宇宙ステーションに物資を運んだスペースシャトル「ディスカバリー」が9日(日本時間10日未明)、39回目で最後となる飛行を終えて、フロリダ州の米航空宇宙局(NASA)ケネディ宇宙センターに着陸した。
1984年に初飛行し、過去に日本人飛行士5人も搭乗したディスカバリーはこれで退役する。今年4月にエンデバー、6月にアトランティスも最後の飛行を迎え、30年にわたったシャトルの運航は幕を閉じる。【産経 03.10】
☆COMIC ZINさんにて、宇宙の傑作機15「ルナ月探査機」、10「アポロ誘導コンピュータ」、および「世界の射場から~ケネディ宇宙センター」、松浦晋也氏による中国旅行記「中国1986」の取り扱いが始まりました。詳しくは右の掲示へ掲げるリンク先へ
☆NASAの水星探査機「メッセンジャー」の水星到着まであと10日を切りました。周回軌道投入は18日。楽しみですね!
☆小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った微粒子の成分などを調べる詳しい分析の成果が10日、テキサス州で開かれている国際会議「月惑星科学会議」の特別セッションで初めて発表される。人類が初めて手に入れた小惑星物質の正体が明らかになる歴史的な発表として、世界中の研究者が注目している。
同会議は惑星探査の専門家が集う世界最大の学会で、米アポロ11号が初めて「月の石」を持ち帰ったのを機に69年から毎年開かれている。特別セッションは注目度の高い成果を紹介する狙いで、分析に当たる国内8グループが13件の成果を15分ずつ、約3時間半にわたって発表する。表題は「はやぶさの成果!」と、学会では珍しく感嘆符が付けられた。
分析には、大阪大や九州大など13大学・研究機関が参加している。1月下旬から小惑星「イトカワ」の表面から採取された微粒子のうち、最大0・1ミリ程度と大きめの約50個を対象に着手。大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県)などの最新機器を使い、微粒子の内部構造や成分、生命の起源につながる有機物の有無などを調べている。一方、研究を主導する宇宙航空研究開発機構は、成果の事前漏えい防止のため研究者に守秘義務の誓約書を提出させるほどピリピリした対応を取っている。
成果の国内初報告は5月22~27日、千葉市の幕張メッセで開かれる日本地球惑星科学連合大会で行われる。微粒子は1500個以上あり、今夏にも他の研究者に参加を促す国際公募を始める予定だ。【毎日 03.09】
☆北海道陸別町の「銀河の森天文台」は7日までに、日本や米国の貨物補給機や宇宙船が勢ぞろいした国際宇宙ステーションを撮影し、画像をホームページで公開した。
画像では、ステーションにドッキングしたスペースシャトルや日本実験棟「きぼう」が確認できる。日本の無人補給機「HTV(愛称こうのとり)」は現在、地球から見て反対側にあるため、残念ながら写っていない。
天文台の115センチ反射望遠鏡で観測。同町では6日午後6時46分ごろ、ステーションが北西の空に見え始め、北の空を最大高度61度で通過。約6分後に南東の空へ消えていったという。【共同 03.07】
…HPはこちら。素晴らしい画像が掲載されています^^
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日までに、小型衛星を無人補給機「こうのとり」(HTV)に搭載して国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」に届け、エアロック(放出口)を通じて宇宙に放つ計画を発表した。大学などから衛星を募集し、5月下旬に選定、来年9月ごろに打ち上げられるこうのとりに積む見通し。
ISSはきぼうだけにエアロックがあり、衛星放出が実現すれば初めて。ロケットで直接打ち上げる場合に比べ、衛星が受ける振動が小さいほか、放出前にISSに滞在する宇宙飛行士が機能確認を行えるメリットがある。【時事 03.05】
☆中国政府系研究機関、中国ロケット技術研究院の梁小虹副院長は3日、天津市に世界最大級のロケット製造基地を整備していることを明らかにした。新華社が伝えた。
温家宝首相は宇宙産業を戦略産業として育成する考えを示しており、新たな基地の整備で中国の宇宙開発が加速しそうだ。
副院長は基地について「今後30~50年の中国の宇宙開発の需要を満たすよう設計されている」と指摘。「月探査や宇宙ステーションなどの計画に使う複数のタイプのロケットを製造する」と述べた。
基地の敷地面積は200ヘクタール。第1期で建設予定の22工場のうち20工場が既に完成、年内に完工する見通しで、いくつかの工場は稼働準備が整っている。ロケットのデザインから部品の製造、組み立て、実験まで同基地で行えるという。
中国は1970年に自主開発した「長征ロケット」で人工衛星の打ち上げに成功。2003年と07年にそれぞれ打ち上げられた有人宇宙船や月周回衛星は改良型の長征ロケットを搭載している。【共同 03.03】
☆米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル「ディスカバリー」が日本時間27日未明、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした。
すでにドッキング中の日本の無人輸送船こうのとり(HTV)や欧州の輸送船ATV、ロシアの有人宇宙船ソユーズ2機と補給船プログレスと合わせ、計6機がISSに顔をそろえた。シャトルは6月までに退役するため、集結は今回限り。
ディスカバリーには、米国の上半身だけのロボット飛行士「ロボノート2」が収められ、5月末からISSに滞在する古川聡飛行士の「同僚」となる。【読売 02.27】
☆ニューヨークのオークションハウス「サザビーズ」に、1961年3月に打ち上げられ無事に帰還したボストーク型宇宙船「コラブル・スプートニク5号」(Vostok 3KA-2)が出品される。これはガガーリン50周年を記念したもので、4月12日にオークションが行われる予定とのこと。
コラブル・スプートニク5号はガガーリンに先立ち完全リハーサルを目的に、61年3月25日に打ち上げられ、地球を1周して帰還した。これには一匹の犬「ズヴェズドーチカ」と小動物、そして「イワン・イワノビッチ」という名でよくしられたマネキンが乗せられていた。
飛行はパーフェクトだったが、回収現場が深い雪で手こずり、現場を地元住民に目撃されトラブルになりかけたことが知られている。(詳細は当サイトのこちら)
すでにコラブルはサザビーズに搬入され、展示されている。内部の機器は外されており、競売にかけられるのはカプセルのみのよう。予想落札価格は200万~1000万ドルと見られている。詳しくはこちらへ【FoxNews 02.24】
…これが驚くべきことに、いやなんでもありのロシアなら別に驚くべき事でもないですが(笑)、このカプセルは何年も前に個人(匿名米国人)所有になっており、今回の50周年は売りに出すいい機会だと思ったそうで。
☆各国の天文学者でつくる国際天文学連合の小惑星センターはこのほど、北海道のアマチュア天文家が発見した小惑星に、熊本特産の果物バンペイユにちなみ「Banpeiyu」と命名した。
この小惑星は、札幌市の渡辺和郎さん(55)と北海道美幌町の円館金[えんだてきん]さん(51)が1997年2月に共同で発見、命名提案権を得ていた。
八代市の日奈久温泉旅館協同組合と日奈久地区のまちづくり団体が、渡辺さんの知人の熊本市のアマチュア天文家から命名の話を聞き「特産のバンペイユの名を国内外に発信し、地域を盛り上げるきっかけにしたい」として、渡辺さんに依頼。渡辺さんが同センターに命名を提案した。
渡辺さんによると、Banpeiyuは、火星と木星の軌道の間に多数の小惑星が集まる「アステロイドベルト」にあり、太陽の周りを3年6カ月ほどの周期で回っている。直径10キロほどで、発見時の明るさは約17等級。アマチュア向けの望遠鏡で見るのは難しいという。
同組合の松本寛三代表(57)は「子どもたちに宇宙への夢が広がるようなイベントを開くなど、地域活性化につなげたい」と話している。【くまにち 02.24】
☆2004年8月3日、フロリダ州・ケープカナベラル空軍基地より打ち上げられた水星探査機「メッセンジャー」が、来月17日、いよいよ水星周回軌道へ投入される。
軌道投入に成功すれば、水星を史上初めて周回する探査機となる。
米東部夏時3月17日午後8時45分(日本時間18日午前9時45分)、メッセンジャーは14分間の逆噴射を行い、862m/秒の全力減速を行う。これは、打ち上げ時搭載燃料の31%を消費するマニューバであり、減速終了時点では、満載の9.5%以下にまで減っている。しかしこの量は、今後の周回観測における姿勢制御等には充分な量。
逆噴射の結果、探査機は高度200km(近水点)、周期12時間の周回軌道へと投入される予定。
「打ち上げから6年半以上の旅は、長いものでした」と語るのは、メッセンジャー計画の責任者であるジーン・ソロモン氏。「ですが今や我々は最終コーナーを回り、ゴールラインが目の前に見えているのです。管制チームは投入作業の準備を始めようとしています。」
目下、エンジニアチームは通信アンテナ系のテストを行っている。というのも軌道投入マニューバの際、探査機の姿勢が投入マニューバに最適化されるのだが、その代わりにアンテナの向きの関係で地球との通信が弱くなる。そのためこの時の運用にはカリフォルニア・ゴールドストーンのDSNアンテナを4基(70m×1基、34m×3基)使用してシグナルをブーストするのである。
「この使用の仕方は普段行わないものですので、来月の本番までに数回テストをするのです」と、関係者は語る。
ところで、先日18日、ミッションチームはメッセンジャーが撮影した太陽系の惑星パノラマを公開した(下)。
これと同様のものとしては、1990年、ボイジャー1号が撮影したものが有名である。黄道面の北側に飛び上がったボイジャー1号は太陽系の“外”から惑星を眺めたものであったが、今回公開されたメッセンジャーのパノラマは、“内”から眺めたもの。
これは昨年11月の間に撮影された画像をつないで作成されたもの。惑星のうち、天王星と海王星は遠すぎて、最も長い露光(10秒)をかけても写すことができなかった。地球・月系、そして木星のガリレオ衛星が写っているのは印象的である。(下・撮影時の惑星と探査機の位置関係)
また、パノラマがカーブを描いているのは、メッセンジャーやの軌道が黄道面に対して傾斜していることを反映している。ある惑星は“見上げて”、またある惑星は“見下ろして”撮影することになるからであり、興味深い。詳細や大きいサイズはこちらへ【Messenger 02.18】
…いよいよあと1ヵ月。楽しみですね!当サイトの打ち上げ時からの関連記事まとめはこちらへ。
☆宇宙航空研究開発機構は17日、宇宙飛行士の若田光一さん(47)が2013年末から半年間、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在し、このうち後半の2カ月間は日本人として初めてISSの船長を務めると発表した。若田さんの宇宙飛行は4回目となる。ISSには09年3月から4カ月半、日本人で初めて長期滞在し、日本実験棟「きぼう」を完成させた。
宇宙機構によると、若田さんは「任務の重大さをかみしめている。ISS全体の利用の成果を最大限に出していけるよう全力で準備と訓練に取り組んでまいりたい」としており、立川敬二理事長は「彼の経験と人望によって大役を必ず果たしてくれると確信している」と期待を寄せた。【時事 02.17】
☆核兵器の維持管理を主目的に設立された米国の研究施設で、大阪大が来年にも共同研究を始める。世界一とされる強力なレーザーを使い、恒星が燃え尽きた最期に起きる「超新星爆発」を地上で再現し、しくみの解明に役立てる。
恒星の内部では、水素やヘリウムなどの軽い元素が融合して重い元素がつくられる「核融合」が起きている。星の最期には、重い元素が重力で収縮して超新星爆発が起きる。阪大の研究は、爆発の際に衝撃波や宇宙線が発生するしくみを、レーザーによって再現して確かめる。
エネルギー省の核兵器研究所「ローレンス・リバモア国立研究所」にある「国立点火施設」(NIF)が昨年、基礎物理の共同実験を国際公募。阪大の1件を含む12件が採択された。
NIFはラグビー場ほどの大きさの実験施設に192本のレーザーを備え、光を一点に集中させて水素などに照射して核融合を起こし(点火)、水爆と同じ状態を人為的に作り出すのが主目的で、約4千億円をかけて2009年に完成した。
主に経年劣化した核兵器の爆発性能を確かめる実験に使われ、1年半以内の「点火」実現を目指す。点火の必要のない基礎物理研究も行われる。NIFがつくる超高温、超高圧の状態は輝く星に近い環境とされる。
交渉に当たった阪大レーザーエネルギー学研究センターの疇地(あぜち)宏センター長は、「研究内容は軍事と無関係の基礎科学なので問題ないと判断した」と話す。採択したのはNIFの外部の人でつくる委員会で、透明性は高いという。
NIF側は今回、基礎研究だけでなく、点火を目的とした共同研究も日本に申し入れた。阪大側は前向きに検討したが、実験の所管がエネルギー省内の国家核安全保障局という軍事部門だったため、軍事研究に加担したととられかねず、断念したという。
NIFが国際公募したのは、軍事研究費削減の圧力が強まる中、他国を取り込んで予算を確保しやすくする狙いがあるものと見られる。阪大も、40年前からレーザー核融合の研究を続けてきたが、研究費はかつての1割ほどになっている。【朝日 02.13】
☆ロシアはガガーリン飛行50周年記念の一環として、彼の飛行に関する機密文書を公開するという。
これは、「機械製作中央研究所」(TsNIIMASH)の副所長オレグ・クリーチェ氏が述べたもの。4月の飛行記念に合わせて公開される複数の文書の中に、ガガーリンに関するものが含まれているという。
詳しくはこちらやこちらへ【Roscosmos 02.09】
☆NASAから新燃岳の空撮がいくつもリリースされています。下はその一枚で、今月4日、地球観測衛星「テラ」(Terra)が撮影したものです。
この日は噴煙の蛇行が、まるで宮崎市を避けるように折れ曲がっています。桜島の噴煙と比べると、その噴火規模がわかります。大きいサイズはこちらへ【photo: Earth Observatory】
☆米航空宇宙局(NASA)は4日、アリゾナ州の銃乱射事件で重傷を負ったガブリエル・ギフォーズ下院議員(40)の夫、マーク・ケリー宇宙飛行士(46)が当初の予定通り、4月19日に打ち上げが予定されるスペースシャトル「エンデバー」の最終飛行に船長として搭乗することを発表した。
ケリー氏は事件後、訓練を中断してギフォーズ議員の看病とリハビリに付き添っていた。ケリー氏の要請でNASAも控えの船長の訓練を始めるなどしており、搭乗の判断が注目されていた。
ケリー氏は記者会見で、搭乗を決断した理由について、ギフォーズ議員が回復に向かっており、支援態勢もしっかりしていることを挙げ、「私は妻のことを理解しており、彼女も私の決断に満足してくれるだろう」と語った。夫妻の両親や娘も賛成したという。
ケリー氏が船長を務めるエンデバーは今回が最終飛行で、国際宇宙ステーションに宇宙空間の反物質や暗黒物質を探す観測装置を運搬する。【産経 02.06】
☆米航空宇宙局(NASA)が計画を進める低軌道宇宙船「ドリームチェイサー」が5日、コロラド州ボルダーのコロラド大で展示された。
同計画は低軌道の商業有人飛行として、民間企業の開発を支援して進められている。今回展示された「ドリームチェイサー」は、シエラネバダ社が開発。見学後に記者会見に臨んだガーバーNASA副長官は「同社など民間の技術によって、米国が将来の宇宙計画で世界的競争力を保つことができる」と語った。【毎日 02.07】
☆地球から約2000光年離れた太陽に似た恒星に6個の惑星があるのをケプラー宇宙望遠鏡で発見したと、米航空宇宙局(NASA)などの研究チームが3日付の英科学誌ネイチャーに発表した。太陽系外の恒星で見つかる惑星は1~3個の場合が多く、6個も見つかったのは初めて。今後の詳細な観測で惑星の形成過程の解明が進むと期待される。
この恒星は「ケプラー11」と呼ばれる。惑星は内側5個の公転周期が10日から47日と非常に短く、外側に離れた1個が4カ月弱だった。内側5個の半径は地球の2.0~4.5倍、質量は2.3~13.5倍と推定された。
これら惑星の公転軌道はほぼ同じ平面上にあり、惑星は恒星を取り巻くちりとガスの円盤から形成されるとの見方と一致。しかし、内側寄りの惑星は現在の位置ではなく、もっと外側の軌道で形成されてから内側に移動した可能性が高い。
また、最も内側の2個は過去に水素を主成分とする大気があったが、その後なくなったと考えられるという。
ケプラー宇宙望遠鏡は2009年3月に打ち上げられた。はくちょう座付近の方向を狙い、地球に近い惑星を探す観測が続けられている。【時事 02.03】
☆韓国とロシアは、人工衛星打ち上げロケット「羅老(ナロ)」の2回目の打ち上げ失敗原因を究明できず、3回目の打ち上げはかなり先に延期される可能性が高まった。
韓国の教育科学技術部(省に相当)は31日、韓ロ失敗調査委員会(FRB)が先月24日から27日にかけ、ロシアで第4回会合を開いたが、羅老の2回目の打ち上げ(昨年6月)の失敗原因に対する見解の差を埋めることができなかったことを明らかにした。
教育科学技術部の金善玉(キム・ソンオク)巨大科学政策官は同日、「韓国側はロシアが製作した1段目・2段目ロケットの分離装置を失敗原因とみているのに対し、ロシア側は韓国が製作した『飛行終了システム』(FTS・軌道を離脱したロケットを爆発させる装置)を失敗原因として挙げ、共同で検証を進めてきたが、見解の差を埋めることに失敗した」と述べた。
韓ロ双方は今後、さらに会合を開き、原因究明作業を継続することを決めた。しかし、これまでに指摘されていない新たな失敗シナリオは見つからないとみられる上、第5回会合の日程も決まっておらず、短期間に原因究明作業が終わる可能性は高くない見通しだ。続きはこちらへ【朝鮮日報 02.01】
☆ロシア国防省によると、開発中の新型キャリアロケット「アンガラ」の初飛行は2012年とのこと。これまでにも度々予定が延びてきたが、宇宙軍指令オレグ・オクタペンコ氏によると、現時点では予算も供給され、スケジュールも予定通りとのことです。詳しくはこちらへ【Roscosmos 01.29】
☆すっかりメモが遅れてしまいましたが、ISSへ向けた無人貨物宇宙船「プログレスM-09M」がバイコヌール基地より28日午前10時31分(日本時)に打ち上げられ、30日午前11時38分にISSにドッキングしました。
プログレスには約2.6トンの貨物が搭載されています。HTVの到着直後にプログレスとは、飛行士達も荷解きに大わらわですね。
また、今回の便にはキューブサット「ケダル」(Кедр)が搭載されています。"Кедр"はガガーリンが使用したコールサインで、今年が彼の飛行50周年にあたり、それを記念して衛星名とされました。大きさは55×55×40センチで、重量30kg。25のメッセージを15の言語で送信しつつ、地球を撮影したり、科学観測を行ったりします。開発には学生も参加しています(下・開発中のケダル)。
M-09M内部の様子。ギッシリ。一番奥にКедрが納められています。
ちなみにКедрは元々あの"スーツサット"として放出される予定でしたが、スーツサットに適した古いオルラン宇宙服はISSの倉庫スペース問題でプログレスに詰められ廃棄(2着あったが両方とも)。したがってキューブサットとして投入されることになったのだとか。船外活動の間に放出されます。【Photo: Energia】
☆国際宇宙ステーション(ISS)に向かっている無人補給船「こうのとり(HTV)」が27日、到着する。米国のスペースシャトルや欧州の補給船ATVも近く到着して、ドッキング中のロシアの補給船プログレスやソユーズ宇宙船も含め、最大6機の宇宙船が勢ぞろいしそうだ。
ISSでは、打ち上げが遅れていたシャトルやATVのドッキングが2月から3月にかけて集中。シャトルのドッキング中にHTVが分離するとトラブルの原因になる可能性があるため、米航空宇宙局(NASA)は宇宙航空研究開発機構にHTVのドッキング期間の延長を要請した。ドッキング期間が最長で想定の2倍の60日になる可能性がある。
シャトルとHTVはドッキングする位置が近いため、ロボットアームでHTVを別の位置に仮移動させ、シャトル分離後にまた戻す作業が必要になりそうだ。
HTVは補給物資をISSに移し、30日間でごみを積み込むことを想定、電池の容量や宇宙ごみの衝突に備える防護機構などもそれを前提に設計された。
期間が2倍になっても設計は余裕があり、仮移動も想定の範囲内だが、宇宙機構ヒューストン事務所の三宅正純所長は「24時間態勢でNASAと連絡を取り、慎重に作業を進めたい」と話している。【asahi 01.26】
☆人工衛星の残骸など、地球の周りに増え続けて問題化している「宇宙ごみ」に、長さ数キロの「網」をつけて大気圏に突入させ、燃やしてしまおうという試みが、広島県の老舗漁網メーカーと、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の間で進められている。
昨年創業100周年を迎えた「日東製網」(福山市)がJAXAと共同開発中の「宇宙ごみ除去システム」。
まず、金属で編んだ長さ数キロの「導電性テザー」と呼ばれる細長い網を「捕獲衛星」に積み、ロケットで打ち上げる。軌道に乗った後、衛星のロボットアームを使って宇宙ごみに網を取りつけ、アームの先端を切り離す。
網は地球のまわりを周回することによって電気を帯びる。これが地球の磁場と影響し合って、徐々に高度を下げさせる力となり、大気圏にごみごと再突入して、最終的に燃え尽きるという仕組み。ごみを移動させるのに、燃料が不要というメリットもある。
日東製網は創業15年後の1925(大正14)年、結び目なしに編み上げる丈夫な無結節網(むけっせつあみ)の製造機を世界で初めて発明した。ひもが交わる部分に結び目がある網よりも切れにくいうえ、漁船の上で折り畳んでも軽く、かさばらないなど画期的な網だった。この網で国内シェアの半分を占めるトップ企業に成長。現在も定置網漁や底引き網漁など漁業に幅広く利用され、マグロ養殖用の網なども海外に輸出している。
こんな実績もあり、同社は6年ほど前、JAXAから「電流が流せる網を作ってほしい」との依頼を受けて研究を始めた。太い鉄製の針金から、曲げるとすぐに折れてしまう炭素繊維まで数十種類の素材を試した。昨年夏、アルミワイヤとステンレス繊維を組みあわせたテザーの開発にこぎつけた。続きはこちらへ【asahi.com 01.25】
☆国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届ける無人補給機「こうのとり(HTV)」2号機を載せた国産最強型ロケット「H2B」2号機が22日午後2時37分57秒、鹿児島県の宇宙航空研究開発機構(JAXA)種子島宇宙センターから打ち上げられた。H2Bは約15分後にこうのとりを予定軌道に投入し、打ち上げは成功した。こうのとりは28日にISSにドッキングする予定。
H2Bとこうのとりの打ち上げは一昨年に続いて2回目。ISSへの大型物資補給を担ってきた米スペースシャトルは今年6月ごろの飛行を最後に引退予定で、こうのとりの存在感と責任は増す。
米航空宇宙局(NASA)のリン・クライン宇宙運用局次長は「今の日本は(有人宇宙船などの技術を)獲得することができる」と称賛した。
H2Bは国産主力ロケット「H2A」の増強型。H2Aと合わせた打ち上げ回数は20回となり、失敗はH2A6号機の1回だけ。成功率は95%に達し、商業衛星打ち上げ受注に不可欠な信頼性の高さを示した。
こうのとり2号機は約5・3トンの荷物を搭載。ISS日本実験棟「きぼう」に設置する2台の大型実験装置や今年5月ごろから長期滞在する古川聡さんの宇宙日本食、現在滞在中の米露欧の飛行士6人が使う日用品などを届ける。【産経 01.23】
☆米航空宇宙局(NASA)は21日、スペースシャトル「アトランティス」の飛行を6月28日(米東部時間)に1回追加すると発表した。国際宇宙ステーション(ISS)の交換部品などを保管する多目的施設をISSに運んで取り付けるためで、これがシャトル最後の飛行となる。残る飛行は3回。
NASAによると、スペースシャトルは81年の就航以来、6月のアトランティスで135回目の飛行。シャトルの引退に伴い、ISSへの宇宙飛行士の往復は当面、ロシアのソユーズ宇宙船が唯一の手段となる。【毎日 01.21】
☆米航空宇宙局(NASA)は19日、けがをしたティム・コプラ飛行士に代わり、2月24日に最後の打ち上げが予定されているスペースシャトル「ディスカバリー」にスティーブ・ボーウェン飛行士が搭乗すると発表した。
ボーウェン飛行士は昨年5月以来、3度目のフライトとなり、国際宇宙ステーション(ISS)に貨物を届ける任務に当たる。
また、この変更で打ち上げの日程が変更されることはないという。
チーフ宇宙飛行士であるペギー・ウィットソン氏は、「コプラ飛行士が搭乗できないのは非常に残念だが、今回の打ち上げの重要性を彼はよく理解している」と語った。ディスカバリーの打ち上げは、燃料タンクの修理のために昨年11月から延期されている。
コプラ飛行士は先週末、自宅近くで自転車に乗っているときにけがをしたという。【ロイター 01.20】
☆ロシア宇宙科学研究所(IKI)の関係者によると、同国が画している火星探査機「フォボス・グルント」の打ち上げを、今年11月11日を目標に設定したと表明した。
フォボス・グルントは、火星の衛星「フォボス」に着陸し、その土壌をサンプリングして地球へ持ち帰るという野心的なミッション。もともと2009年の打ち上げが予定されていたが、探査機が完成しなかったため、今年の秋に順延になっていた。
今年のロンチウィンドは10月31日から11月22日。もし11月11日に間に合わなければ同22日まで粘るが、もしそれでも間に合わない場合は、2013年への遅延もあり得ると表明している。
詳しくはこちらへ【Roscosmos 01.17】
…この時点で遅延のことに触れるとは…ひょっとして探査機製造間に合ってない!?
☆ロシアの宇宙船ソユーズで国際宇宙ステーション(ISS)を訪れる民間人の宇宙旅行が、2013年から再開されることが分かった。米バージニア州に拠点を置く宇宙旅行企画会社スペース・アドベンチャーズが13日、明らかにした。
それによると、同社はロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)と宇宙開発企業エネルギアとの合意により、2013年以降、年3人に10日間の宇宙旅行を提供する。同年からロシアがソユーズの生産を年間4機から5機に増やす計画のため可能となった。
民間人の宇宙旅行は、カナダのパフォーマンス集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」の創設者であるギー・ラリベルテ氏が2009年10月に楽しんで以降、行われていなかった。
旅行代金は明らかになっていないが、スペース・アドベンチャーズの広報担当者は、2007年の宇宙旅行者で米ソフトウエア開発者のチャールズ・シモニー氏が支払った3500万ドル(約28億9000万円)よりは「かなり高くなる」だろうと説明。それでも、すでに興味を示している人は何人もいると付け加えた。【ロイター 01.13】
☆米航空宇宙局(NASA)は13日、アリゾナ州銃乱射事件で重傷を負ったガブリエル・ギフォーズ議員の夫で、4月に打ち上げられるスペースシャトル「エンデバー」に船長として搭乗する予定のマーク・ケリー宇宙飛行士について、予備の船長を指名したと発表した。
ベテラン宇宙飛行士のケリー氏は、4月19日に打ち上げ予定のSTS―134ミッションで船長を務めることになっている。しかし同氏は現在、8日の事件で頭部に銃撃を受けて入院中の妻に付きっきりの状態だ。
このためNASAは、ケリー氏が不在の間も「搭乗員やサポートチームの訓練を継続するために」予備の船長を指名した。ただしケリー氏は引き続き同ミッションの船長に留まる。
NASAが発表した声明文でケリー氏は、「私の不在中、必要であれば、ミッション遂行準備のための措置を講じるよう幹部に進言した」「再びSTS―134の搭乗メンバーに加わり、訓練を完了できる状況になることを心から望んでいる」と述べている。
NASA当局者は、ケリー氏は予備船長を指名することで妻の看病に集中できるようになると語った。【CNN 01.14】
☆R-7ロケットとバイコヌール基地に関するミニコラムをUPしました。一昨年に既に書きかけていたものです・・つまり未完成ですが、興味ございます方はこちらへどうぞ。
☆宇宙航空研究開発機構は12日、平成25年度の初打ち上げを目指して開発中の小型固体燃料ロケット「イプシロン」を鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げることに決めたと発表した。
イプシロンは3段式で、重さ1・2トンの人工衛星を地球周回軌道に投入できる。機体の人工知能化や既存技術の転用で、打ち上げの簡素化や低コスト化などを目指す。同観測所は日本初の人工衛星「おおすみ」(昭和45年)や小惑星探査機「はやぶさ」(平成15年)などを打ち上げた場所として知られる。【産経 01.12】
☆月の内部には地球と同様に固体の内核と液体の外核が存在する可能性が高いと、米航空宇宙局(NASA)などの米仏研究チームが9日までに米科学誌サイエンス電子版に発表した。米アポロ宇宙船が1969~72年に月面に設置した地震(月震)計によって観測された月震波のデータを最新の技術で分析し直した結果、明らかになった。
月は原始の地球に別の天体が衝突し、その際に飛散した物質から形成されたとの説が有力で、構成物質は地球と似ている。月の半径は地球の約4分の1で、平均1737キロ。月震波の再分析結果によると、中心から半径240キロが固体の内核、同240~330キロが液体の外核、同330~480キロが部分的に溶融した層と推定された。
地球の核は主に鉄やニッケルでできていると考えられるが、月の核も鉄が多いとみられる。内部構造が詳しく分かれば月と地球の形成過程の解明に役立つと期待される。【時事 01.09】
…NASAのリリースはこちら。研究チームの提唱するモデルは下の通り。
月の内部に液体の領域はないとされてきましたが、数年前、月へのレーザー測距で取得されてきたデータを精密に解析した結果、部分的に液体の領域があるのではないかという説が出されました。今回の発表は月震計によるデータを再精査した結果導き出されたとのことで、レーザー測距とは異なり、より直接的な方法で内部に液体がある可能性の高さを指摘したものですね。
☆月の石に重水素の比率が高い水が含まれていることが、北海道大の圦本(ゆりもと)尚義教授(地球惑星科学)ら日米共同グループの研究で分かった。重水素の比率は地球の海水の2倍と高く、彗星(すいせい)の成分と近いといい、月の水は彗星が衝突した際にもたらされたものと推定できるという。論文は10日、英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」電子版に掲載された。
圦本教授は米ウェスリアン大のグリーンウッド教授らとの共同研究で、米有人月探査機「アポロ」が持ち帰った石を分析。元素レベルの解析ができる同位体顕微鏡を使って調べたところ、アパタイトと呼ばれる鉱物結晶の中に0.01~0.6%の水が見つかり、最大0.03%の重水素が含まれていた。
これまでの学説で月は約45億年前、原始地球に火星クラスの惑星が衝突し、地球から分かれてできたとされる説が有力。月の南極付近に水があることは分かっているが、月誕生時にあった水はすべて蒸発してなくなったと考えられてきた。このため、圦本教授らは月の形成後に氷と岩でできた彗星が次々と衝突し、溶けた水が石に閉じこめられたと推測している。
一方、地球を構成する地層下の岩石に含まれる水は軽水素の比率が高く、海水が重水素を多く含んでいるのは謎とされてきた。今回の研究で海水も彗星由来の水が希釈されたと考えられる可能性も出てきた。
東京大大学院新領域創成科学研究科の杉田精司教授(惑星科学)は「彗星は月だけでなく、地球にも落下していたはずで、地球の水の起源を探る突破口になるかもしれない」と話している。【毎日 01.10】
☆種子島観光協会は3月6日、南種子町の種子島宇宙センターなどで初の「種子島宇宙検定」を実施する。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が出題を担当。成績優秀者の数人は2011年度、一般客は通常入場できないロケット打ち上げ時のセンターに招待される。
同協会が「宇宙の島」を広くアピールしようと企画。協力を要請されたJAXA側が快諾した。
ウェブサイト「JAXAクラブ」が実施している「宇宙検定」の過去の問題約430問と、新たにセンター職員らが作った種子島にちなんだ問題約110問の中から、「種子島宇宙検定」用に約200問を選び、1月中旬、同クラブのページに掲載する予定。
クラブに入会(無料)すると閲覧、印刷ができる。観光協会のサイトからもアクセスできるようにする。検定では、その約200問から類似の70問(3択)を出題。50問以上正解すれば合格証がもらえる。
検定は、3月6日午後1時半から45分間。会場は約70人がセンター内(島外からの受検者優先)で、70人を超えた場合、センター以外の会場を設ける。
同月5日と6日午前には、受検問題に関するセンター内のバスツアーも行う。大塚成志管理課長は「日ごろ来場者が体験できるツアーよりも多くの所を時間をかけて案内する。問題も種子島特有の面白いものを作った。受検で宇宙開発への理解を深めてほしい」と呼び掛けている。【南日本新聞 01.07】
☆国立天文台と宇宙航空研究開発機構は6日、ヨーロッパやアフリカ北部で4日に観測された今年初の部分日食について、観測衛星「ひので」が撮影した画像を公開した。ひのでからは、内側に入り込んだ月が外側の太陽をほぼ隠す「金環日食」が観測できた。
国立天文台によると、今回は地上では部分日食しか観測できなかったが、ひのでは日本時間4日午後6時8分から同23分にかけ、北極付近の上空をタイミングよく回ったため、月が太陽を隠す場面の撮影に成功したという。
ひのでは2006年9月に打ち上げられた日本の太陽観測衛星で、地上約680キロの軌道を周回する。【時事 01.07】
…詳細が国立天文台にでています(こちら)。
☆金星を回る軌道に入れなかった探査機「あかつき」について、宇宙航空研究開発機構が、現在の軌道を微修正して金星周辺の小惑星も観測させる方向で検討していることがわかった。金星の周回軌道投入に再挑戦するのは6年後で、技術的にも燃料の残存量からみてもギリギリ。その間を有効に活用する道を探ることにした。地球の軌道より太陽に近い軌道の小惑星は、主な探査機による観測記録がなく、観測できれば貴重なデータになる。
宇宙機構の関係者によると、すでに見つかっている金星周辺にある複数の小惑星のうち、二つを観測できる可能性があるという。あかつきの軌道をどう変えればその小惑星にうまく近づくことができ、その後さらに金星に向かえるか、など詳しい軌道計算を進めている。
金星近くの小惑星は太陽の光や熱を多く受けている。このため、表面の成分にどんな影響が出ているか注目されており、小惑星の近くを通り過ぎながら撮影することで成分分析に役立てたいとしている。
小惑星の多くは火星から木星の間にある。米航空宇宙局(NASA)の探査機「ガリレオ」や欧州宇宙機関の「ロゼッタ」、日本の「はやぶさ」などで観測例があるが、いずれも地球より外側の小惑星だった。
あかつきは、燃料が減っていることや燃料系の部品の故障で推進力が7割程度に落ちている。6年後には観測機器も設計寿命を超えており、再投入できても金星を予定通り観測するのは厳しいと見られている。【朝日 01.04】
☆初春のお慶びを申し上げます。本年もボチボチ続けて参りますので、よろしくお願い申し上げます。【管理人 01.01】
☆長野県木曽町の東京大天文学教育研究センター木曽観測所は、天体写真撮影専用のシュミット望遠鏡が一度に撮影できる範囲を、従来の約6倍に広げる新型カメラの試験観測に成功した。国内の望遠鏡ではこれまでも最大だったが、世界でも屈指の広さとなる。恒星が一生を終える「超新星爆発」の研究などへの活用が期待される。
シュミット望遠鏡のカメラは、望遠鏡が捉えた星の可視光をCCD(電荷結合素子)で読み込み、画像に変換する。従来1枚だったCCDを8枚に増やすことで撮影範囲を拡大。情報量が飛躍的に増えるため、それを読み出し、画像情報に変換する回路技術の開発が難しく、6年がかりで成功にこぎ着けた。
これにより1回で撮影できる範囲は、旧型の満月2個2列に満たなかった広さから、4個4列に拡大した。国立天文台が米国ハワイ島に建設した「すばる望遠鏡」の1個をはるかにしのぐ。発生予測が難しく、広範囲で長期間の観測が必要な超新星爆発は、従来の10倍以上の確率で爆発を捉えられるという。続きはこちらへ【中日新聞 12.30】
☆地球と月は約46億年前に形成された後、40億~38億年前に大量の隕石(いんせき)が降り注ぐ「重爆撃期」があったと考えられているが、月から飛来した隕石で初めて、この重爆撃の衝突を受けた証拠の鉱物が発見された。東北大と茨城大、東京大、千葉工業大の研究チームが最新の国産分析装置を使って突き止め、29日までに米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
重爆撃の証拠は、地球の地表では大陸の生成・消滅や風化で失われたが、月面ではクレーターとして残っている。重爆撃期の隕石に含まれていた有機物が生命の起源との学説もあり、東北大の大谷栄治教授は「米アポロ宇宙船が月面から回収した石を調べ直す必要がある。今後の月面探査でも高圧鉱物を探し、重爆撃現象を解明することが重要だ」と話している。
分析した隕石は、南極・あすか基地近くで1988年に観測隊によって採集された。玄武岩質だが、一部が衝撃で融解してガラスとなっている。放射性同位元素による年代測定では、38億7000万年前に月面でマグマから結晶化した後、38億年前に重爆撃期の隕石衝突を受けて一部がガラス化。100万年前に別の隕石衝突により月面から飛び出し、宇宙線にさらされた後、地球に飛来したとみられる。【時事 12.29】
☆米航空宇宙局(NASA)の木星探査機「ジュノー」に、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイの骨を搭載する構想が検討されている。
ガリレオは1610年、手製の望遠鏡を使って木星の衛星4個を見つけた。実現すれば、天文学の父が、死後約370年を経て木星を間近に眺めることになる。
ジュノーは2011年8月に打ち上げられる予定で、16年に木星軌道に到着、巨大惑星の構造や成り立ちを調べる。
ジュノーを開発中の米科学者チームの間で、ガリレオの業績を記念し、骨片を載せるアイデアが浮かんだ。チーム代表で米サウスウェスト研究所(テキサス州)のスコット・ボルトン博士らが、骨の入手についてイタリア宇宙機関と交渉を進めている。
ガリレオは地動説を唱えてカトリック教会に異端と断罪された。1642年に死んだ際には墓が作られなかったが、1737年、フィレンツェの教会内の立派な墓に遺骨が移された。【読売 12.27】
…類似例として、現在飛行中の冥王星探査機「ニュー・ホライズン」には、発見者トンボーの遺灰が乗せられていることを思い起こされます…。
☆探査機「あかつき」の金星周回軌道への投入失敗は、主エンジンの燃料系逆流防止バルブが正常に開かなかった故障が根本原因と考えられると、宇宙航空研究開発機構が27日、文部科学省宇宙開発委員会の調査部会に報告した。エンジンへの燃料供給が不十分となって異常燃焼か噴射口の破損が起き、噴射方向がずれて姿勢が乱れた結果、逆噴射が中断したという。
このバルブ(米国製)は、燃料をタンクから押し出す高圧ヘリウムガスの配管にあり、燃料の逆流を防ぐ役割がある。宇宙機構はバルブが故障したメカニズムや、エンジンの燃焼に与える影響を解明するため、来年7月にかけて地上で再現実験を行う。
あかつきは6年後に金星に接近する機会があり、宇宙機構は周回軌道投入に再挑戦する方針だが、この再現実験の結果により可能か判断する。【時事 12.27】
☆宇宙航空研究開発機構は27日、小惑星探査機「はやぶさ」の試料容器のうち、新たに開封した方の小部屋からも微粒子約100個が見つかったと発表した。
肉眼で見えるほど大きな粒子はなかったが、逆さにした試料容器を、専用器具でたたいて軽い衝撃を加えたところ、0・01~0・1ミリ程度の粒子が出てきた。
容器は円筒形で、A、Bの2室に分かれている。まずA室を開封し、イトカワの微粒子約1500個が先月、確認された。B室も今月、開封。イトカワへの2度の着陸のうち、時間の長かった1度目に開いていたのがB室で、A室より多くの試料が期待されていた。
宇宙機構は詳細な分析のため、1月下旬から全国の研究機関や大学に微粒子を配布する予定。今夏には海外からも公募を始める。【読売 12.27】
☆ロシア宇宙開発史本編35をUPいたしました。気付けば6年ほど続いて参りました本連載も、今回より最終章に入ります。「スペースシャトルスキー」と題しまして、ソ連の有翼宇宙船構想、およびエネルギア/ブランシステムの歴史を簡単に振り返ります。
本当は09年末には書き上がっていたものですが、多忙等でUPがすっかり伸びてしまいました(汗)。お楽しみ頂ければ幸いです。
http://spacesite.biz/ussrspace35.htm
☆月が完全に地球の影に入る皆既月食が21日夕、日本列島の大半の地域で起きた。天候に恵まれた北海道では、うっすらと赤く見えた。
国立天文台によると、日本での皆既月食は2007年8月28日以来、約3年ぶり。来年は6月16日明け方に関東から西の地域、12月10日深夜に全国で皆既月食が起きる。
月食は、太陽と地球、月が一直線に並んで起きる。皆既月食の際に赤く見えるのは、太陽光が地球の大気によってわずかに屈折し、散乱しにくい赤い光だけが月面を照らすため。
札幌市天文台や北海道陸別町の銀河の森天文台では観望会が開かれた。子供連れなど大勢の人が望遠鏡や双眼鏡をのぞいて歓声を上げたという。
北海道では東部の一部を除き、月が部分月食の状態で上った。午後4時40分から同5時53分まで皆既月食となり、再び部分月食を経て同7時1分に通常の満月となった。【時事 12.21】
☆スタンリー・キューブリック監督の傑作「2001年宇宙の旅」(1968)からカットされた、17分間の未公開映像が発見されたことが明らかになった。
同作のSFXスーパーバイザーを務めたダグラス・トランブルが明かしたもので、フィルムは米カンザス州の岩塩坑内にある米ワーナー・ブラザースの地下保管庫で発見された。トランブルによれば、ワーナーが未公開映像を公開もしくは何らかの形で使用するかは不明だが、フィルムの保存状態は完璧だという。
米映画サイトIMDbによれば、「2001年宇宙の旅」のランニングタイムは当初160分だったが、キューブリックが19分カットし、141分の作品として公開された。今回、発見されたフィルムはその一部ではないかと推測され、第1章「人類の夜明け」や、ディスカバリー号内のボウマンやプールの登場シーンの追加フッテージが含まれると見られている。【映画.com 12.20】
☆先週の話題ですが、メモを…16日、カザフスタン、バイコヌール宇宙基地より国際宇宙ステーションへ向けて、ソユーズTMA-20が打ち上げられました。搭乗クルーはドミトリー・コンドラティオフ、キャスリン・コールマン、パオロ・ネスポリの3飛行士です。
日本時間16日午前4時9分(現地時間同午前1時9分)、バイコヌール宇宙基地よりソユーズが飛び立ちました。
離陸!ロケットを支える4本のペタルが離れた瞬間です。
カッコイイ!!
打ち上げの前、船内宇宙服のチェック。隔離された部屋で行われますが、ガラス越しに取材陣に公開されています。この後、地上での最後の会見が行われます。
会見後はバスで射点に移動し、宣誓式
乗り込む前、地上で見送る人々へ挨拶。昔からの定番光景です。クルーはこの後、後ろに見えるエレベーターに乗り込み、宇宙船へと登ります。
宇宙船は18日、無事ISSへ到着しました。詳しくはこちらやこちらへ【photo: Energia/Roscosmos/NASA】
☆金星を回る軌道への投入に失敗した探査機「あかつき」のエンジンが、トラブル後も正常時の6割程度の推力を保っていたことが、宇宙航空研究開発機構の調査で分かった。エンジンが破損していても限定的と見られる。エンジンのテスト噴射や地上での同型エンジンの試験で、故障の詳細を分析する。宇宙機構は、再接近する6年後の軌道投入も「あきらめていない」としている。
宇宙機構によると、あかつきは軌道投入のための噴射開始から152秒後に強い衝撃を受け、機体が傾き始め、エンジンの推力も落ちた。しかし、その後の推力は徐々に回復。最終的に6割ほどで安定したことが、機体の動きの詳しいデータから分かった。これだけの推力が保たれていたことで、噴射口は壊れているとしても、半分以上は残っていると見られるという。
あかつきの噴射口は世界初のセラミック製。耐熱温度は合金製より高い1500度だが、燃焼時は2千度にもなるため、燃料の混合を調整して温度が上がりすぎないようにしている。トラブル時に噴射口の温度が想定以上に高くなったか、燃え残った燃料が噴射口に流出し異常燃焼して衝撃を与えた可能性が考えられている。
エンジンの推力がある程度あるなら、6年後に金星の周回軌道投入の可能性も残る。ただ、壊れ方によっては真っすぐに噴射できないことや、軌道投入のための十分な減速ができないことも考えられる。このため宇宙機構は、破損状況と原因の究明を急ぐ考えだ。【朝日 12.19】
☆金星探査機「あかつき」の軌道投入失敗の原因について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は17日までに、燃料供給配管が詰まって燃料と酸化剤の混合比率が偏り、エンジン(セラミックスラスター)の噴射方向に異常が起きた可能性があることを突き止めた。失敗後、初めて開かれた文部科学省宇宙開発委員会の調査部会(河内山治朗部会長)で同日報告した。
これまでの解析によると、あかつきは、金星周回軌道投入のためのエンジン逆噴射を開始して2分32秒後、機体が回転し始めた。回転を止めるために姿勢制御装置が働き、やがて機体は非常時に取る「退避姿勢」に入った。その結果、逆噴射が予定の2割で止まり、減速が不十分なために軌道投入は失敗した。
原因としてJAXAは、燃料を押し出す高圧ガス配管の逆流防止弁が詰まり、燃焼に必要な酸素を含んだ酸化剤が相対的に過剰供給され、高温燃焼が起きてエンジン噴射口が破損した可能性など5項目を推定した。
JAXAは年明けにも、地上での再現試験や飛行中のあかつきの試験噴射を実施し、原因を特定するとともに、6年後の再投入が可能かを検討する。
高圧ガスは、燃料と酸化剤を燃焼室に送り出す役割。あかつきからのデータを調べた結果、燃料タンクにガスを送り込む配管だけに圧力不足が確認された。このことからJAXAは逆流防止弁の不具合を疑っている。
逆流防止弁は98年に打ち上げた火星探査機「のぞみ」(03年に軌道投入失敗)にも導入された。燃料や酸化剤が逆流しないための対策だ。のぞみは逆流防止弁に加え、電気信号で開閉する「ラッチ弁(遮断弁)」を念のため導入。あかつきはさらに2個を並列配置して誤作動を防ぐ対策を取っていた。
破損した可能性があるエンジン噴射口は独自に開発したセラミック製で、世界で初めて導入された。従来の合金製より軽くて熱に強いが、破損しやすい。あかつき打ち上げ後の6月に13秒間、試験噴射をして機能を確認した後は使っていなかった。打ち上げ後の軌道が正確だったため「試験後、軌道を戻すのに時間がかかるため」(石井信明JAXA教授)という。
初搭載の噴射口の状態を、センサーやカメラなどで確認する手段を今回は採用していない。17日の調査部会では、未経験のエンジンを採用したことや、試験噴射が短すぎたとの指摘が委員から出された。【毎日 12.18】
☆金星を回る軌道への投入に失敗した宇宙航空研究開発機構の探査機「あかつき」は、エンジンの噴射口が割れて大部分が脱落した可能性が新たに出てきた。
燃料が正常に供給されずに異常燃焼が起き、噴射口が過熱して破損したと宇宙機構ではみている。噴射口の大部分が脱落していれば、進む力は低下するがまっすぐ進めるため、6年後の軌道投入に望みが出てくるという。
宇宙機構の分析では、探査機はエンジン噴射から2分32秒後に姿勢を崩し、まっすぐ進む力も低下した。しかし直後に、その力を取り戻している。
このデータをもとに専門家らは、まず高温燃焼でできた噴射口の亀裂からガスが噴き出して姿勢が崩れ、その亀裂がさらに進んで最終的に噴射口の大部分が脱落したと推定している。【読売 12.17】
☆宇宙航空研究開発機構は13日、小惑星探査機「はやぶさ」カプセル内の2区画のうちA室から、小惑星「イトカワ」の砂粒の可能性が高い岩石質の微粒子が新たに約10個見つかったと発表した。
A室は、はやぶさが2005年11月26日、イトカワに再着陸した際に舞い上がった砂粒を収納した部分。約10個は、逆さにしてたたいて出てきた数百個の大きめ微粒子(直径数十マイクロメートル)の一部。A室では既に約1500個の微粒子がイトカワの砂粒と確認されている。【時事 12.13】
☆米航空宇宙局(NASA)によると、米スペースX社(カリフォルニア州)は米東部時間8日午前10時43分(日本時間9日午前0時43分)、開発中の無人宇宙船「ドラゴン」を搭載した商業用ロケット「ファルコン9」をケープカナベラル空軍基地(フロリダ州)から打ち上げた。宇宙船は地球の軌道を周回後、大気圏に再突入。打ち上げから約3時間20分後に太平洋上に安全に着水した。NASAによると、民間の商業宇宙船が地球の周回軌道から帰還したのは初めて。
ファルコン9とドラゴンは来年退役するNASAのスペースシャトルの後継機。将来、国際宇宙ステーション(ISS)への補給を担う。X社は来夏の打ち上げで、ドラゴンをISSにドッキングさせることを目指す。【時事 12.09】
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8日、金星周回軌道への投入に失敗した金星探査機「あかつき」のメーンエンジンに異常が起きた可能性があることを明らかにした。JAXAは検討チームを設置して詳しい原因を調べている。会見した計画責任者の中村正人JAXA教授は「大変残念な結果。重力のある惑星に(探査機を)投入するのは難しかった」と無念の表情を浮かべた。
JAXAによると、あかつきは7日、減速のために12分間の予定で逆噴射を開始。2分23秒後、地球から見て金星の裏側に入り、通信が途絶していたときに突然機体が高速で回転しはじめた。何らかの原因で爆発的な衝撃が加わり、危険を察知したときの緊急時モードに切り替わって逆噴射を中断したと推測される。
軌道データを分析した結果、すべての燃料を使っても周回軌道に入れないことが判明し、8日未明に投入を断念。周回軌道投入には最低でも9分20秒以上の逆噴射が必要で、自動車にたとえると、あかつきはブレーキの踏み込みが甘く金星を通り過ぎてしまった形だ。
現在あかつきの姿勢は安定。7日に発生した通信トラブルも解消し、最も高速でやり取りできるアンテナを使っている。小野田淳次郎JAXA宇宙科学研究所長を長とする検討チームは9日以降、メーンエンジンの関連データを分析する。
今後あかつきは太陽を公転し、軌道を修正すれば28年12月~29年1月の間に2回、再投入の機会が訪れるが燃料の残りは1回分。さらにメーンエンジンが使える場合に限られる。再挑戦までは宇宙空間を漂うちりの観測を継続しながら、バッテリーの使用を抑えて機体の延命を図るという。
一方、電子部品は宇宙空間を飛び交う放射線によるダメージを受けやすい。搭載された紫外線や赤外線カメラなど計6台の観測装置が劣化する恐れもある。
多難が予想される長期間の飛行を前に、中村教授は投入断念を決めた8日未明、管制室で「言うべき言葉もないが、6年後まで衛星を守り続けよう」と話したという。あかつきは今年5月に鹿児島県のJAXA種子島宇宙センターから打ち上げられた。開発費は約146億円。【産経 12.09】
☆宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(ISAS/JAXA)は、平成22年5月21日(日本標準時、以下同)に種子島宇宙センターから打ち上げた金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入マヌーバ(VOI-1)を12月7日8時49分から実施しましたが、軌道推定の結果、金星周回軌道への投入ができなかったことが確認されました。
現在、宇宙航空研究開発機構内に宇宙科学研究所長を長とする調査・対策チームを設置し、あかつきの金星周回軌道投入に失敗した原因につきまして調査中です。対応状況、調査結果については随時お知らせいたします。プレスリリースはこちらへ【JAXA 12.08】
…会見が8日午前11時から行われ発表がありましたが、あかつきは7年後に金星と会合する機会があるとのことで、その時投入可能かどうか今後検討するとのことです。
☆5月に打ち上げられた金星探査機「あかつき」が7日午前、約5億キロの旅を終え、地球の隣の惑星、金星から550キロの地点に達し、金星の周回軌道投入のためのエンジン逆噴射を実施した。直後から予定時間を大幅に超えて通信できないトラブルが起きたが、約1時間半後に通信は回復した。金星の周回軌道に投入できたかどうか、確認を急いでいる。軌道投入に成功すれば、日本初の惑星探査機として、謎の多い金星の気象観測を始める。
相模原市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所では7日午前8時52分、あかつきの減速を確認。通信にかかる時間(片道3分35秒)を差し引くと、ほぼ予定通りの同8時49分ちょうどに逆噴射を始めたことを確認できた。
あかつきは逆噴射後間もなく、地球から見て金星の裏側に入ったため通信が途絶。しかし再開予定時刻(同9時12分)を過ぎても再開しなかったため、管制室は緊迫した空気に包まれた。通信は同10時28分に回復したが、あかつきから届く情報が少なく、探査機の状態は分かっていない。
あかつきは打ち上げ以来、金星を全速力で追いかける形で飛行してきた。金星の周回軌道に入るには、秒速37キロから同35キロに速度を落とさなければならない。減速する逆噴射のタイミングは一度きりだ。
日本は98年に、火星探査機「のぞみ」を打ち上げたが、火星の軌道投入に失敗、探査にはいたらなかった。金星に探査機を送るのは、米国、旧ソ連、欧州に続いて日本が4番目。61年のベネラ1号(旧ソ連、失敗)以来28機目となる。【毎日 12.07】
…果たして周回軌道にのったのかどうかはまだ不明とのこと。気になります…
☆金星を目指して飛行していた探査機「あかつき」は7日朝、金星を回る軌道に入るためにエンジンを逆噴射し、いったん地球から見て金星の反対側に回った。しかし、再びあかつきが地球から見えるようになる予定の午前9時12分を過ぎても、通信が再開できていないことが分かった。
あかつきは今年5月21日に鹿児島・種子島から打ち上げられ、半年かけて金星の近くに到着。この日午前8時49分から12分間にエンジンを逆噴射して減速し、金星を回る軌道に入る予定だった。【朝日 12.07】
…とても気になります。。
☆今年5月に打ち上げられた金星探査機「あかつき」が7日、金星の周回軌道に投入される。日本の惑星探査は98年に打ち上げた火星探査機「のぞみ」が軌道投入に失敗して以来で、今回成功すれば日本初の惑星探査機となる。
あかつきは7日朝、エンジンを約12分間逆噴射して速度を落とし、金星のまわりを回る楕円(だえん)軌道に入る。地球との交信に往復約8分間かかるため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、指令プログラムをあらかじめ探査機に送信。7日の作業は自動制御で実行される。
金星は地球から最も近い太陽系の惑星で、大きさは地球とほぼ同じだが、大気の約97%を二酸化炭素が占め、気象も地球と大きく異なる。
あかつきには6台の観測装置を搭載。金星の人工衛星として、濃硫酸の厚い雲を透過して活火山の活動を調べたり、雷などの発光現象を観測する。とりわけ、風速100メートルという猛烈な東風が吹き続ける「スーパーローテーション(超回転)」という大気循環の謎を探るため、風と同じスピードで飛びながら雲の変化を見続けるなど、過去に例のない観測が計画されている。【毎日 12.05】
☆宇宙航空研究開発機構(以下、「JAXA」という。)は、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS;ウィンズ)のネットワークを利用し、一般広報・利用促進等を目的としたクリスマスメール配信イベントを平成22年12月24日に実施します。本イベントは、「きずな」を経由させるメールの送受信を一般参加型とすることで、「きずな」ミッションに対する、より一層の理解を深めていただくことを目的としております。
1.実施内容
「宇宙から メリークリスマス2010」
聖なる日、宇宙から届くメッセージ。「きずな」を使って届けてください、
大切な人へのメリークリスマス。
(1)クリスマスのメッセージメールを送りたい家族・友人等のメールア
ドレスを募集します。
(2)期間中に登録いただいた各送信先のアドレスは一旦JAXA内で蓄積し、
12月24日のクリスマス・イブに36,000kmの静止軌道上にある「きず
な」に向けてJAXA「きずな」地上アンテナからメールを載せた電波を
発射し、「きずな」を経由し地上のネットワークで届けたい相手にメー
ル配信されるものです。
(3)メール本文は迷惑メール悪用防止のため固定となり、「きずな」から
送られてきたメールです、という内容になります。
(4)メールには定型カードが添付され配信されます。カードは登録サイト
上で選択できます。
(5)本文には英語の文面も選択できます。ただし、定型カードは1種類(専
用)ですので、ご了承ください。
登録期間等、詳細はこちらへ【JAXA 12.03】
☆03年5月、肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられ、今年6月、小惑星「イトカワ」の微粒子を持ち帰った探査機「はやぶさ」の帰還カプセルが4日、同観測所に里帰り。地元の人や多くの宇宙ファンらに公開された。宇宙航空研究開発機構(JAXA)主催で5日まで。
打ち上げ時、「はやぶさ」を組み立てたクリーンルームに展示されたのは、カプセル本体や大気圏再突入時の高温から守るシールド、電子機器搭載部など6点。
訪れた人たちは、7年かけて往復60億キロの旅を終えて帰ってきた部品を列をつくって見学。エンジントラブルや通信途絶など苦難の連続だった壮大な宇宙旅行に思いをはせた。
カプセル担当だった山田哲哉・宇宙科学研究所准教授は「ここで組み立てたカプセルがまたこの場所に戻ってきて感無量」と笑顔で話した。当時の観測所長だった的川泰宣・同名誉教授は「はやぶさチームの頑張りはすごかった。これほど親しまれた探査機はほかにない」と感慨深げに語った。
山口市から両親と訪れた小3、大湯元気君(9)は「60億キロも飛んでいたのにカプセルはキラキラしていた。微粒子を持ち帰ったのもすごい」と感動した様子だった。【毎日 12.05】
…私も5日に行ってきましたが、すごい人出でした。ここにあれだけの人が集まったのは初めて、では?^^;
☆米航空宇宙局(NASA)は3日、スペースシャトル「ディスカバリー」の打ち上げを来年2月3日以降に延期すると発表した。外部燃料タンクに見つかった亀裂の修理後の安全性を確認するためとしている。
NASAは11月5日の打ち上げ前の点検で、外部燃料タンク表面に吹き付けられた断熱材に大きな亀裂があるのを発見。断熱材を除去したところ、その下にある強度を保つ「ストリンガー」と呼ばれるアルミニウム製補強材からも亀裂(長さ約22センチ)が見つかった。
補強材を交換し、断熱材も修理した。NASAは「打ち上げの安全性を確認する試験が完了していない」としている。2003年のシャトル「コロンビア」の空中分解事故では、打ち上げ時に同タンクから剥がれた断熱材がコロンビアの左翼に衝突、損傷したことが原因だった。【時事 12.04】
☆3日、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地に、ソユーズTMA-20宇宙船のクルーが到着しました。
同ソユーズは今月15日、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて打ち上げられます。搭乗クルーはドミトリー・コンドラティオフ、キャスリン・コールマン、パオロ・ネスポリの3飛行士。バックアップクルーはアナトリー・イワニシン、古川聡、マイケル・フォッサムの3飛行士。
正規とバックアップクルーは別々の飛行機で基地入りします。今回もまず正規クルーが、その10分後、バックアップを乗せた機が着陸しました。
まずは正規クルーが到着
基地関係者も交えて記念撮影
その10分後にバックアップクルーがランディング。古川飛行士もタラップを降ります。
ソユーズTMA-20宇宙船は10月上旬、宇宙基地で搬送中に転落し、帰還カプセルが損傷したため、TMA-21用カプセルと交換が行われました。作業も順調に進んできたようです。詳しくはこちらへ【Roscosmos 12.03】
☆米航空宇宙局(NASA)は2日(日本時間3日未明)、ヒ素を摂取して生命を維持するバクテリアの発見についてワシントン市内で記者会見し、「生命の定義が広がった」との認識を示し、「地球外生命の可能性につながる扉をこじ開けた」と宇宙空間での新たな生命体の発見に期待を示した。
今回の発表はNASAが「地球外生命体の証拠の探索に影響するであろう宇宙生物学上の発見」で記者会見を開くと発表。インターネットで「宇宙人発見か」と話題を呼んでいた。
記者会見したNASAのメアリー・ボイテック宇宙生物学計画部長は「(一部の人を)がっかりさせたかもしれないが」とほほえみながらも、「生物学の教科書の文章を書き換えなければならない内容だ」と発見を評価した。
NASAなどの研究チームは、生命活動に不可欠と考えられてきたリンの代わりにヒ素で生命を維持するバクテリアを確認し、より多様な環境で生物が生存できる可能性を示したとしている。
研究を主導したNASAのフェリーサ・ウルフ・サイモン博士も、生物は「想像以上に適応性が高いのかもしれない」と分析した。【産経 12.03】
☆米航空宇宙局(NASA)は29日、宇宙生物学上の発見に関する会見を12月2日午後2時(日本時間同3日午前4時)に開く、と発表した。
「地球外生命体の証拠の探索に影響を与えるであろう、宇宙生物学上の発見」について議論するという。
会見はNASA本部で行われ、その様子はNASAテレビやNASAのサイト上でネット中継される。【毎日 11.30】
☆数々の困難を乗り越え、重大なミッションを成功させた小惑星無人探査機「はやぶさ」の帰還カプセル。武雄市の県立宇宙科学館で始まった一般公開初日の27日、約4500人が来館した。
6月にオーストラリアのウーメラ砂漠に帰還した後、小惑星「イトカワ」で採取した試料の分析に世界中の耳目が集まっていたが、今月16日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)がイトカワ由来の鉱物だったと発表した。
ビッグニュースから間もないとあって、九州初公開には開館までに、天文ファン、親子連れ、中学生のグループなど約530人が会場入り口前からエントランスの階段下まで長蛇の列を作った。
午前9時10分から開場セレモニーが行われ、同館の許斐修輔館長、古川康知事、樋渡啓祐・武雄市長や地元の小中学校の児童・生徒代表ら7人がテープカットした。許斐館長が「快挙を成し遂げた探査機をじっくりご覧ください」などとあいさつした。【毎日 11.28】
…佐賀も凄かったようですね!
☆米航空宇宙局(NASA)は、今年春から「消失」していた木星の縞模様が復活したと発表した。消失したように見えたのは、木星の大気がつくり出した錯覚だったという。
「赤道縞」と呼ばれる木星の濃い褐色の縞模様はこの春以降、白っぽくなって見えなくなっていた。NASAの観測所でこの現象を調べた結果、白いアンモニアの氷でできた雲の層が縞を覆い隠していたことが分かったという。
赤道縞は数十年に1度、完全に真っ白になって周りの白い縞との区別がつかない状態が1~3年続くことがあるが、これまで原因は解明できていなかった。
NASAによれば、赤道縞の周辺はふだんは乾いた風が吹いて周辺の雲を吹き払っているが、この風が止んだことが、縞が消失したように見えた原因だった。現在では雲が晴れ始め、縞が復活しつつあるという。
この現象は、木星の風と大気の状態について理解を深める手掛かりになるとNASAは指摘。観測の成果を2016年に木星に到達予定の探査機「ジュノー」の探査に生かしたいとしている。【CNN 11.26】
☆26日、国際宇宙ステーション(ISS)からソユーズTMA19宇宙船が帰還する。ソユーズは日本時間26日午前10時19分にISSを離脱し、約3時間半後の午後1時46分、カザフスタン・アルカリクの草原へ着陸する予定。
TMA19に乗って帰還するのは、フョドール・ヤーチキン、ダグラス・ウィーロックおよびシャノン・ウォーカーの3飛行士。なお、ソユーズのISS離脱に伴い、ミッションは第25次から26次長期滞在クルーとバトンタッチされる。詳しくはこちらへ【Roscosmos 11.25】
☆宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)は25日、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を輸送する無人宇宙船「こうのとり(HTV)」2号機を南種子町の種子島宇宙センターで公開した。1月20日、大型ロケット「H2B」2号機で打ち上げる。
HTV2号機は全長10メートル、直径4.4メートルの円筒形で、宇宙飛行士の飲料水や日本実験棟「きぼう」の実験装置など計5.3トンを運ぶ。1号機より宇宙飛行士が出入りする物資搭載スペースを拡張。HTVの噴射口の温度を測る機器の耐熱性を向上させた。
開発費は約140億円。打ち上げ後の運用期間は38日間を予定。1月27日にISSに接続して物資を運び出し、廃棄品を積み込んでISSを離脱し、2月26日に大気圏に再突入し燃え尽きる。写真はこちらへ【南日本新聞 11.26】
☆米航空宇宙局(NASA)は24日、悪天候やガス漏れなどのトラブルで何度も延期されていたスペースシャトル「ディスカバリー」を、12月17日に打ち上げる仮日程を決めたと発表した。
ディスカバリーは外部燃料タンクに亀裂が見つかり、現在その原因を調べている。調査結果次第では、打ち上げがさらに延期されて1月か2月になる可能性もあるという。亀裂が組み立ての工程でできたものなのか、発射台に運ばれるまでなぜ見つからなかったのかについても、まだ判明していない。
亀裂が見つかったことを受けてNASAは11月5日に予定していた打ち上げを12月3日に延期。今回、この日程をさらに12月中旬まで先延ばしした。
NASAのスペースシャトル計画責任者は「リスクの程度を見極めるために作業が必要な箇所はすべて特定した」と説明。12月3日~7日の間に打ち上げることはできなくなり、次に可能性があるのは17日以降だと説明した。【CNN 11.25】
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は、超高集積回路(IC)の高速・低消費電力化を実現する民生用最先端のSOI(絶縁膜上シリコン)技術を使い、現状の数十倍という高い放射線耐性を持つシステムLSIを世界で初めて開発した。
搭載する論理回路素子などに放射線耐性の強い素子を使い、“純国産素子”で作り上げた。2014年に打ち上げる科学衛星などに同LSIを数十個搭載するほか、自動車や建設機械、医療機器などへの幅広い採用が期待される。
宇宙から地上に降り注ぐ放射線による電子回路の誤動作は、人命にかかわる大きな問題となっている。新LSIの放射線耐性は現状の最先端素子の25―40倍に当たる1平方センチメートル・1ミリグラム当たり25メガ―40メガ電子ボルト(メガは100万)に対応。設計には標準的なセルを最適設計してコンピューターメモリーに登録、それらのセルを用いた。【日刊工業新聞 11.23】
☆米当局は21日、米フロリダ州ケープカナベラルから米最大の無人ロケット「デルタ4ヘビー」で、これまでで最も巨大といわれる偵察衛星を打ち上げ、軌道に乗せることに成功した。
この偵察衛星は謎に包まれている。米国家偵察局はこの衛星の目的を明らかにしていないが、米メディア各局は「敵」のコミュニケーションを傍受することが目的だと報じている。
推力200万ポンド(約907トン)の強力な液体燃料エンジンを搭載しているデルタ4ヘビーロケットが打ち上げられたのは今回でまだ4度目。打ち上げは当初10月19日に予定されていたが延期されていた。延期の理由は明らかにされていない。【AFP 11.23】
☆米航空宇宙局(NASA)は18日、スペースシャトル「ディスカバリー」の打ち上げを30日から12月3日以降にさらに延期すると発表した。水素ガス漏れに加え、外部燃料タンクの断熱材などに亀裂が相次いで見つかったためだ。
2003年のシャトル「コロンビア」の空中分解事故では、打ち上げ時に同タンクからはがれた断熱材が、コロンビアの左翼前縁に衝突、損傷したことが、大気圏再突入時に船体が分解した原因だった。シャトルは来年退役予定だが、改めてその安全性が不安視されている。【時事 11.19】
☆7年間にわたる約60億キロの宇宙の旅を終えて地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルが27~30日、武雄市の県立宇宙科学館で一般公開される。九州初で、カプセルの微粒子が小惑星「イトカワ」のものと確認されて間もないこともあり、一段と注目を集めそうだ。
はやぶさは2003年5月に打ち上げられ、05年11月に約3億キロ離れたイトカワに到着。燃料漏れなどのトラブルに見舞われながらも、今年6月にカプセルが地球に戻った。宇宙航空研究開発機構は今月16日、イトカワの微粒子が約1500個入っていたと発表した。
展示は、カプセル本体部分の「インスツルメントモジュール」や心臓部にあたる「搭載電子機器部」など計5点を予定。観覧無料。期間中の開館は午前9時15分~午後7時。同科学館(0954・20・1666)は「遠方からの問い合わせもあり、微粒子確認の発表以降、特に関心が高まっているようだ」と話している。【読売 11.19】
☆今月30日に予定されていたソユーズTMA-19の帰還が、26日へと変更になった。
ソユーズTMA-19は、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している第25次滞在クルーを乗せて、地上へ帰還することになっている。予定ではモスクワ時間26日午前4時19分(日本時間午前10時19分)にISSを離脱し、カザフスタン・アルカリクの草原へ日本時午後1時46分に着陸する予定。
なお、先日の転倒で痛んだソユーズTMA-20カプセルは新しいものに交換され、来月15日の打ち上げ予定へ向けて準備が順調に進んでいるとのこと。詳しくはこちらへ【Roscosmos 11.18】
☆金星探査機「あかつき」は金星を周回する軌道に入るための軌道制御エンジン(OME)の噴射を、12月7日8時49分00秒(日本時間)に実施する予定です。同日9時1分00秒には軌道制御エンジンの噴射を終了し、その後Z軸地球指向への姿勢変更等を経て、同日12月7日21時頃には金星周回軌道を決定する予定です。
「あかつき」は金星軌道投入後、約2年をかけて金星の大気を調査します。詳しくはこちらへ【あかつき特設サイト 11.18】
☆政府の「再事業仕分け」は、最終日の18日、独立行政法人「宇宙航空研究開発機構」の今後の資金計画について、「今年度予算の水準を維持すべきだ」として「見直し」という結論になりました。
中央省庁が、これまでの「事業仕分け」の結果を反映させているかを検証する政府の「再事業仕分け」は最終日を迎え、18日も東京都内で公開で行われています。午前中は、過去2回の仕分けで対象になったJAXA=宇宙航空研究開発機構の今後の資金計画が取り上げられました。宇宙航空研究開発機構は、来年度予算の概算要求で、国際宇宙ステーションや小惑星探査機「はやぶさ」の後継機の開発費など、1900億円を要求していますが、資金計画では年間の事業費が2年後には2400億円、その翌年には2600億円と増えていく見通しとなっています。仕分け人からは「国の財政が厳しいなかで、毎年の予算が変動しない計画を立てるべきだ」とか「もともと国際約束や民間との契約のため削れない事業が多いなかで、さらに新規事業をするのは難しいのではないか」といった指摘が出されました。これに対し、宇宙航空研究開発機構を所管する文部科学省側は「厳しい財政状況のなかで難しいことは理解しており、資金計画をその時々でしっかり検討したい」と説明し、最終的に「今年度予算の水準を維持すべきだ」として「見直し」という結論になりました。また、特色ある港を整備するため、国が財団法人を通じて自治体などの基金に資金を拠出する国土交通省の支援事業について、仕分け人から「財団法人が関与することで、町づくりへの波及効果があるとは思えず、事業の必要性が不明だ」といった指摘が出され、「廃止」と結論づけました。【NHKニュース 11.18】
☆中国初の国産有人宇宙ステーションの実験機「天宮1号」が来年中ごろに打ち上げられる。珠海で開催中の航空・宇宙ショーで担当者が明らかにした。中国は20年までに長期滞在可能な宇宙ステーションを完成させ、将来は月面着陸を目指している。米露に続く有人宇宙プロジェクトを国威発揚につなげていく思惑がありそうだ。
中国初の宇宙飛行士、楊利偉(ようりい)・有人宇宙飛行弁公室副主任は16日、珠海で報道陣に「天宮1号は総合テストの段階に入っており、来年中ごろ打ち上げられる。予定されているドッキング実験は宇宙ステーション建設の鍵になる」と説明した。
中国は03年に初の国産有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げと回収に成功。来年中ごろに天宮1号を、同年後半に神舟8号を無人で打ち上げ、宇宙空間でドッキングさせる。さらに12年には神舟9号(無人)、同10号(有人)を打ち上げ、ドッキング技術の完成を目指すという。
宇宙ステーションの建設・運用には巨額の費用がかかるため、単独で建設したのは旧ソ連(71年)と米国(73年)だけ。現在、日米露など世界15カ国が参加して国際宇宙ステーション(ISS)を建設中だが、建設・運用総費用が10兆円を超え、「人類最大のプロジェクト」といわれている。
中国もISS参加を打診しているが、軍事利用を警戒する米国などが反対している。そのため単独で宇宙ステーション開発を進める中国は、国内の軍需産業を総動員して計画を主導する。
中国が宇宙開発を国威発揚に結びつける背景には、国民の所得格差が深刻化するなか、巨額予算を宇宙に投じることへの国民からの批判を封じ込める狙いもありそうだ。
有人宇宙プロジェクトに参画する中国の軍需企業「中国航天科技集団」幹部は「宇宙ステーション建設によって、中国の宇宙開発は、宇宙の探索から利用に向け大きな飛躍を遂げるはずだ」と意義を強調している。【毎日 11.18】
☆海洋研究開発機構のスーパーコンピューター「地球シミュレータ」が、気象や気候変動の分野に使われる計算手法で世界一になった。
同機構が17日発表した。単純な計算を解くランキング「TOP500」では中国のスパコンが初めて1位を獲得し日本は最高で4位だったが、複雑な計算では世界一を奪還した形だ。
「地球シミュレータ」は2002年に「TOP500」で首位になったが、その後は海外勢におされ今年は54位だった。1位になったのは、「高速フーリエ変換」という計算の速さを競う国際ランキング。昨年3月に更新したシステムが1秒間に12兆回の計算をこなし、米オークリッジ国立研究所のスパコンの11兆回をおさえトップに輝いた。【読売 11.17】
☆宇宙電波天文学の権威で鹿児島大の宇宙コース創設に尽力、「宇宙おじさん」の愛称で親しまれた同大名誉教授、森本雅樹(もりもと・まさき)氏が16日午前8時半、急性心筋梗塞(こうそく)のため鹿児島市の病院で死去した。78歳。東京都出身。1998年から兵庫県立南但馬自然学校長を務め、自宅は兵庫県姫路市。近親者で密葬を行い、後日しのぶ会を開く予定。
長年、日本フィル鹿児島公演実行委員長を務め、2011年2月の公演のPRのため14日から鹿児島市を訪問。16日朝に宿泊先で不調を訴えたという。
1932年東京都生まれ。東大理学部天文学科から同大教授などを経て88年に国立天文台教授に就任した。ミリ波と呼ばれる周波数帯の電波望遠鏡を駆使し、星の生成領域の研究などに従事。仁科記念賞やNASAグループ業績賞などを受賞し、日本の宇宙電波天文学を世界レベルに引き上げた。
同天文台退官後の93年、鹿児島大教養部教授に就任。鹿児島市に、同天文台野辺山観測所から直径6メートルの電波望遠鏡を移設し、日本列島を縦断する観測ネットワークを実現。97年の理学部物理学科宇宙コース創設などに尽くした。【南日本新聞 11.17】
☆小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルから見つかった微粒子が小惑星「イトカワ」由来のものと公表された16日の午後、宇宙航空研究開発機構の研究者らがあらためて記者会見し、プロジェクトマネジャーの川口淳一郎宇宙機構教授は「40年にわたる宇宙開発の積み重ねでここまでたどり着けた。先輩諸氏に感謝したい」と述べた。
川口教授によると、電子顕微鏡の分析で微粒子がイトカワ由来である可能性が高まっても、しばらく公表には慎重だった。その理由を「着陸時、(岩石採取のための)金属球を撃ったと発表したが、その後訂正した。その経験が大変に苦しかったため」と説明。「最後の最後まで確認したかった」と胸の内を明かした。
一方で「心の底ではずっと(イトカワの岩石が)あってほしいと思ってきた」とし、「あると信じていたからこそ(地球)帰還の運用を支えられた」と笑顔で話した。【共同 11.16】
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、はやぶさ搭載の帰還カプセルにより持ち帰られた、サンプル収納容器からの微粒子の採集とカタログ化を進めています。
サンプルキャッチャーA室から特殊形状のヘラで採集された微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察および分析の上、1,500個程度の微粒子を岩石質と同定いたしました。更に、その分析結果を検討したところ、そのほぼ全てが地球外物質であり、小惑星イトカワ由来であると判断するに至りました。
採集された微粒子のほとんどは、サイズが10ミクロン以下の極微粒子であるため取扱技術について特別なスキルと技術が必要な状況です。JAXAは、初期分析(より詳細な分析)のために必要な取扱技術と関連装置の準備を進めています。
詳細はこちらへ【JAXA 11.16】
…ついにやりましたね!!
☆南極に約1千本のアンテナを立て、地球温暖化などを探る世界初の南極大型大気レーダー(PANSY)計画が、来年始まる。北極などの観測器とも連携し、地球規模での大気の大循環や気候変動を探るのが狙いだ。東大と今月24日に出発する52次南極観測隊が計画を発表した。
この計画には、観測隊の派遣元の国立極地研究所や東大、京大など国内9大学と8研究所が参加。甲子園球場のグラウンドほどの直径160メートルの敷地内に、高さ約3メートルの小型アンテナを1045本立て、地上から高度500キロまでの大気の流れを1分ごとに観測する。建設費は約46億円。「国内でも例のない大きさ。けた違いの高精度のデータが得られる」とプロジェクトリーダーの佐藤薫・東大教授。
来年1月に建設し、3月ごろから部分運用を開始。数年後には北極や中緯度にある観測器や人工衛星とも連携、地球全体の大気の流れや気候変動の予測に役立てる。南極上空に起きるオゾンホールの観測も行う。【朝日 11.15】
☆11月としては5年ぶりに観測された黄砂が日本の広範囲を覆う様子を東海大、九州大、国立環境研究所などのチームが温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」を使ってとらえることに成功した。発生源の中国の砂漠地帯に積雪がないことも確認、地面が乾燥して黄砂が舞いやすい状況だったことも判明した。
いぶきは紫外、可視、赤外の3種類の光をとらえるセンサーを搭載。大気中の微粒物質を1000キロ幅にわたって観測可能で、火山灰の移動など大規模な現象をとらえやすい。
チームは宮城県から鹿児島県にかけて黄砂が観測された12日、いぶきの観測データを解析。黄砂が中国西部の砂漠地帯から朝鮮半島沖を経由して日本に飛来している様子を可視化することに成功した。また、福岡県春日市における砂じん濃度の計測で直径0.005ミリ以上の砂じん粒子が大気1リットル当たり100個以上あり、非常に高濃度の黄砂だったことも分かった。
黄砂は通常、雪解けが終わり土壌の乾燥が進んだ春に多く観測される。東海大の中島孝准教授(大気物理学)は「気候変動で中国の積雪が遅れると、秋も黄砂現象が増えるかもしれない。観測と分析体制を充実させる必要がある」と話す。【毎日 11.15】
☆中国製のスーパーコンピューターが、14日発表された計算速度の世界ランキングで、初めて世界一になった。中国国防科学技術大が開発した「天河1号」で、計算回数は毎秒2566兆回に達した。米国は2004年から守り続けた世界一の座を6年ぶりに明け渡した。
2位は米オークリッジ国立研究所の「ジャガー」(1759兆回)。中国科学院などが開発した「星雲」(1271兆回)は3位に入った。4位は日本の東京工業大による「ツバメ2.0」(1192兆回)だった。日本製がトップ10入りしたのは、東工大のスパコンが9位になった06年11月以来、4年ぶり。
スパコンの性能ランキングは、米国などの専門家が調べて、年2回、「TOP500」として発表されている。【朝日 11.15】
☆元素の中で最も小さい水素原子の撮影に、東京大の幾原雄一教授(材料科学)らのチームが初めて成功した。
撮影に使ったのは「走査透過型」と呼ばれる最先端の電子顕微鏡。水素原子の大きさは1千万分の1ミリ程度しかない。これとほぼ同じ細さにしぼった電子のビームを、水素とバナジウムの化合物の結晶にぶつけ、結晶中の水素原子をとらえた。
電子顕微鏡は、ピンぼけを防ぐ技術が開発されたことを背景に、どれだけ小さなものを撮影できるかの競争が近年、世界で激化している。
幾原教授は「すべての元素が見える時代になってきた。水素を使う燃料電池など、次世代のエネルギー技術の開発にもつながる」と話している。【朝日 11.12】
☆宇宙航空研究開発機構は11日、国際宇宙ステーション(ISS)に日用品や実験機器などを届ける無人貨物船「宇宙ステーション補給機」(HTV)の愛称を公募した結果、「こうのとり」に決まったと発表した。
宇宙機構によると、8月末から約1カ月の間に約1万7000件の応募があり、217人が「こうのとり」を挙げた。宇宙機構は選定理由として「幸福や赤ちゃんといった大切なものを運ぶイメージが、ISSに重要な物資を運ぶHTVを的確に表しているため」としている。【時事 11.11】
☆宇宙航空研究開発機構および三菱重工業株式会社は、H-IIBロケット2号機による宇宙ステーション補給機2号機(HTV2)の打上げについて、下記のとおり宇宙開発委員会に報告しましたので、お知らせいたします。
打上げ予定日 : 平成23年1月20日(木)
打上げ予定時刻 : 15時29分頃(日本標準時)
打上げ予備期間 : 平成23年1月21日(金)~平成23年2月28日(月)
公式リリースはこちらへ【JAXA 11.10】
☆太陽の活動が低下して黒点がほとんど出現しなかった「マウンダー極小期」(1645~1715年)に当たる江戸時代初期の日本は、周期的に雨が多い湿潤な気候になったことが奈良県内で倒れたスギ老木の年輪分析で明らかになった。グリーンランドでは寒冷になったことが氷床掘削調査で判明しており、太陽活動の変動が地球の気候に影響していたことが裏付けられた。東京大、名古屋大、名古屋工業大の研究チームが8日までに論文をまとめた。米科学アカデミー紀要電子版に発表する。
東大大気海洋研究所の横山祐典准教授によると、太陽の日射と紫外線の量は11年周期(マウンダー極小期は14年周期)、磁場活動は22年周期(同28年周期)で変動する。気候への影響については、程度やメカニズムをめぐってさまざまな議論があり、はっきりしなかった。
マウンダー極小期は、産業革命で二酸化炭素(CO2)排出量が増える前のため、太陽活動の影響を調べやすい。研究チームは、国宝五重塔で知られる奈良・室生寺で1998年、台風7号で倒れた樹齢392年のスギなどの年輪を分析した。
年輪に含まれる炭素14の量から、太陽の磁場活動が低下した時期には、地球に飛来する宇宙線が強くなって空気のCO2に占める炭素14の量が増えたことが判明。一方、酸素16と酸素18の比率から、当時は雨が多かったことが分かった。【時事 11.09】
☆宇宙飛行士の山崎直子さん(39)が12月から、東京大の非常勤研究員として人工衛星やロケットの研究に携わることが8日、明らかになった。山崎さんは東大大学院の学生時代に宇宙ホテルやロボットの研究をしており、宇宙に行った経験を有人宇宙船などの開発に生かすという。
宇宙航空研究開発機構の休職制度を使い、超小型衛星の開発などで知られる中須賀真一教授の研究室に入る。ただ、飛行士の能力を保つための訓練や、広報の仕事などは続けるという。
山崎さんは今年4月、米スペースシャトルで初飛行。国際宇宙ステーションに物資を運ぶ責任者を務めた。日本人飛行士の拠点を国内に移す宇宙機構の方針により、10月に帰国していた。【朝日 11.08】
☆琵琶湖付近に向かって落下してきたとみられる大きな流星(火球)が、8月7日に近畿地方などで観測されたが、いん石が発見されず、滋賀県内の天文愛好家らが懸命に探している。「地上に落下して間もないいん石は、成分を分析すれば太陽系の成り立ちの解明につながると考えられる。少しでも早く見つけたい」と協力者や情報を募っている。
愛好家の教師井田三良さん(57)=東近江市=は、いん石が大津市北部に落ちたと推定し、10月に大津市のJR志賀駅付近で聞き取り調査を敢行した。
調査では有効な証言は得られなかったものの、井田さんは「いん石は、発火しながら落下するため、割れていなければ、表面が黒く焦げているのが特徴。早く見つかればいいのだが」と期待する。
火球が滋賀県上空を飛行したとみられるのは8月7日午後5時すぎ。防災科学技術研究所(茨城県)や京都大防災研究所などの地震計に、火球が大気中を落下する際に出る特有の衝撃波が記録され、東海、近畿地方で、目撃情報などが多数が寄せられた。
京都大防災研究所の山田真澄特別研究員の調査で、火球は伊勢湾から近江八幡市に向かって軌道を描いたことが判明。同市沖島近くの上空で、衝撃波を示す信号が途絶えていることから、途中で燃え尽きた可能性もある、という。【京都新聞 11.07】
☆アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のプロデューサー、西崎義展(本名・弘文)さん(75)(東京都港区)が7日午後0時35分頃、東京都小笠原村父島付近の海で船から転落し、死亡した。
小笠原海上保安署の発表によると、西崎さんは仲間とともに民間船で父島沖へ行き、遊泳のためウエットスーツ姿で船から海に入ろうとしていた。同保安署は誤って転落したとみて調べている。
西崎さんは、「宇宙戦艦ヤマト」の著作者が誰かを巡って漫画家の松本零士さんと訴訟になり、2003年に和解が成立した。【読売 11.07】
☆米航空宇宙局(NASA)は5日、同日に予定していたスペースシャトル「ディスカバリー」の打ち上げを30日以降に延期することを決めた。外部燃料タンクに異常が見つかったためで、大幅な遅延となった。
NASAによると、5日朝に外部燃料タンクに燃料を充てん中、ガスを外部に排出する配管とタンクの接続部から水素ガスが漏れているのが見つかった。さらに、AFP通信によると、打ち上げの数時間前にタンクの断熱材に長さ約18センチの亀裂が見つかったという。【時事 11.06】
☆NASAの探査機「エポキシ」(EPOXI)が日本時間4日午後11時過ぎ、彗星「ハートレー2」への最接近、一連の観測に成功した。
エポキシは元々「ディープ・インパクト」計画で使用された衛星で、2005年7月4日、「テンペル1」彗星に接近、搭載していたインパクターを激突させ観測を行った。その後探査機は休眠モードに入ったが、NASAは新たなミッション「EPOXI」を承認。これは更に「DIXI」および「EPOCh」の小ミッションにわかれており、「DIXI」は新たな彗星「ハートレー2」へ接近観測を行うもので、「EPOCh」は系外惑星系の観測を行うというものである。
下は、最接近18時間前に撮影されたハートレー2。通常よく見るような彗星コマにしか見えません。ちなみにこのような一連の画像は、最接近終了後にまとめてダウンリンクされました。
下は、日本時間22時59分、距離700キロから撮影された彗星核。サイズは2キロ×0.4キロ(“くびれ”の部分)。無数のジェットが吹き出しているのがわかります。
違う角度から。くびれの部分はサラサラっぽく見えますね。小惑星イトカワに似ているような…
その他の画像はこちらへ【EPOXI 10.04】
☆下は、NASAの地球観測衛星「アクア」が撮影した台風14号(「チャバ」)。撮影時刻は日本時間28日午後1時40分。沖縄本島の東を北東に進んでいた台風の、強い渦と巨大な目がはっきり写っています。
大きいサイズはこちらへ【photo: Earth Observatory】
…そういえばこの台風は、西側暴風圏が広かったですね。普通は東側のほうが広いのですが。
☆米航空宇宙局(NASA)は2日、スペースシャトル「ディスカバリー」の打ち上げを4日に延期すると発表した。
2日になってバックアップシステムの回路に不具合が見つかった。このため3日に予定していた打ち上げをさらに24時間先送りして、現地時間の4日午後3時半ごろに打ち上げる予定。
ディスカバリーは当初1日に打ち上げるはずだったが、軌道制御システムに空気漏れが見つかったため延期されていた。
スペースシャトルの打ち上げは今回で133回目。ディスカバリーにとっては最終飛行となる。宇宙飛行士6人が搭乗し、国際宇宙ステーション(ISS)に多目的補給モジュール「レオナルド」を取り付けるなど、11日間のミッションを実施する。
続いて2月26日には「エンデバー」が打ち上げられる予定。さらに、先月米議会を通過した予算で追加の打ち上げが承認され、それがスペースシャトル最後のミッションとなる。【CNN 11.03】
☆日米欧、ロシアなど15カ国が参加し、建設を進めている国際宇宙ステーション(ISS)での宇宙飛行士の長期滞在開始から2日で10周年を迎える。冷戦時代、西側諸国の結束を図る目的でスタートしたISS計画はその後、ロシアも参加。日本人飛行士も長期滞在を果たし、日本の実験棟「きぼう」を設置するなど、宇宙開発の国際協力の象徴となっている。
米航空宇宙局(NASA)は、「ISSは長期間の宇宙探査に必要な宇宙での人間の耐久性、機器の信頼性に関する実験データを提供している。今後10年間、ISSが果たす役割を楽しみにしている」としている。オバマ大統領は少なくとも2020年までの運用参加を決めている。
ISS建設は、レーガン大統領(当時)が旧ソ連の宇宙基地「ミール」の計画に対抗し、1984年に宇宙基地計画を提唱、西側先進国に参加を呼び掛けたのがきっかけ。88年に日米、欧州宇宙機関(ESA)、カナダが宇宙基地協力協定に署名。93年にはロシアもISS計画に参加し、98年から軌道上で建設が始まった。
2000年11月2日から米ロ3人の飛行士が常時滞在を開始。09年5月から6人体制になった。日本人では若田光一さんと、野口聡一さんがISSに長期滞在した。来年5月には古川聡さんが滞在に挑む。【時事 11.01】
☆下は、国際宇宙ステーション(ISS)で、10月28日に撮影された一枚。眼下にイタリア半島の夜景…素晴らしい光景ですね^^
このような光景が撮れるようになったということにも、改めて驚かされますね。その他の画像はこちらへ【photo: NASA】
☆地球サイズの惑星は従来の予想よりはるかに多く、銀河系(天の川銀河)の恒星が円盤状に集まっている部分では、恒星の約4分の1に地球程度の質量の惑星があるとみられることが分かった。東京工業大の井田茂教授ら日米研究チームが、米ハワイ島にあるケック望遠鏡で5年間観測した成果で、29日付の米科学誌サイエンスに発表した。
井田教授は「太陽系外の惑星は科学者の想像を超えたペースで数多く見つかっている」と話しており、生命が存在する惑星が見つかる可能性も高まったと考えられる。
研究チームは、地球から80光年以内と、近い距離にある太陽ぐらいの恒星166個を観測した。恒星から近い距離を、質量がある程度大きい(重い)惑星が公転していると、恒星が重力の影響を受けて揺らぐため、惑星の存在が推定できる。この方法により、22個の恒星では、地球より3倍以上重い惑星が計33個、1周50日以内の近い軌道で公転していることが分かった。
それより遠い軌道を公転していたり、小さかったりする惑星は、観測ではとらえられない。しかし、このデータに基づくと、恒星の23%に、地球の質量の半分から2倍の惑星が存在する計算になるという。
ケック望遠鏡は国立天文台のすばる望遠鏡の近くにあり、2019年には次世代の超大型望遠鏡「TMT」(直径30メートル)を国際協力で完成させる計画が検討されている。TMTなら、惑星の大気に生命の存在を示す酸素や有機物が含まれているかどうかが分かるという。【時事 10.29】
☆中国・有人宇宙飛行プロジェクトの報道担当者は27日、同国の宇宙ステーション計画が本格的にスタートしたことを明らかにした。同国は2020年ごろまでに長期滞在可能な宇宙拠点を設ける予定だ。
担当者によれば、宇宙ステーションの建設は2段階に分けて進める。16年までに宇宙実験室を打ち上げ、20年までに実験船などを打ち上げてステーションを組み立てる。
計画実現に向けて、まずは11年に試験機の「天宮1号」を打ち上げ、無人宇宙飛行船「神舟8号」とドッキング試験を行う計画だ。【新華社 10.27】
☆宇宙工学分野で実績を持つ九州工業大(福岡県戸畑区)は2011年度から、アフリカや南米などの発展途上国の留学生を受け入れ、衛星の作り方や試験方法を教えるプロジェクトを、国連宇宙部(オーストリア)と共同で始める。
発展途上国が自前の衛星を打ち上げ、宇宙空間の平和利用に参画する機会を増やす試み。世界ではトリノ工科大(イタリア)に次いで2例目という。
昨年6月、茨城県で開かれた国際会議で、出席した国連関係者から発展途上国へ基礎技術を広めるプログラムへの協力の呼びかけがあり、九州工業大が手を挙げた。米国や韓国、インド、マレーシアなどから多くの留学生を受け入れてきた実績も評価され、連携が決まった。
公募と予備選抜は国連が、最終選考は同大がそれぞれ行う。大学院博士課程で1年次に1人か2人受け入れ、3年間にわたって同大宇宙環境技術ラボラトリーで、衛星の設計や組み立て、打ち上げ前に必要な振動や熱変化の耐性試験方法などを教える。学費や生活費は同大が、日本への渡航費は国連が負担する。
ラボラトリー施設長の趙孟佑教授は「途上国が自前の衛星でデータや画像を得られるようになれば、国土保全や農業分野に役立ち、新たな産業や科学技術の発展につながる。優秀な学生と触れあうことで、日本の学生にも刺激になる」と期待している。【読売 10.28】
☆ブラックホールから光に近い速さで細いガスの流れ(ジェット)が噴き出すメカニズムを、京都大理学研究科の嶺重慎教授や元大学院生の竹内駿さん、国立天文台のグループが、スーパーコンピューターによるシミュレーションで解明した。ジェットの動力源に、磁場と光の力を組み合わせた「ハイブリッド・モデル」を用いることで、宇宙で最も激しいガス噴出現象の一つを説明できるという。日本天文学会欧文研究報告で25日発表する。
強力な重力であらゆる物質を飲み込むブラックホールでは、上下2方向にジェットを噴き出す現象が観測されている。直径1センチのホースから10キロ先に放水するような激しい噴出もあるが、なぜブラックホールの強力な重力に逆らって噴出されるのかをうまく説明できるモデルはなかった。
嶺重教授たちは、国立天文台のスーパーコンピューター(Cray XT4)を用いて、ブラックホールに吸い込まれようとするガスの円盤が渦巻き状の磁場を作ると同時に、光の圧力によって一部のガスがはね返され、ブラックホールから噴出されるシミュレーションに成功した。ジェットが磁場によって細く絞られ、円盤と垂直方向に噴出されることが説明できるという。
嶺重教授は「ブラックホールは、単に物質を吸い込むだけでなく、大量に噴き出すことで、宇宙の構造づくりの『陰の主役』だったかもしれない。シミュレーションを大規模化し、その謎に迫りたい」と話している。【京都新聞 10.25】
☆奈良市の東大寺・大仏殿内で明治時代に見つかった国宝・鎮壇具のうち2本の金銀荘大刀(きんぎんそうのたち)(ともに刃長約80センチ)が、約1250年前に正倉院から持ち出された宝物の大刀「陽寶劔(ようのほうけん)」「陰寶劔(いんのほうけん)」だとわかり、同寺と元興寺文化財研究所が25日、発表した。
鎮壇具は1907~08年、大仏の右ひざ付近の須弥壇(しゅみだん)から出土した。大刀6本や銀製小壺(つぼ)など計19件ある。奈良・同研究所保存科学センターで、金銀荘大刀2本をエックス線で撮影したところ、刀身の根もとに「陽劔(ようのけん)」「陰劔(いんのけん)」と象眼された銘が確認された。刀の長さや把(つか)にサメ皮を使った点なども、正倉院宝物の目録「国家珍宝帳」に記載され、後に持ち出された「除物(じょもつ)」の付せんがある陽寶劔、陰寶劔と一致した。
正倉院の「献物出用帳」には759年に持ち出された記録が残り、“幻の宝剣”となっていた。
国家珍宝帳は、聖武天皇(701~756年)の遺愛品を、妻の光明皇后(701~760年)が献納した正倉院宝物の目録。陽寶劔、陰寶劔は大刀100本の筆頭に記され、最重要の刀とされる。陰陽一対で万物の調和を願ったらしい。
今回の調査で、別の銀荘大刀には北斗七星を象眼した七星文が確認された。【読売 10.25】
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルの調査で、地球外物質の可能性がある微粒子が約860個に増えたと発表した。大半が電子顕微鏡でようやく判別できる微粒子で取り扱いが難しいため、成分などの分析法を検討している。調査は継続中で、数はさらに増えそうだ。
JAXAはテフロン製ヘラ(長さ6ミリ、幅3ミリ)で、小惑星「イトカワ」の物質を集める小部屋の内壁をこそぎ、電子顕微鏡でヘラに付着した物質を調べている。約3週間でヘラの半分を調べた結果、ケイ素やマグネシウムなどを含んだ直径0.01ミリ以下の微粒子が約800個見つかった。はやぶさ打ち上げの際に混入した桜島(鹿児島県)の噴煙か、イトカワ表面のちりかを見分けるには、詳細な分析が必要という。
他にもカプセル内の小部屋から約60個の微粒子が回収されている。【毎日 10.25】
☆宇宙航空研究開発機構は22日、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」に設置した全天X線監視装置(MAXI)が、2個目の新天体を発見したと発表した。
宇宙機構によると、新天体の発見は9月下旬に続くもので、「MAXI J1409―619」と命名された。ケンタウルス座で今月17日に観測され、地球から数万光年の距離にあるという。
寿命を迎えた恒星が超新星爆発してできる中性子星の可能性もあり、宇宙機構などは今後さらに詳しく調べる。【時事 10.22】
☆地球から約131億光年離れた銀河を発見したと、欧州の研究チームが発表した。
日本の「すばる望遠鏡」(米ハワイ島)が見つけた129億光年のかなたの銀河よりも遠くにあり、観測史上、最も遠い銀河になる。遠い銀河ほど誕生時期も古く、宇宙誕生から6億年以内にできたという。詳細は21日付の英科学誌ネイチャーに掲載された。
この銀河は2009年にハッブル宇宙望遠鏡による観測で見つかった。研究チームは、南米チリの超大型望遠鏡(VLT)を使って銀河から出る光を分析し、約131億光年離れたところから出た光であることを突き止めた。
この銀河が最古の銀河の一つである可能性を指摘していた愛媛大学の谷口義明教授は「銀河誕生の瞬間に手が届きつつあることを示した画期的な成果だ」と話している。【読売 10.21】
☆国際宇宙ステーション(ISS)で使われる日本製の実験装置について、米航空宇宙局(NASA)は、安全審査の権限を宇宙航空研究開発機構(JAXA)に全面委譲すると決定した。日本の有人宇宙技術の能力が対等と評価された結果で、JAXAが20日、文部科学省宇宙開発委員会に報告した。
ISSの実験装置は、発火や破片の飛散、有害ガス発生など、宇宙飛行士の生命にかかわる事故を防ぐため、NASAが蓄積した技術を基に厳しい審査方法を定めている。従来はJAXAが審査後、改めてNASAの審査を受ける必要があった。装置の設計から完成まで、4段階ある審査のたびに関係者が渡米する時間や経費が節約できる。【毎日 10.20】
☆ロシアが来年秋に打上を予定している火星探査機「フォボス・グルント」の帰還カプセルに、ロシアと米国のバクテリアを搭載するという。
フォボス・グルントは火星の衛星フォボスに着陸し、土壌サンプルを持ち帰るというミッション。その帰還カプセルにバクテリアケースも搭載しておき、火星と地球を1往復させるという。この研究には米露3つの研究グループが関わっており、「ある意味どちらのバクテリアが強いかといった耐久レースみたいなものですね」と、関係者は語っている。
詳しくはこちらへ【Roscosmos 10.20】
…バクテリアを搭載するという話は以前から出ていましたが、その計画が改めて強調されたような印象を受けますね。衛星はそもそも昨年打ち上げられる予定だったのですが間に合わず…組立は順調に進んでいるのでしょうか…
☆日本時間20日午前3時、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりソユーズ2-1Aロケットが打ち上げられました。このロケットには6機のグローバルスター衛星が搭載されており、それぞれ予定軌道へと投入されました。
バイコヌール宇宙基地・31番射点より打ち上げられました。現地時間は19日午後9時。爆音が遠方まで轟いたことでしょう!
詳しくはこちらやこちらへ【Roscosmos 10.19】
☆国連が宇宙人と最初に接触する担当者を任命――。英サンデー・タイムズ紙などがこのほど掲載したこんな記事が話題を呼んだが、任命されたという当の本人が否定。初の「宇宙人担当大使」の人事話は幻に終わった。
記事は国連が、ウィーンにある国連宇宙空間事務所(UNOOSA)の所長で、マレーシアの天体物理学者マズラン・オスマンさんを、火星人などが地球に最初に到達した際に人類を代表して接触する「宇宙人担当大使」に任命したと報じた。
さらに、オスマン所長が科学会議で「これまでより地球外生物(ET)の発見の可能性は高まっている。国連はどんな最初の接触にも、人類からの返答を用意する必要がある」と表明する予定だとも報じられた。
ところが、オスマン所長は14日、国連本部での記者会見で報道を否定。宇宙空間の平和利用を話し合う国連の委員会でワーキンググループを設置し、小惑星などの「地球近郊の物体」による地球への脅威にどう対応するかの勧告をまとめ、国連総会に提出すると説明した。
宇宙人の存在についてオスマン所長は、宇宙のどこかに生物がいる可能性は否定できないとしながらも、「ここで言う『生物』とは細菌の可能性だ。委員会で『生物』について話し合う時、緑色をした宇宙人について話すわけではない」と答えた。【朝日 10.18】
☆下は、バイコヌール宇宙基地で準備の進むソユーズ2ロケット。フェアリングが異様に大きく見えますが、これはソユーズ2-1Aというタイプで、総デジタル化が図られたソユーズ打ち上げロケットで、その結果の重量削減がペイロード増=フェアリングの巨大化に反映されています。
運ばれる途中。「危険!柵には高電圧」と立て看板が(ロシア語とカザフ語(?))
それまでのソユーズ2ロケットに比べ、径で40センチ、長さで4メートルも大きくなっていますから、巨大に見えるはずです。ロケットはモスクワ時間16日午前5時半に組み立て工房を出発、午前7時に射点に到着しました(下)。
まるで上半身がプロトン、下半身がソユーズの、ハイブリッドですね。ペイロードはグローバルスター衛星6機。打ち上げは日本時間20日が予定されています。
ちなみに射点はソユーズ2用に整備されたもの。ガガーリン発射台よりも近代的な匂いがしますね。詳しくはこちらへ【Roscosmos 10.16】
☆文化活動で業績を挙げた個人などを顕彰する第58回菊池寛賞(日本文学振興会主催)の受賞者が決まり、15日発表された。世界で初めて月より遠い天体である小惑星「イトカワ」に着陸、今年6月に無事帰還を果たした宇宙航空研究開発機構(JAXA)「はやぶさ」プロジェクトチームなど6件が選ばれた。
ほかに作家の筒井康隆氏、俳人の金子兜太(とうた)氏、染織史家の吉岡幸雄氏、「万葉みらい塾」を開催している奈良県立万葉文化館長の中西進氏の4人と、NHKスペシャル「無縁社会」が受賞。副賞は100万円。贈呈式は12月上旬、東京都内で行われる。【産経 10.15】
☆宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)は13日、肝付町の内之浦宇宙空間観測所から2003年に打ち上げられ、今年6月に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルを同観測所で12月4、5日に公開すると発表した。無料。九州では初公開。
展示されるのは、小惑星「イトカワ」の試料を収めるためのカプセルや搭載電子機器、大気圏突入時に高温から機体を守ったヒートシールドなど。同町によると、展示場所は、はやぶさを搭載したM5ロケットの射場にある建物内を予定。約2000台分の臨時駐車場を3カ所設置、シャトルバスで送迎する。午前9時半~午後4時(入場は3時まで)。
永野和行町長は「はやぶさを母港の内之浦に帰したいと願っていた。町をあげて『おかえり』と言ってあげたい」と話した。
期間中、はやぶさ打ち上げ時の観測所長で宇宙機構名誉教授の的川泰宣氏らの講演(4日)や、はやぶさ映画上映(4、5日)など関連イベントも開く。【南日本新聞 10.14】
☆宇宙航空研究開発機構の立川敬二理事長は14日午前、記者会見し、米国のスペースシャトルが近く退役するのを受け、日本人宇宙飛行士の活動拠点を現在の訓練地である米テキサス州ヒューストンから国内に移していく方針を明らかにした。
既に山崎直子さん(39)が帰国。ほかの飛行士も任務が終了し次第、順に、茨城県つくば市の宇宙機構筑波宇宙センターを拠点に活動することになるという。
立川理事長は「宇宙飛行士の知識や経験を日本の宇宙開発に活用しやすくなる上、海外勤務に必要な経費の節減にもつながる」と説明している。【共同 10.14】
☆下は、ハンガリー西部のアジュカで起こったアルミ精錬工場の廃液流出事故。右端に工場の敷地が見え、廃液貯蔵池の堤防が決壊、直下の集落「コロンタール」(Kolontar)を横切り、下流の町「デヴェチェル」(Devecser)に流れ込んでいます。
上の枠内の拡大が下画像
画像は今月9日、NASAの地球観測衛星「EO-1」で撮影されたものです。大きいサイズはこちらへ【photo: Earth Observatory】
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成22年9月11日20時17分(日本時間、以下同様)に種子島宇宙センターから打ち上げた準天頂衛星初号機「みちびき」からの測位信号送信開始に先立ち、市販GPS受信機の準天頂衛星システム対応支援の制度を開始します。
本支援制度は、カーナビや、携帯電話で採用されている一般のGPS受信機を準天頂衛星システムの測位信号を受信、処理できるように改修、新規開発する受信機/チップメーカーを技術的に支援する制度です。
詳しくはこちらへ【JAXA 10.12】
☆8日に打ち上げられたソユーズTMA-01M宇宙船が、10日午前9時(日本時間)、国際宇宙ステーションにドッキングしました。(下・40メートルの距離に迫る宇宙船。photo: NASA)
ところでモスクワのツープ(管制センター)には、米国や欧州、日本といったISS計画関連国のメディアはいたものの、お膝元のロシアの主要メディアはいなかったそうで。現地時間では早朝でしたが、露メディアの人たちは寝たかったからだとか…笑。「ロシアメディアはツングースカ級のイベントかエイリアン襲来でもないと、関心を示さないのだろう」と、その無関心っぷりが話のネタになっていたそうです。詳しくはこちらへ【Roscosmos 10.10】
☆日本時間8日午前8時10分55秒、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地よりソユーズTMA-01M宇宙船が打ち上げられました。TMA-Mシリーズはそれまでのソユーズの改良版で、ナビゲーションシステムのデジタル化やコンピュータの小型化が行われ、70キロ近い重量が削減されました。その結果、積載荷物の増量が実現しています。
クルーはアレキサンダー・カレリ、オレグ・スクリポチカおよびスコット・ケリーの3飛行士。彼らは国際宇宙ステーション(ISS)の第25/26次クルーとして滞在します。このうちカレリ飛行士は今回が5度目のフライトとなる大ベテランで、ケリー飛行士は2度目。スクリポチカ飛行士はルーキーです。
下は、離陸直後のソユーズロケット。轟音が聞こえてきそうですね!
何度見てもたまらない、大迫力!
投入軌道は傾斜角51.63度、近地点199.9キロ、遠地点258.8キロの地球周回軌道で、日曜日にISSにドッキングします。
詳しくはこちらやこちらへ【Energia 10.08】
☆政府は7日、北朝鮮の軍事施設などを監視する政府の情報収集衛星のうち、電源系トラブルで故障していたレーダー衛星「レーダー2号」の復旧を断念したと発表した。
すでに故障中の「レーダー1号」に続く復旧断念で、来年度の3号機打ち上げまで日本の監視体制に支障が出るのは必至だ。
内閣衛星情報センターによると、8月23日の故障判明以来、復旧作業を続けていたが、全く通信できなくなったため作業を終了。7日に総務省に「人工衛星局の免許廃止」を届け出た。衛星は数年後に大気圏に突入して燃え尽きるという。
レーダー2号は約300億円をかけて開発され、2007年2月に打ち上げられた。設計上の寿命は5年間で、12年まで使えるはずだった。【読売 10.07】
☆九州工業大学(北九州市)の学生たちが開発を進める小型人工衛星が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2011年度に打ち上げるH2Aロケットに相乗りし、世界で初めて宇宙空間で300ボルトの高電圧発電の実験に挑む。JAXAが6日発表した。
打ち上げられるのは「鳳龍(ほうりゅう)2号」。約30センチ四方の立方体で重さ約6.3キロ。H2Aの余剰スペースに乗って高度約700キロの宇宙に向かう。
同大によると、宇宙空間では最大160ボルトの発電しか実現しておらず、300ボルトの発電が成功すれば、宇宙基地の大型化や多機能化につながるという。衛星開発に携わる同大大学院生の利光智圭さん(22)は「プレッシャーも大きいが、大学の力を合わせて何としても成功させたい」と話している。
同大は06年度から人工衛星の開発に取り組む。1号機は今春にもインドのロケットで打ち上げられる予定だったが延期が続いており、当面は2号機の開発・運用に専念するという。【朝日 10.07】
☆今年12月13日に国際宇宙ステーションへ向けて打ち上げ予定のソユーズTMA-20宇宙船が、バイコヌール宇宙基地で搬送作業中に転落、深刻な損傷を受けたことが明らかになった。
ロシア・インタファックス通信によると、モスクワのエネルギア社からバイコヌール基地への搬送中、固定ワイヤーが切れて宇宙船が落下したという。ソユーズは横倒しの状態で専用貨車に乗せられて搬送される。
現在のところ、帰還カプセルの底部に亀裂が入っている可能性が高いとのこと。バイコヌール基地では修理ができないため、モスクワへ送り返す必要があるという。
なお、場合によってはソユーズTMA-21のカプセルと交換される可能性がある。この場合、しかし、最速で作業を行っても2週間を要するとのことで、打ち上げが12月下旬、もしくは1月にずれ込むことになりそうという。詳しくはこちらへ【Interfax 10.06】
☆下の画像は、NASAの赤外線広域サーベイ宇宙望遠鏡「WISE」が撮影したハートレー2彗星。この彗星には来月4日、探査機「エポキシ」が最接近観測を行うことになっている。
ハートレー2(103P/Hartley)彗星は1986年、マルコム・ハートレー氏によって発見された彗星。太陽を約6年半の周期で公転し、最近では来年10月28日には近日点を通過する。
ところで探査機エポキシは、2005年7月、「ディープインパクト」の名でテンペル1彗星に接近し衝突体をぶつけ、観測を行ったことで知られている衛星。ディープ・インパクトミッション終了後、2007年からはエポキシという名で運用が続けられてきた。エポキシは、ハートレー2彗星に接近観測するミッション。
詳しくはこちらへ【NASA 10.05】
☆6月に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の試料容器から、地球外物質の可能性がある微粒子数十個が見つかったことが、5日わかった。
宇宙航空研究開発機構が電子顕微鏡で調べたところ、大きさ0・001ミリ・メートル前後の粒子の中に、これまでに容器内から見つかっている地球のちりやアルミ粉などとは、成分の特徴が異なるものがあったという。
はやぶさは小惑星イトカワに着陸した際、試料採取装置がうまく作動しなかった。これまで0・01ミリ・メートル程度まで見える光学顕微鏡で分析してきたが、試料容器内に地球外物質とみられるものは発見できなかった。そこで、特殊なヘラを使って微粒子を集め、電子顕微鏡で粒子の形状と成分などを確かめる作業を続けていた。
宇宙機構では今後、大型放射光施設「スプリング8」で粒子の立体構造を調べ、含有する微量元素や酸素の種類なども詳しく分析する。10種類前後の検査を重ねて、イトカワの砂かどうかを突きとめる。【読売 10.06】
☆来年4月12日は、人類が初めて宇宙を飛んでちょうど50年。ロシアではこれを盛大にお祝いすべく、様々な催し物が企画されていますが、これは巨大スケール!下の写真は構想図ですが、モスクワのコスモスホテルの曲面壁をスクリーンとして、そこに150台のプロジェクターで関連映像を投影。さらにはホテルの前にそびえ立つ宇宙飛行記念塔をライトアップするというものです。
このライトアップは昨年、パリ・エッフェル塔120周年で行われた同様のイルミネーションがヒントになっているとのこと。ただしこれらのプロジェクトにはべらぼうな費用がかかることを認めており、すでに複数の団体がスポンサーについているようですが、まだまだとのことです。
50周年記念は、ロシア色を抑えた、国際的な催し物であることを感じさせるような内容にしたいとのことです。これはガガーリンの飛行が全人類的なものであることからですが、昨年末、プーチン首相もこの方針を支持しています。
詳しくはこちらへ【Roscosmos 10.05】
☆日本人初の宇宙飛行士で、日本科学未来館館長の毛利衛(もうりまもる)氏は2日、新華社の取材に対し、中国2機目の月探査衛星「嫦娥2号」の打ち上げ成功に祝賀の意を表し、「世界にとっても重要な意義がある」と述べた。
「宇宙技術は保育器、ペースメーカー、下着など日常生活にも取り入れられており、宇宙技術の発展は全人類が享受できる成果だ」と説明。月は大気層がなく、天文観測に適するため、将来的には天文スタッフが在住できる基地を月面に建設できることを望む」などと紹介し、各国が競争せずに、一緒に月に残された謎を解明すべく努力することが重要であるとの考えを示した。
また「月探査に採用する各国の技術の違いから、同じ地点で観測しても得られるデータが異なる。これらのデータの比較がより科学的な結果をもたらすことになるかもしれない」とも述べた。【新華社 10.04】
☆中国が1日に打ち上げた月探査衛星「嫦娥2号」の観測制御システムの設計を担当した董光亮氏は3日、設計の段階で測量船の数を調整したほか、新たな観測制御ステーションを建設することなどにより、同衛星の観測制御のカバー率を98%まで上げたことを明らかにした。
董氏によれば、「嫦娥2号」の観測制御システムは主に、センター3カ所と測量船3隻、国内のステーション6カ所、国外のステーション1カ所、さらに天文観測ステーション4カ所、国際ネットワーク観測ステーション1カ所で成り立っている。国内のステーションだけでは、カバー率は57%にとどまるため、南米とも協力した。【新華社 10.04】
☆米メディアによると、下院本会議は29日、来年退役予定のスペースシャトルの打ち上げを1回追加することを盛り込んだ、190億ドル(約1兆5800億円)の2011会計年度の航空宇宙局(NASA)予算権限法案を可決した。
11月の中間選挙を前に、雇用対策から追加飛行が支持された。同様の法案が上院で可決されており、大統領の署名で成立する。予算の支出を許可するNASA歳出法案の審議は中間選挙後になる。【時事 09.30】
☆バイコヌール宇宙基地では、10月8日に打ち上げ予定のソユーズTMA-M宇宙船の準備が進んでいます(下)。28日現在、燃料を搭載された同船は宇宙船整備工房へと運び込まれ、フェアリングが被せられました。
この宇宙船はこれまでのソユーズTMAと異なり、それまで使用されていたアルゴン16コンピュータを新型の「TsVM-101」へ、また、アナログテレメトリーシステムをデジタルへの置き換えが行われた新型の船です。特に70kg近い重量のあったアルゴン16が8kgちょいのコンピュータへ置き換わったことによる重量軽減は大きいですね。 このシステムは既にプログレスM-01Mで使用されています。
搭乗クルーはアレクサンドル・カレリ、スコット・ケリーおよびオレグ・スクリポチカの3飛行士。詳しくはこちらへ【Energia 09.28】
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、このたび財団法人日本産業デザイン振興会が主催する2010年度グッドデザイン賞(Gマーク)にて「グッドデザイン賞ベスト15」を「きぼう 日本実験棟」で受賞しました。
「グッドデザイン賞ベスト15」は平成22年11月10日(水)に選出される大賞の候補となります。
「きぼう」日本実験棟は、日本、米国、ロシア、欧州、カナダの世界15ヵ国が協力して地球周回軌道上に建設する国際宇宙ステーションの施設の一つとして1985年から計画がはじまりました。当時日本には人工衛星やロケットを開発する技術はありましたが、地上から隔絶された極限の宇宙環境において宇宙飛行士の生命を守り、安全で快適な実験・作業空間を提供することは日本初めての取り組みで、開発に関連した企業は650社におよびました。2009年に完成した「きぼう」は、地上からの管制により「きぼう」の安全を維持しながら、地上では実現できない環境を利用した様々な実験や観測に日々使用され、これまでに300名近くの研究者等に利用されています。今回、グッドデザイン賞では特に「耐久性、安全性、操作性、高気密性など極限まで追求し、宇宙デブリ(ゴミ)からもプロテクトする新工法が考えられており宇宙スケールのグッドデザインである」と高く評価されました。続き詳細はこちらへ【JAXA 09.29】
☆2010年9月28日、東方早報は記事「嫦娥2号の打ち上げは『カウントダウン』に=打ち上げ日時は29日に発表か」を掲載した。
間もなく打ち上げが予定されている中国の月探査衛星「嫦娥2号」。打ち上げロケットはすでに四川省・西昌衛星発射センターの発射台に設置され、準備はほぼ整ったという。10月1日の国慶節(建国記念日)の打ち上げが有力視されているが、月探査プロジェクトの孫輝(スン・フイ)副総設計師は、天気などの要素を加味した上で29日にも日時を発表するとコメントした。
中国は2007年10月に月探査衛星「嫦娥1号」を打ち上げた。月周回軌道からの探査、立体地図の作成が任務だった。中国の月探査プロジェクトは(1)周回軌道からの探査、(2)無人機器の月面着陸、(3)無人機器の月面着陸とサンプル回収及び地球への帰還という3段階の目標が設定されている。
今回の「嫦娥2号」は実質的には「嫦娥1号」のスペア機で、より月面に近い軌道からの探査を担う。運用期間は半年間を予定。第2段階の目標である月面着陸は「嫦娥3号」以降の課題となった。【Record China 09.28】
☆宇宙航空研究開発機構は27日、米国の全地球測位システム(GPS)の補完などを目的に、鹿児島県・種子島宇宙センターから11日に打ち上げた準天頂衛星1号機「みちびき」の目標軌道投入に成功したと発表した。今後、衛星のエンジン推力などの機能確認や信号送信試験を行い、12月から本格運用に入る。【時事 09.27】
☆ソユーズTMA-18宇宙船は、日本時間午後2時23分、カザフスタンのアルカリク近郊に着陸しました。この時国際宇宙ステーションは、日本沖・太平洋上を通過中でした。
詳しくはこちらへ【NASA 09.25】
☆延期となっていたソユーズTMA-18帰還は、目下、日本時間25日午前11時2分にISSを離脱、午後2時21分にカザフスタンのアルカリクに着陸する予定とのことです。詳しくはこちらへ【NASA】
☆下記の通り予定のソユーズ帰還は、ドッキングシステムのトラブルによりドック解除ができず、延期となったそうです。詳しくはこちらへ【NASA】
☆日本時間24日、国際宇宙ステーション(ISS)より、アレキサンダー・スボルツォフ、トレイシー・カルドウェル・ダイソンおよびミハイル・コルニエンコの3飛行士が、ソユーズTMA-18宇宙船で帰還します。
予定では、24日午前7時20分(日本時、以下同)にソユーズ宇宙船のハッチが閉じられ、約3時間後の午前10時35分にISSから離脱、更に3時間20分後の午後1時55分に地上へタッチダウンすることになっています。
なお、カザフスタンの着陸予定地点では、航空機3機とヘリコプター12機、および6台の陸上車で追跡が行われるとのことです。詳しくはこちらやこちらへ【NASA/Roscosmos 09.23】
☆地球から131億光年離れた銀河に、宇宙誕生初期に生まれた星が含まれている可能性が高いことを、愛媛大の谷口義明教授らの国際チームがハッブル宇宙望遠鏡の観測データなどから突き止めた。22日から金沢市で開かれる日本天文学会の初日に発表する。
谷口教授によると、宇宙誕生初期の星は、太陽や地球、金星など一般的な星と性質が違う。初の研究成果で、銀河誕生の仕組みを解明する手がかりになる。
宇宙は約137億年前に誕生。その1億~数億年後の宇宙初期にできた星の一群は、一般的な星と違って水素とヘリウムだけからなり、炭素などの重元素を含まず「初代星」と呼ばれる。
昨年、海外の別の研究者がハッブル宇宙望遠鏡に新しく設置された赤外線カメラを利用し、ろ(炉)座の方角で131億光年離れた銀河の観測に成功。国際チームが見つかった銀河の明るさなどを調べた結果、重元素が含まれず、初代星が存在するとみられるという。
谷口教授は「ハッブル宇宙望遠鏡の赤外線カメラは、月面でマッチを擦った炎の明るさも検出できる」と説明。131億光年離れた銀河は、宇宙膨張の影響で光の波長がずれ、これまで可視光では観測できなかった。【時事 09.22】
…初代星はこれまで仮説の域でしたが、限りなくそれに近そうな対象が見つかったようで。今後の更なる分析が待たれますね!
☆あらゆる物質をのみ込むブラックホールの中で、吸い込むスピードが極端に遅いタイプが存在することを、理化学研究所などの研究グループが初めて確認した。ブラックホールは周囲の天体のガスを吸収する際に光るが、数日~10日間で吸収と光がピークに達する通常のブラックホールを「肉食系」とすれば、こちらは3カ月かけてゆっくり吸収する、食の細い「草食系」だ。金沢市で22日始まった日本天文学会で同日午後、発表する。
ブラックホールは太陽の3倍以上の質量を持つ恒星が爆発後、重力崩壊を起こし、中心部に収縮したもの。強力な重力で光までのみ込む。単体での観測は困難だが、複数の恒星からなる「連星系」の中で生まれた場合、周囲の天体のガスを吸い込む際に生じる爆発現象「アウトバースト」の光が観測できる。
研究グループは昨年10月、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」に設置したX線監視装置を使い、いて(射手)座にアウトバーストを確認。継続観測し、ブラックホールの存在が分かった。ゆっくり明るさが増し、変化のない時期を2回経て、最高光度に到達したのは今年1月だった。
光度が段階的に変化する原因などは不明。ガスを吸収し光が増すペースが従来のものより遅く、同研究所の三原建弘先任研究員は「従来の理論で説明できない新種。こんなマイペースなブラックホールは初めて」と話している。【毎日 09.22】
…"少食系"と言った方が合っているのでは…阿蘇の牛は午前中はずっと草食べてますし食が細いとは言えないぞと。笑
☆下は、土星周回探査機「カッシーニ」が撮影した衛星「レア」(手前)と「タイタン」(奥)。見かけ上重なって見えているもので、探査機からレアまでは110万km、タイタンまでは倍の230万kmの距離がある。
両者はおよそ60個ある土星の衛星の中でも最も大きなもので、タイタンの直径は5150kmで最大、レアのそれは1528kmである。この画像は昨年11月19日にナローアングルカメラで撮影されたもの。
大きいサイズはこちらへ【photo: Ciclops】
☆韓国初の宇宙ロケット「羅老(ナロ)号」の2回目の打ち上げが失敗した原因を調査していた韓国航空宇宙研究所が、1段ロケットと2段ロケットの分離ボルトの欠陥が爆発の原因である可能性を指摘した。韓国メディアは「ロシアの分離ボルトが問題」と続々と報じ、注目が集まっている。
欠陥の可能性が指摘された分離ボルトには爆発物が入っており、1段ロケットと2段ロケットを分離させる役割を果たす。韓国側は、そのうちの一つのボルトが製造過程に生じた欠陥で誤爆を起こし、「羅老号」に穴があいたとの見方を示した。
航空宇宙研究所の見解は、8月に行われた韓国とロシアによる共同調査委員会でロシア側に伝えられた。ただ、ロシア側は「韓国が製造したフライト・ターミネーション・システム(FTS)の誤作動が失敗の原因」と反論。FTSは韓国側が製造した2段目に搭載、ロケットが予定の軌道から外れた場合に自爆させるための装置だ。
ロシア側のFTSの誤作動という見解について、韓国の航空宇宙研究所は、136秒後に問題が発生してから1秒後に爆発したことを理由に、FTSが誤作動を起こした可能性は非常に低いと主張。爆発の原因をめぐり依然として両国の対立が続いている。
複数のメディアによって「羅老号の失敗はロシア側の分離ボルトのせい」という趣旨の報道が相次ぐと、韓国の教育科学技術部と航空宇宙研究院は「可能な原因の一つであり、爆発の原因は究明中だ」と関連報道を否定した。
一方、ロシア側の失敗が原因だとの報道を受け、韓国の宇宙航空株が上昇したという。爆発の原因がロシア側の責任となれば、ロシア側は契約により一段ロケットを提供することになっており、その点が株価にも影響をしたとみられる。
メディアによれば、韓国とロシアは早ければ10月中に共同実験を予定しており、爆発の原因究明のための検証を行う。関連報道のとおり、分離ボルトの欠陥が問題となれば、2011年に3回目の打ち上げが行われるという。【サーチナ 09.21】
☆地球と木星が20日、3億6800万マイル(約5億9200キロ)まで“大接近”する。AP通信が伝えた。地球と木星は約12年周期で接近するが、ここまで近づくのは1963年以来という。
木星は現在、夕暮れ時には東の空の低い位置に見え、午前零時ごろには頭上にある。明るさは地球上から見える最も明るい恒星、おおいぬ座のシリウスの3倍という。また、この日は見かけ上、木星と天王星が最接近し、50倍程度の望遠鏡でも木星とガリレオ衛星、天王星が一緒に観察できる。【産経 09.20】
☆世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)は16日、皮膚がんの原因となるなど人体に有害な紫外線を防ぐオゾン層に関する調査報告を発表、オゾン層を破壊するフロンガスなどを全廃した取り組みが奏功し、破壊に歯止めが掛かったと分析した。
ただ、1980年代以前の水準に回復するのは2050年以降になると予測している。
主に冷蔵庫やクーラーの冷媒に用いられていたフロンガスなどは、オゾン層を破壊する性質があるとされ、現在は代替冷媒が使われている。報告は、こうした破壊物質の全廃によりオゾン層が長期的には回復するものの、オゾンホールが頻発する南極大陸上空など両極圏での回復には、さらに時間がかかるとみている。【時事 09.17】
☆下の画像は、NASAの水星探査機「メッセンジャー」が今年5月6日に撮影した地球と月。このとき探査機は地球から1億8300万kmの距離にあった。
ちなみにこの画像は、ブルカノイドを探すのに好都合な一枚。ブルカノイドとは、水星より内側に存在する可能性が長年言われ続けてきた小惑星のこと。太陽に近いため地球からの観測では現在までにそのような小惑星は見つかっていないが、メッセンジャーは観測に有利。ただし有利とは言っても、撮像センサーが太陽を直視しないようにするため、観測するタイミングはやはり限られている。
詳しくはこちらへ【Earth Observatory 09.09】
☆画像は、NASAの冥王星探査機「ニューホライズン」が撮影した海王星。同惑星の衛星「トリトン」が写っている。
ジョンズホプキンス応用物理研究所のニューホライズン管制チームは、5月25日から7月30日まで、年一度のシステムフルチェックアウトを行った。上の画像はこの間の6月23日に取得された。この時、探査機-海王星-太陽の角度が34度、海王星-探査機-太陽の角度が95度であったが、このような大きな位相角で海王星を観測するのは地球では無理。この位置関係(下)は海王星やトリトンの大気で散乱された太陽光を調べるには都合がよく、この分析は大気の属性を調べる上で重要なデータとなる。
画像は同探査機に搭載の長距離望遠カメラ「LORRI」によって撮影された。「海王星のすぐ傍にトリトンが写っていますが、カメラが設計通りに作動していることの証しですね。」と語るのは、ニュー・ホライズン計画研究員のハル・ウィーバー氏。同探査機が海王星とトリトンを撮影するのは、2008年に続いて2度目。
ニューホライズンの本来の目的は2015年の冥王星探査であるが、このような外惑星観測へも貢献しているのである。詳しくはこちらへ【New Horizons 09.03】
☆文部科学省は、国産の「H2Aロケット」の打ち上げ能力を大幅に向上させる方針を固めた。異なる高度に衛星2基の同時打ち上げを可能とするなど高機能・低価格化で欧露の「世界標準」ロケットと互角の受注合戦に挑む。
01年の1号機以来、初の大幅改良で、宇宙航空研究開発機構と三菱重工業は近くプロジェクトチームを発足、13年度の打ち上げを目指す。大きさは今と同じで、H2Aの名前は継続する。総事業費は161億円。文科省は来年度予算で機体開発費など約22億円を概算要求する。
計画では、2段ロケットエンジンの燃焼と停止を繰り返す「再々着火」を実現。需要の多い観測衛星を太陽同期軌道(高度500~1000キロ)の異なる高度に1基ずつ、エンジンを再燃焼しながら2基投入し、1基当たりの打ち上げ費を3~4割減らす。また、放送通信衛星などは静止軌道(同3.6万キロ)により近い軌道に投入。衛星の軌道変更用の燃料が少なくでき、衛星の寿命を3~5年延ばせる。
H2Aは11日、米国のGPS(全地球測位システム)を補完する準天頂衛星「みちびき」を打ち上げ、成功率は94.4%と世界水準に達した。打ち上げ時期の制限も漁業交渉の結果、来年度から撤廃される。文科省は、これらに大幅改良が加わることで、価格面で商業衛星受注をほぼ独占する欧露に互角となるともくろんでいる。
一方で、1号機から10年経過し、開発当初の電子部品や材料の多くが製造中止で枯渇し、打ち上げ設備の老朽化も深刻になっている。これらの改善にも着手する。
文科省は「海外のロケットも5~10年ごとに大幅改良している。部品メーカーの撤退や技術の断絶を食い止めたい」と説明する。【毎日 09.17】
☆米航空機大手のボーイングが宇宙旅行を手掛ける米スペースアドベンチャーズと組んで、宇宙船の座席販売に乗り出す。個人や企業、非政府組織(NGO)、米政府機関向けに、ボーイングの商用宇宙船の座席を販売することで同社と基本合意したと発表した。
旅行代金はまだ定まっていないが、計画が固まった時点で発表するとしている。
ボーイングによれば、スペースアドベンチャーズは既に、国際宇宙ステーション(ISS)と契約してこれまでに7人を送り込んだ実績があるという。
今後、米航空宇宙局(NASA)および目的地となるISSとも契約を結ぶ必要がある。今回の計画は、地球低軌道での宇宙ビジネスを推進したいNASAの意向に沿うものだとボーイングは説明している。
ボーイングは7人乗りの宇宙船「CST-100」の開発を進めており、2015年までに運航を開始できる見通しだという。
スペースアドベンチャーは、無重力体験飛行や宇宙の入り口への飛行を提供しており、顧客の飛行時間は2000時間以上、飛行距離は約5600万キロに上るという。【CNN 09.17】
☆ロシアが2011年11月に打ち上げを予定している火星探査機「フォボス・グルント」について、現在の状況を示す発言が関係者からでた。
フォボス・グルントは火星の衛星「フォボス」に着陸し、土壌をサンプリングした後、地球へ向けて持ち帰るというサンプルリターン計画。もともと昨年秋に打ち上げられる予定であったが、ハードウェアの開発が間に合わず、来年のロンチウィンドウを目指して継続されている。
ロシアのRIAノーボスチ通信の報道によると、開発チームが近々予定しているテストについて、「そのテストの目的は地球上の着陸予定地点を絞り込むためのものである」とロシア中央航空力学研究所が表明したという。帰還カプセルにはビーコン類が搭載されていないが、着陸地点を絞り込めば回収は難しくないとのこと。
詳しくはこちらへ【SpaceDaily 09.11】
…ビーコン無しですか…大丈夫ですかね?積み込む余裕がなかったのか、最初から積む予定はなかったのか…重量問題が厳しそうな話も以前流れていたような記憶がありますが、関連しているのかなぁ…?(汗
☆若田光一宇宙飛行士が国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」で保管したカボチャの種が、糸島市二丈深江の西日本短大二丈キャンパスで栽培され、収穫期を迎えている。
カボチャは北米原産で、ハロウィーンなどの装飾に使われる品種。同キャンパスでは4月にまいた10粒のうち7粒が成長し、淡緑、黄色と緑、白と緑に縦じまなどに色付いている。手のひらに乗る大きさ。
担当した西田益温(ますお)教授(造園学原論)は「種が病気に強くなるよう無農薬で栽培した。取れた種は来年、子供たちが育てることになっており、種から宇宙と地球を感じてもらえれば」と話している。
若田さんは08年11月から8カ月半、宇宙に滞在し200粒の種を保管した。持ち帰った種は今年、全国17カ所で栽培され、収穫した種は来年、各地の子供たちが栽培するという。【毎日 09.12】
☆国産大型ロケット「H2A」18号機による準天頂衛星初号機「みちびき」の打ち上げが成功した11日夜、鹿児島県の宇宙航空研究開発機構(JAXA)種子島宇宙センターは関係者の喜びに包まれた。
今回はH2Aにとって初めての夜間打ち上げ。同センター周辺を明るく染め、轟音(ごうおん)を上げながら上昇し続けた機体は、光の点となってからも約230キロ上空まで肉眼ではっきりと確認できた。
日本初の測位衛星としてGPS(衛星利用測位システム)の補完・補強技術を実証するみちびきは、将来の日本版GPSにつながる可能性を秘める。
安全保障などの観点から米国依存への現状に懸念がある一方、構築には最低でも今後2千億円程度の費用が必要とみられる。政府はみちびきの運用成果をふまえ、来年中にも2号機以降の是非を判断する方針だ。
打ち上げ視察後、同センターで会見した川端達夫文部科学相は今後の計画について「巨額の投資に対する理解を得るためには、世の中の役に立つことを示さなければならない」と慎重な姿勢を示した。
一方、基幹ロケットのH2Aは12回連続で成功し、信頼性の高さを改めて示した。主な機体の製造と打ち上げ業務を担当した三菱重工業の川井昭陽・航空宇宙事業本部長は「時間通りで軌道も非常に正確。最近の打ち上げはものすごく安定してきた」と明るい表情を見せた。【産経 09.12】
☆NASAのルナー・リコナイサンス・オービタ・カメラ(LROC)がとらえた、月面で初めて確認された天然橋(9月7日公開)。橋の下を通過した光が、画像の左側のくぼみの底に三日月の形を作っているのがわかる。
天然橋は地上では風や水が岩を浸食して形成されるが、月面のこのような地形は多くの場合、はるか昔の火山活動が活発だった頃にできた溶岩洞が2箇所で崩落して形成されると考えられる。
続きはこちらへ【ナショナルジオグラフィック 09.10】
…LROCによるリリースはこちらへ
☆太陽に飛び込んで、決死の観測を行う探査機が打ち上げられることになった。太陽にこれほど接近する探査機は例がなく、ギリギリまで観測したデータを地球に送り届けながら、最終的には高熱で蒸発するとみられる。2018年までに打ち上げる米航空宇宙局(NASA)が2日、発表した。
この探査機は「ソーラー・プローブ・プラス」と呼ばれ、太陽表面から約640万キロ(太陽直径の約4.6倍)の上層大気に入る予定。1400度を超える高温と激しい放射線に耐えるため、炭素素材の耐熱材を装備する。
太陽風の成分を分析する装置やコロナを観測するカメラなどを備え、太陽の上層大気が太陽本体より高温である理由などの解明が進むと期待されている。【朝日 09.05】
…具体的な搭載科学機器も選定されたようで、いよいよミッション本格始動ですね!
☆行政刷新会議の事業仕分けで「廃止」と判定された宇宙航空研究開発機構(JAXA)の広報施設「JAXAi」(東京都千代田区)について、文部科学省が来年度予算の概算要求を見送ったことが3日分かった。これにより廃止が確定した。今年度末までに原状回復の上引き払う必要があり、年末に営業停止の予定という。
文科省は、廃止後の代替施設は設けず、各地の博物館・科学館との共同事業や巡回展示を進める計画。
JAXAiは04年9月、JR東京駅前の商業ビル内に開館した。国産ロケット「H2A」のエンジンの実物や宇宙服の複製などを展示し、小惑星探査機「はやぶさ」の旅を描いた番組を上映するなど、日本の宇宙開発の最新事情を紹介している。今年度予算は9400万円。今年春の仕分けで「廃止」と判定された後に来場者数が増加したが、7月に視察した中川正春副文科相が「コストに見合っているのか」と存続に否定的な考えを示していた。文科省によると、仕分け結果に428件の意見が寄せられ、大部分が廃止に反対の意見だったという。【毎日 09.04】
☆米スペースシャトルで宇宙へ行き帰還後に所在不明となっている日本の植物の種について、米航空宇宙局(NASA)が捜索を打ち切った。紛失の原因は不明のまま。依頼した科学教育ベンチャー企業「リバネス」(東京都)が2日、明らかにした。不明の種は9種類(計120グラム)で、リバネスが有料で依頼し、全国の学校と共同で授業などに使う計画だった。09年8月に国際宇宙ステーションに送られ、山崎直子宇宙飛行士(39)と一緒に今年4月に帰還予定だった。【毎日 09.03】
…一体どこへ…??
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「はやぶさ」の成果を広く国民と共有し、宇宙への理解増進と宇宙活動の普及啓発に資することを目的に、「はやぶさ」カプセル等の展示団体を別添の募集要項に基づき公募し、展示を実施することといたしましたのでお知らせいたします。
公募の詳細については、別紙の募集要項をご覧ください。こちらへ【JAXA 09.01】
…うちの地元の博物館でも呼んでくれないかなぁ…(笑
☆【お知らせ】 宇宙の傑作機14「ルノホート」の誤植等を掲載いたしました。こちらのページへお進み下さい。【管理人】
☆8月28日、ロシアのプーチン首相は、同国が極東に建設予定しているボストチヌイ宇宙基地の予定地に入りました。
同首相はロシア宇宙庁アナトリー・ペルミノフ長官より説明を受け、2つの射点と関連施設が建設されると伝えられました。また、最新技術を備え、基地面積はバイコヌールの10分の1、プレセツクの3分の1になるそうです。
写真は、花こう岩で作られた記念碑に手をあてるプーチン首相、対面するのはペルミノフ長官。同碑の除幕式も行われました。
下は、碑に貼られた銘。「ボストチヌイ宇宙基地の基礎一番石とす 2010年8月」
詳しくはこちらへ【Roscosmos 08.28】
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、最大高度300km程度に到達する約10分間に渡るロケットの弾道飛行を利用して、電離層中におけるエレクトロダイナミックテザー(EDT)の基礎実験と微小重力環境下におけるテザーを用いたロボットの姿勢制御を目的とした観測ロケットS-520-25号機を平成22年8月31日05時00分(日本標準時間)に、内之浦宇宙空間観測所から上下角82.5度で打ち上げました。
ロケットは正常に飛翔し、発射後55秒に開頭し、58秒にプラズマ計測プローブ(FLP,SPP)を展開して観測を開始しました。導電テザーは予定通り120秒に伸展を開始し、この様子はKuテレメータを介して地上に伝送されました。テザーロボット(TSR)は297秒に子機(DAU)から分離し、310秒までTSRのアーム操作による姿勢制御を実施しました。プラズマ収集実験に関しては、高電圧制御が正常に行われなかったものの、導電テザーおよび導電ブームが正常に伸展した事、ホローカソード(HC)の高速点火機能が実証できたことにより、より効率的なプラズマ収集装置が開発できる見通しを得る事ができました。
ロケットは発射後283秒で最高高度309kmに達し、全ての観測を終え、内之浦
南東海上に落下しました。写真を含むプレスリリース全文はこちらへ【JAXA 09.31】
☆【お知らせ】「ルノホート」の通販が始まりました。くだん書房さんにて取り次ぎが行われております。くだんさんのサイトURLは、
http://www.kudan.jp/index.html
こちらの「通信販売のご案内」を参照の上、お問い合わせ下さい。取り扱いが少数部数ですので数が限られます、ご注意下さい。(過去の傑作機シリーズも同書房で取り扱われますが、売切状態が多いようです。)【管理人】
☆宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、国際宇宙ステーション(ISS)へ補給物資を運ぶ宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)2号機を平成22年度の冬期に種子島から打ち上げる予定です。来年度以降も年1機程度のペースで打ち上げることを予定しており、より皆様に親しみを持っていただけるよう、愛称を募集いたしますのでお知らせいたします。
詳細の続きはこちらへ【JAXA 08.27】
☆政府の宇宙開発戦略本部(本部長・菅直人首相)は27日、国際宇宙ステーション(ISS)に16年以降も参加するとの政府方針を決めた。近く関係諸国に伝える。14年度の打ち上げを目指す小惑星探査機「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」や月探査の推進も決定。事業仕分けなどで削減対象となった多くの事業の存続が決まり、自民党政権の昨年6月に作られた宇宙基本計画をほぼ踏襲した。
ISSは、未定だった16年以降の使用を、少なくとも20年まで延長するよう米政府が提案していたもので、昨秋の事業仕分けでは「ISS参加で1日1.1億円もの税金が使われる」と、継続に批判的な意見が出ていた。
また、同本部は、米の全地球測位システム(GPS)を補完する「準天頂衛星」に関する8府省庁の政務官級チームを同日付で発足させた。同衛星は最低3機必要で、最初の「みちびき」は9月に打ち上げ予定だが、官民共同開発の頓挫で2機目以降が宙に浮いている。チームはこれについて、来年度の可能な限り早い時期に結論を出すとした。
同本部の決定を受け、文部科学省ははやぶさ2の開発費約30億円を来年度予算の概算要求に盛り込む。また内閣官房は、宇宙政策の最高決定機関としての同本部の機能強化のため、来年度予算を今年度の約4倍に当たる3億8000万円に増額して要求する。【毎日 08.27】
☆米航空宇宙局(NASA)は26日、ケプラー宇宙望遠鏡が太陽系外で、同じ恒星を公転する2個の惑星を発見したと発表した。大きさはいずれもほぼ土星と同じで、巨大な惑星。さらに地球ほどの大きさの三つ目の惑星が存在する可能性もあるという。
2個の惑星の公転周期は約19日と約38日で、「ケプラー9b」と「ケプラー9c」と名付けられた。NASAによると、地球から約2200光年離れた場所にある。恒星との距離が近く、高温で生物が住める環境ではないとみられる。【時事 08.27】
☆下は、NASAの地球観測衛星「EO-1」が撮影した、桜島。今月19日の様子で、噴煙は高度2700メートルまで達し、風に乗って薩摩半島へと流れています(画像・上が西)。
大きいサイズはこちらへ【Earth Observatory 08.20】
☆最新の研究で、隕石の内部から見つかった豆粒ほどの鉱物が、太陽系最古の物質であると判明した。45億6820万年前の鉱物で、太陽系の誕生時期が従来の説から200万年早まることになる。また、恒星の爆発が、形成中の太陽系に主要鉱物を注入した可能性も示唆されている。
この鉱物を抱えていたのは「NWA 2364」と名付けられた重さ1.5キロの隕石で、2004年にモロッコで発見された。出身は火星と木星の間にある小惑星帯と考えられていた。
しかし分析の結果、内部に「カルシウム・アルミニウム包有物」と呼ばれる鉱物の塊が存在し、小惑星帯が存在する以前の時代にまで遡ると判明した。太陽の形成に関してはいくつかの説があるが、星間ガスとちりの雲の集まり「星間雲」のコアが重力崩壊して形成されたとの考えが一般的だ。今回発見された隕石内の含有物は、太陽がこのようにして生まれた直後に形成された可能性がある。
研究チームのリーダーでアメリカにあるアリゾナ州立大学隕石研究センター(Center for Meteorite Studies)の研究員オードリー・ブービエ氏は、「原始太陽の成長が一段落した後から、温度低下で物質の凝縮が始まり、この含有物の形成も始まった」と話す。
ブービエ氏の研究チームは、含有物内に存在する鉛の同位体比を計測した。同位体とは、通常とは質量が異なる元素のことである。後の影響を排した状態で分析すれば、含有物の絶対的な生成時期が判明する。「これまで最も古いと考えられてきた物質よりも30万~190万年前だとわかった。記録破りの結果だ」。
200万年は宇宙レベルの時の流れからすればほんの一瞬にすぎないが、太陽系の誕生理論にとっては重要な問題となる。続きはこちらへ【ナショナルジオグラフィク 08.24】
☆南米チリの保健省は23日、落盤事故で33人が地下700メートルの避難所に閉じ込められている鉱山事故について米航空宇宙局(NASA)に協力を要請する、と明らかにした。長期間、狭い場所に閉じこめられている人々の救出に、宇宙の最先端技術が有効だとしている。
地元メディアによると、保健省は地下に閉じこめられ、わずかな食べ物で過ごさなければならない作業員たちの状況は、数カ月を宇宙ステーションで過ごす宇宙飛行士の状態に似ている、と説明している。NASAの専門家に落盤現場まで来てもらい、作業員への特別な栄養プログラムや心理的なサポートについての支援も求める。
落盤事故は5日、北部コピアポ近郊のサンホセ鉱山で発生。18日間たった現在も、33人全員が無事であることが分かったが、地盤が緩いため、救出までに4カ月はかかるという。
作業員の健康状態は良好だといい、23日には穴を通して、食料や水などを届けた。設置された通話回線で「おなかがすいた」「目にホコリが入るので目薬を」「歯を磨きたいので歯ブラシを」などと伝えてきているという。【朝日 08.24】
☆中国科学院の院士(アカデミー会員)で中国月探査計画の首席科学者、欧陽自遠氏はこのほど、中国科学技術館で講演を行った。欧陽氏によると、月探査衛星「嫦娥3号」は西昌衛星発射センターから打ち上げられ、ランダー(着陸機)には7種類の観測機器が搭載される。その中には天体望遠鏡も含まれており、月から天体観測を行うのは世界でも初のこととなる。人民日報海外版が23日に伝えた。
同望遠鏡の開発を担当する魏建彦研究員によると、この望遠鏡は「紫外望遠鏡」と名づけられており、将来の月面天文台建設に向け、試験的な意味合いを持つものだという。
魏研究員は「20世紀に米国が月探査を行った際、カメラほどの大きさの望遠鏡を月面に持ち込んだことがあるが、その望遠鏡はとても小さく、技術的にも現在ほど進んだものではなかった。その後、40-50年間にわたって、天体望遠鏡を月に持ち込んだことはない。したがって、中国の嫦娥3号が搭載する『紫外望遠鏡』が、月面から天体観測を行えば、『世界初』と言うことができるだろう」と述べる。
魏研究員は「月面で天体観測を行う意義は大きい」と述べる。月からの天体観測では主に、恒星や惑星などの天体運行の変化を観測する。長期間の観測記録により、変化の規則を割り出せば、地球の保護および宇宙の探索に役立つ。また、月面からの天体観測は、地球や宇宙軌道上で行うよりもメリットがあるという。
魏研究員は「技術的には、中国は遅くとも2020年には月面に天文台を建設できる」としている。【朝日 08.24】
☆宇宙航空研究開発機構は23日、小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った微粒子が、小惑星イトカワのものかどうか判断する分析が、予定より3カ月遅れそうだと発表した。当初は、9月からX線などを使った分析を始め、年内には起源を確認したいとしていた。しかし、粒子が想定より小さく、準備に手間取っているという。
宇宙機構は、採取容器の片方のスペースを開け、顕微鏡で観察しながら極細の針で粒子を取り出した。もう一方のスペースには、より大きな粒子がある可能性があるが、構造が複雑な接続部分に粒子が残っていないか確認するため、針などを新たに作る必要があるという。【朝日 08.23】
☆木星で21日未明、小天体の衝突が原因とみられる発光が起き、熊本市花立2丁目のアマチュア天文家立川正之さん(52)がビデオ撮影に成功した。連絡を受けた国立天文台の渡部潤一教授は「発光現象がとらえられるのは極めて珍しい」として、国際天文学連合(IAU)に報告した。
立川さんによると、21日午前3時22分ごろ、自宅の望遠鏡で木星を撮影中に、赤道近くで2秒ほど小さな光が輝いたのに気付いた。「ノイズかと思ったら、確かに写っており、本当に驚いた」と話している。
渡部教授は、発光現象が観測された付近に痕跡などが見つからないことから「衝突したのは大きさが1キロ未満の小天体だろう」としている。
木星への小天体衝突は、1994年のシューメーカー・レビー第9彗星が有名。今年6月、フィリピンとオーストラリアで発光が撮影されている。【産経 08.22】
☆月がわずかながら縮んでいることを示す痕跡を、米スミソニアン航空宇宙博物館(ワシントン)の天文学者らが発見し、米科学誌サイエンスで発表した。
研究チームは、米航空宇宙局(NASA)の月観測衛星「ルナー・リコネサンス・オービター」が撮影した高解像度の写真を分析、14の断崖(だんがい)が月の表面に散在しているのを確認した。月の地殻が冷えて月面が収縮した結果、断崖ができたらしい。月の半径(赤道方向)の1738キロに対し、約100メートル縮んだと推定される。
断崖は1970年代のアポロ計画の探査で最初に見つかった。今回、月全体に分布していることがわかり、月が収縮している有力な証拠となった。
月は約45億年前に誕生した。同博物館のトーマス・ワターズ博士は「今から10億年以内にできた断崖で、地質学的には比較的新しい。月は現在も縮んでいるかもしれない」としている。【読売 08.21】
☆指宿市のフラワーパークかごしまで栽培中の「NAOKO☆宇宙アサガオ」が開花した。スペースシャトルで宇宙を旅した種子から育てたアサガオは直径約7センチの淡い青色の花を咲かせ、訪れる人の目を楽しませている。
宇宙アサガオの種子は、今年4月に打ち上げられた米シャトルで、宇宙飛行士の山崎直子さんとともに地球を238周した。全部で200粒あり、うち4粒が日本宇宙少年団鹿児島地方本部に配られ7月、徳光小学校の児童が同園で一粒一粒、鉢に種まきした。
花は12日から徐々に咲き始め、現在2鉢をエントランスホール付近の園路に展示中。開花していない残る2鉢も花が開き次第、交代で展示する予定。その後種子も採取する。【南日本新聞 08.20】
☆8月19日、地球周回軌道から生物を無事回収することに成功して半世紀を迎えた。
米国よりも先の有人宇宙飛行成功を目指して宇宙船開発を全力で進めていた当時のソ連は、1960年8月19日、コラブル・スプートニク2号を打ち上げた。これにはベルカとストレルカという名の2匹の犬、数十匹のネズミや昆虫、植物や細菌類が載せられていた。
続きはこちらへ【sorae.jp 08.19】
☆韓国初の人工衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)号」(KSLV-1)の3回目打ち上げを韓国と共同開発国のロシアが合意したことについて、15日付のロシア政府系「ロシア新聞」(電子版)は羅老号の2回目の打ち上げ失敗の責任がロシアにあることを認めた結果だと報じた。ロシア政府系紙が羅老号打ち上げ失敗の責任がロシア側にあると主張したのは異例のこと。
羅老号の2回目の打ち上げ失敗を受けて設けられた、両国の専門家による共同調査委員会の第3回会議が9~12日に大田で開催され、双方は3回目の打ち上げ実施に合意した。打ち上げの時期は来年になる見通しだ。
ロシア新聞は、6月に行われた2回目の打ち上げで、ロシア側が提供したロケット1段目(下段)に問題が発生したことが資料の分析で明らかになったと伝えた。まだ2回目の打ち上げ失敗について正式な調査結果は出ていないが、専門家らはロケット1段目で何らかの不具合が発生したと指摘していると報じた。【聯合ニュース 08.16】
☆越冬を続けてきたNASAの火星探査車「スピリット」からの応答は、未だ得られずの状態が続いています。
身動きの取れなくなったスピリットは車体を適切な方向へ向けることができなかったため、ただでさえ日射量が少ない冬の間の太陽電池発電量が下限を切り、セーフモードに落ちていると考えられています。"考えられている"というのも、まだ生きているのか、ヒーターも機能しなくなり低温で破壊されてしまっているのか、正確なところは誰にもわからない状態なのです。
現在、春を迎えつつあるかの地には太陽光が戻りつつあり、スピリットが正常の場合、予測では既に機能を回復していることになっています。ただその場合でも、自らシグナルを発するのではなく地球からの信号を待ち続ける状態です。
予定では、火星上で昼の間、1時間当たり20分間の受信モードに入っているはずです。ただ、冬の間に内部時計もおかしくなってしまっていたら、もはやスピリットには昼夜はわかりませんから、どのタイミングで受信モードに入っているか管制部にも判断がつきません。そのため、複数のコマンドを、スピリットが起きているであろうタイミングを推察して打ち続けています。もしこのコマンドをスピリットが拾ったら、すぐリスポンスをするよう、命令が組み込んであります。
詳しくはこちらへ【NASA 08.18】
☆来年、最後の飛行を終え、退役する予定のスペースシャトルの展示をめぐって、全米の博物館が誘致合戦を繰り広げている。
来年退役するのは、スペースシャトル「アトランティス」「ディスカバリー」「エンデバー」の3機。
退役後は、最も旧型のディスカバリーが首都・ワシントンの国立航空宇宙博物館に展示される予定となっているが、残りの2機の展示について、NASA(=アメリカ航空宇宙局)の宇宙センターなど全米で20以上の博物館が名乗りを上げている。
そのうちの一つが、ニューヨークにある、空母を転用したイントレピッド海洋航空宇宙博物館で、17日、州の議員が集まり、あらためて誘致を呼びかけた。ある議員は「スペースシャトルがあるべき場所は、ここニューヨークです。必ずかなえてみせます」と述べている。
スペースシャトルを受け入れるには移送関連の費用だけでも約26億円かかるが、博物館側は60億円以上の経済効果があるとみており、アメリカの象徴であるスペースシャトルの人気に大きな期待を寄せている。展示される博物館は、今年冬までには決まる見通し。【日テレ 08.18】
☆米航空宇宙局(NASA)は16日、国際宇宙ステーション(ISS)の故障した冷却装置を修理するため3回目の船外活動を行い、壊れたポンプを交換するのに成功した。
ISSに2系統ある冷却装置のうち一つが7月31日に故障。8月7日に最初の船外活動を実施したが、配管からアンモニアが漏れるトラブルが発生。11日に行われた2回目の船外活動で故障したポンプを取り外し、3回目で新品のポンプを取りつけ修理を終えた。 【読売 08.17】
☆太平洋戦争末期、太陽や星の見え方から海軍機の乗員が自機の位置を割り出すため作られた冊子「高度方位暦」14冊を、山梨大工学部の高橋智子准教授(科学技術史)が海上保安庁の書庫で発見した。天体観測を担う旧海軍水路部が作ったとされていたが、実物は確認されていなかった。内容はいわば早見表で、未熟な乗員も動員せざるを得なかった当時の戦況をうかがわせる資料と言えそうだ。
活動内容が知られていない水路部を研究する高橋准教授が、業務を継いだ海保海洋情報部(東京都中央区)書庫を6日調査し見つけた。1944(昭和19)年6~12月分と45(同20)年7~10月分で「基地歸(帰)投用」「(秘)」と表紙に明記。44年版はマニラなど占領地を含む16基地の記述があるが、戦線が縮小した45年版は那覇・鹿屋・硫黄島・木更津の4カ所に減っている。
内容は24時間、20分間隔で▽太陽▽月▽ベガ・スピカ・シリウスなどの恒星▽土星▽木星--について、各基地から見上げた高さと方位を角度で表した数字が並ぶ一覧表だ。高橋准教授によると、乗員が現場で実測した数字と見比べると、そのずれから現在位置が簡単に算出できる。
戦時中は当初、日本本土を基準にした同様の資料「天測暦」が使われた。使いこなすには熟練が必要だったため早見表が作られたとみられる。
資料には訂正の書き込みも。基になる天体データは学徒動員の女学生の手計算だったため誤ったらしい。東京府立第一高等女学校(現都立白鴎高)から動員された中山一江さん(84)は「水路部の人に『間違えると兵隊が迷ってしまうぞ』と脅された」と振り返る。米軍機は現在位置が分かる計器を積んでいると聞き「女学生が手計算している日本は負けると思った」という。
海保水路部の元職員、井上圭典さん(81)は「焼却処分と聞いていたので大変貴重だ。戦争末期は燃料が乏しく、未熟な乗員も実戦投入されていた。最短距離で確実に基地に帰還させるために作られたのではないか」と話している。【毎日 08.14】
☆日本など192か国のボランティアが持つ50万台のパソコンの能力を結集し、新しい天体が見つかった。
周期的に電波やエックス線などを出す「パルサー」で、こうした試みで未知の天体が見つかるのは初めて。米科学誌サイエンス(電子版)に掲載された。
このプロジェクトは「アインシュタイン@ホーム」と呼ばれ、25万人以上が参加。ドイツのマックスプランク研究所が中心となり、インターネットにつながった各パソコンの空き時間を使って、プエルトリコのアレシボ天文台が公開していた観測データを分析した。その結果、2007年2月の観測データの中から、パルサーを発見した。【読売 08.14】
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日、国際宇宙ステーションに物資を運ぶ無人補給機「HTV」を改良し、宇宙から物資を持ち帰れるようにする「HTV-R」の開発状況を文部科学省宇宙開発委員会で報告した。
改良の具体案は(1)HTVに直径数十センチの小型カプセルを搭載(2)HTVの非与圧部(宇宙空間にさらされる貨物室)に、直径2.6メートル、高さ約1.5メートルのカプセルを搭載(3)HTVの与圧部(1気圧に保たれた貨物室)を直径4メートル、高さ3.8メートルの大型カプセルに改造--の3案。
JAXAは、有人宇宙船への転用が可能な(2)と(3)を中心に検討中で、今年度中にどちらかを決定し、16~18年の1号機打ち上げを目指す。(1)はステーションの日本実験棟きぼうにカプセル射出装置を取り付ける方法も含め検討する。【毎日 08.12】
☆国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士2人が11日に船外活動を行って、故障した冷却装置を修理した。船外活動が行われるのは1998年以来、これで149回目となる
ISSの冷却装置は7月31日に故障して警報が鳴り、システムの一部が停止した。米航空宇宙局(NASA)によると、宇宙飛行士2人は7日にも約8時間かけて船外活動を実施し、アンモニアを巡回させるポンプを交換しようとしたが、この時は修理できなかったという。
制御装置が機能しなければ、軌道上を周回するISSの太陽に面した側の温度は121度に上昇し、反対側はマイナス157度にまで下がってしまうという。故障後はISSのバックアップシステムで冷却を続けている状態だった。【CNN 08.13】
☆東海地方の広い範囲で7日夕に通報が相次いだ「ドーンという爆発音」について、国立天文台(東京)の研究員らは、流星が原因との見方を強めている。
同天文台研究員の石原吉明さん(33)によると、同日午後5時ごろ、東海地方を中心に大規模な流星群が観測された。石原さんは、その一部が地表近くまで落下した際、「ソニックブーム」で発生した音の可能性が高いとみる。ソニックブームとは、物体が音速を超えた際に発生する衝撃波が地上に伝わる現象で、流星のほか戦闘機などでも起きる。また、流星そのものが落下の衝撃に耐えられず爆発した音の可能性もあるという。
愛好家でつくる日本流星研究会も、目撃情報から流星の可能性が高いとみる。おおむね南東から北西に向かって落下したという。
三重県伊勢市で目撃した会社員の女性(39)は「普通の流れ星より大きくて、先端は丸く、飛行機雲のように尾を引いていた。あい色に見えた」と話した。
鳥取県や長野県などでも目撃されていたといい、石原さんは目撃情報や地震計の数値などをもとに落下経路の特定を進めている。【朝日 08.09】
☆小惑星探査機「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」について、その意義や技術を検討してきた文部科学省宇宙開発委員会の推進部会が5日、本格的な開発への移行を「妥当」と判断した。
同省は来年度予算の概算要求に、研究開発費などを盛り込む方針だ。
計画では、はやぶさ2は2014年に打ち上げられ、有機物に富むと考えられる小惑星「1999JU3」に18年に到着。着陸して物質を採取し、20年に地球へ持ち帰る。太陽系の初期の姿をとどめる小惑星で有機物を含む物質が採取できれば、地球の生命の起源を知るうえで、貴重な試料になる。はやぶさの試料採取装置がうまく動かなかった教訓を踏まえ、今度は爆薬で小惑星の表面に穴を開け、内部の石などを確実に採取する。
開発費ははやぶさより約20億円高い148億円に上る見通し。【読売 08.05】
☆6月に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」について、文部科学省宇宙開発委員会の専門部会は5日、科学的意義や費用は妥当として開発を了承した。同委員会は部会から近く報告を受け、さらに議論を進める。
はやぶさ2に掛かる費用は、機体開発や運用で計164億円との試算が出ている。宇宙航空研究開発機構は、2014年の打ち上げを目指しており、11年度から本格的な開発に入る必要に迫られている。
専門部会は、開発意義について「太陽系や生命の起源などについて新たな発見が期待され、科学的意義は大きい」とした上で「はやぶさの技術を最大限に継承し、低コスト化を図る」との結論を出した。
また、5日の専門部会では、03年5月にはやぶさを打ち上げた固体燃料ロケット「M(ミュー)5」の後継機「イプシロン」についても、開発は妥当と評価し、議論を宇宙開発委員会に移すことを決めた。【時事 08.05】
☆準天頂衛星初号機「みちびき」については、平成22年6月23日発表のとおり、「みちびき」に搭載されている、海外メーカから購入しているリアクションホイールに懸念事項が確認されたため打上げを延期しておりましたが、当該部品の交換作業が終了し、打上げの見通しが得られたことから、H-IIAロケット18号機による「みちびき」の打上げを下記のとおり実施することと致しましたので、お知らせ致します。
打上げ予定日 : 平成22年9月11日(土)
打上げ予定時間帯 : 20時17分~21時16分(日本標準時)
打上げ予備期間 : 平成22年9月12日(日)~平成22年9月30日(木)
※打上げ時間帯は打上げ日毎に設定されます。
打上げ場所 : 種子島宇宙センター 大型ロケット発射場
プレスリリースはこちらへ【JAXA 08.04】
☆米航空宇宙局(NASA)は1日、国際宇宙ステーション(ISS)でアンモニア式の冷却装置の1つに問題が検知され、警報が鳴ったと発表した。
NASAによれば、冷却装置が米東部時間31日午後8時(日本時間1日午前9時)ごろ、アンモニアを巡回させるポンプで出力の急上昇が検知された後に停止した。このためISSのほかのシステムも停止させるなどの措置を取ったという。
ISSには現在、米国とロシアの乗員6人が滞在しているが、乗員の身に危険が及ぶ状況ではないという。乗員が問題の解決に当たり、ISSの安定を保持するとしている。
この2日前にNASAは、宇宙ごみがISSに危険をもたらす恐れがあると警告したが、その日のうちに、危険は去ったと発表していた。【CNN 08.02】
…NASAの発表によると、2回の船外活動で修理するとのことで、第1回目が6日に予定されているとのことです。詳しくはこちらへ
☆火星探査車スピリットとの交信回復の可能性が小さいかも知れないという。
スピリットは砂地に車輪を取られ身動きが出来ない状態で、定点観測を続けてきた。かの地は昨年末に冬に入ったが、車体が動かせないため太陽電池パネルを適切な方向に向けて備えることができなかった(下は昨年11月24日、前方ハザードカメラで撮影された一枚。左前輪が殆ど埋まってしまっている)。
そのため、低下する電力に耐えきれず、今年3月22日に最後の交信が行われて以降、現在まで不通の状態にある。車はバッテリーなどヴァイタルパートのみを保温する冬眠モードの状態に置かれており、春が来て電力が回復したらシグナルを発するように指示がされていた。
現在春を迎え、理論的には今月23日頃には交信可能まで電力が回復しているはずという。26日より、こちらからコマンドをうち、それに対する応答がないか繰り返されているが、まだ反応がない。
シミュレーションでは乗り切れるはずということになっているというが、なにせ未知の領域であり、可能性の厳しさも理解されている。来年3月に夏至を迎えるが、それまでに応答がなければ、以後の復活は絶望的ということになる。詳しくはこちらへ【NASA 07.30】
☆現在、宇宙航空研究開発機構種子島宇宙センター及び内之浦宇宙空間観測所でのロケットの打上げは、年190日を打上げ対象期間として、種子島周辺の漁業者の理解と協力を得て実施されている。
一方、宇宙基本計画(参考参照)においては、打上げ射場は、国の自立的な宇宙へのアクセスを保証するための重要なインフラであり、加えて、民間の商業打上げサービスの国際競争力を向上する観点でも確実に利用できる状況にしておく必要があるため、打上げ時期の制約の改善等に関する検討を進め、対応に努める、としている。
種子島周辺漁業対策協議会及び宇宙航空研究開発機構は、必要な時期にロケット打上げ機会を確保でき、諸外国に比べ遜色のない開かれた射場の体制整備の確立を目指し、ロケットの打上げ対象期間を、平成23年4月より現行の年190日間から通年とすること等について、関係5県(鹿児島県、宮崎県大分県、高知県、愛媛県)の漁業者へ申し入れていた。
今般、種子島周辺漁業対策協議会及び宇宙航空研究開発機構と、関係5県の協議組織との間で下記の合意に至った。詳細の続きはこちらへ【JAXA 07.29】
☆国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の宇宙飛行士が27日に行った船外活動の最中に、2個の物体がISSから離れて漂流していく様子を米航空宇宙局(NASA)の生中継がとらえていた。
この日の船外活動では、2人の宇宙飛行士が約6時間かけて、ビデオカメラを交換し、ISSとロシアの実験モジュールを結ぶケーブルを接続する作業を行った。
その作業の途中で、2つの物体がISSを離れて漂流していく様子が確認された。正体についてはNASAも首をひねっていたもようで、NASAの生中継では「テキサス州ヒューストンの管制官が、船外活動中に漂流していった物体について調べている」という音声が流れた。「正体は確認中だが、ISSに問題を引き起こすようなものではないはずだ」としている。
NASA広報によると、この物体はケーブルの接続に使われた締め具のようだという。前回の船外活動の際に外に出したままになっていたと考えられる。
その約1時間後、今度は小型の円形の物体が浮遊していくのが見え、NASAの中継は「ワッシャーか何かのようだ」と伝えた。
NASAでは画像を解析して正体を突き止める方針。しかし「6時間半の船外活動の間に物体が1つや2つ流れていくのは珍しいことではない」としている。【CNN 07.28】
☆先端技術大賞の授賞式では、小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネージャである宇宙航空研究開発機構(JAXA)の川口淳一郎教授が記念講演を行った。内容は以下の通り。
会場の看板に「独創性を拓(ひら)く」とあるが、「はやぶさ」もまさに世界初をねらったものだ。
構想は30代のとき。それまで宇宙は片道飛行だったが、資源の利用などを目指したら往復となる。アポロは月だが、地球の引力圏の外にあるもので小惑星となった。
日本の宇宙開発は、あまりにも米・旧ソ連と比べ遅れている。外国の機関と勉強会を開いて、ビギナーにもできそうなものとして小惑星とのランデブー(接近飛行)を構想していたが、なかなか実施に移せなかった。NASA(米航空宇宙局)はそれをいとも簡単にやってしまった。
宇宙開発は先進的とみられるが違う。企業の人も分かるだろうが、試作品でクレームが出ないことはまずない。それで実験をやるので、どうしても保守的にならざるを得ない。
でも、私どもは保守的になるのはどうしても嫌だった。それで、「はやぶさ」のように世界初をねらった。NASAでは「はやぶさ」のようなものは出せない。
世界初で、全く試みられていない、テキストも論文もない最初の道だった。高いところに登って展望すると技術の水平線がみえてくる。その観点で宇宙開発のみならず、科学技術で、みなさんはテキストを作るようなことをしてほしい。
菅(直人)総理に何が良かったか聞かれたが、「技術より根性」と言った。矛盾するかもしれないが、スピリッツ(意志)とペイシェンス(忍耐強さ)は重要。「はやぶさ」が行方不明になったとき、私どもは神頼みするようになった。「運を天にまかすのか」などといわれたが、神頼みは、きっかけを見失わないためにも必要だ。運や機会をとらえるのも実力のうち。みなさんの受賞も機会をつかんだ結果だろう。
投資を回収するには10年やそれ以上先になる。そういう長い目の投資でこそ、大きなリターンが得られる。政府にもご配慮いただければありがたい。
日本が元気を出すには科学技術の推進が重要だ。われわれも自信と希望をもてるよう努力する。みなさんも努力していただきたい。【産経 07.28】
☆既存の人工衛星システムに比較して小規模である超小型衛星は、開発期間が短く、低コストで済み、加えて最新の研究開発成果を取り込むことが可能となると期待されており、これまで大学等において、その研究開発が進められてきました。
また、超小型衛星の研究開発の過程には大型衛星の開発に比べ、大学等の若手研究者が主体的に参画しやすい環境を構築できることから、国内外の若手人材育成のツールとして超小型衛星開発を積極的に活用していくことも求められております。
そこで、平成22年度の本事業では、超小型衛星による高頻度な地球観測の実現に向けた研究開発と、アジアなどの宇宙新興国との協力によるキャパシティ・ビルディングを組み合わせた事業の実施を目指します。詳しくはこちらへ【文部科学省 07.26】
☆ロシア郵便は先日、ゲルマン・チトフ飛行士にちなんだデザイン封筒&葉書を発行しました。
チトフ飛行士はガガーリンの次、人類2番目に宇宙飛行を行いました。封筒は"A"の文字が打たれたものは、チトフ飛行士が帰還した地(サラトフ州クラスヌイ)に建てられた記念碑周辺を描いたもので、"B"と打たれたのは葉書で、記念碑に刻まれた彼の肖像を描いたもの。
発行枚数、封筒は50万枚で、葉書は1万500枚とのことです。詳しくはこちらへ【Roscosmos 07.26】
☆ロシア・ラボーチキン公団は、2014~15年頃に水星探査を行う計画を持っていることを明らかにした。これはロシア連邦宇宙計画に盛り込まれているといい、現在初期設計の段階にあるという。
水星への着陸を目指した野心的な内容で、ハードウェアはフォボス・グルントで使用されるものをベースにしたものを考えているという。
一方、火星の衛星「フォボス」に接近、着陸し、土壌を地球へ持ち帰るフォボス・グルント計画に関して、探査機は2011年末に打ち上げられる見込みとのこと。現段階でそれへ向けた細かいタイムテーブルは出来上がっており、今年秋までに各種ハードウェアが完成し、組み立てフェーズへと入り、来年始めにはチャンバーテストにこぎ着けるという。打ち上げは11月とされており、それまでの各種テストの日程も固まっている模様。
詳しくはこちらやこちらへ【Roscosmos 07.22】
☆ロシアの2011年度宇宙開発予算には750億ルーブル(約2100億円)が割り当てられる予定とのこと。ただしこれには、ロシア版GPS「グロナス」と宇宙センター拡張費は含まれないとのこと。ちなみに2010年度は670億ルーブル。詳しくはこちらへ【Roscosmos 07.22】
…グロナスは別ポケットからですのですか。力入れてますね~。
☆ロシアが、ソ連時代からロケット打ち上げ拠点としてきたバイコヌール宇宙基地(カザフスタン)に代わり、ロシア極東のアムール州に新しい打ち上げ基地を建設する計画に着手した。プーチン首相は今週、基盤整備などに3年間で247億ルーブル(約740億円)を投入すると明らかにした。
新しい「ボストーチヌイ宇宙基地」は2012年に着工し、15年に無人ロケット、18年には有人ロケットの打ち上げをめざす。野口聡一宇宙飛行士も昨年末飛び立ったバイコヌール基地はソ連崩壊でカザフスタン領となり、ロシアは毎年1億1500万ドル(約100億円)を払って借用してきた。ロシア宇宙庁によると、段階的に新基地へ打ち上げ拠点を移していく方針だ。
アムール州のウグレゴルスクやスボボードヌイ付近一帯に、発射施設のほか、住居や病院など、2万~2万5千人規模の都市施設も整備する。事業全体では計3650億ルーブル(約1.1兆円)規模が投入され、極東経済を活性化する起爆剤に、との期待もかかる。政府系シンクタンク・ロシア地域発展国際センターのメラメド所長は「技術力の高い日本企業に参画や投資を呼びかけたい」と強調する。
同所長によると、アジアと欧米を結ぶ貨物輸送のハブ機能を持った空港を建設。アムール川に建設中の新しい橋を活用して中国との物流拠点としても位置づける。幹線道路や鉄道敷設、小型ジェット輸送網、ロケット燃料の液体水素工場の建設などの分野で日本企業と連携を望んでいる。【asahi.com 07.22】
☆JAXAは7月21日 、小型科学衛星「SPRINT」シリーズの開発計画の概要を発表した。これによると、SPRINT-A(小型科学衛星1号機)は、2013年度にイプシロンロケットでの打ち上げを目指し、開発を進めているという。
SPRINT-Aは金星、火星、木星を極端紫外線(EUV)で観測する。金星・火星については、大気流出を観測し、惑星大気流出の太陽風の応答を解明して、惑星大気進化の歴史の多様性生命を育む惑星の成立条件を探求する。木星の観測では、電子温度を導出するとともに、発光領域の背景エネルギー収支のメカニズムを解明し、惑星環境多様性の理解を促進する。
小型科学衛星のミッションの特徴には、「EUVで観測する科学は例がほとんどないため、発見的な要素が多く、教科書を書き換える成果が期待できること」、「指向安定度は数秒角を目指しており、大型衛星と遜色ないこと」などがある。【マイコミジャーナル 07.22】
☆今月17日、米国とソ連(現ロシア)の宇宙船が地球周回軌道上でドッキングしてから丸35年を迎えた。
1972年5月、米国とソ連がお互いの宇宙船を軌道上でドッキングさせるという計画「アポロ・ソユーズ・テスト計画」(ASTP)が調印された。これは宇宙空間の平和利用に関して協力するという覚書に基づいたものであった。
この計画に従い、75年7月15日、アレクセイ・レオーノフおよびワレリ・クバソフ両飛行士を乗せたソユーズ19号がバイコヌール宇宙基地より打ち上げられ、その7時間半後にトーマス・スタフォード、ヴァンス・ブランドおよびドナルド・スレイトンの3飛行士を乗せたアポロ18号がケネディ宇宙センターより打ち上げられた。両宇宙船は17日にドッキングし、フランス上空で米ソの飛行士達は握手をしあった。
ドッキングは44時間続き、ソユーズ19号は21日、アポロ18号は24日に地上へ帰還した。
…モスクワの宇宙記念博物館では19日、これを記念した式典が催されました。下は、会場へ向かう飛行士達。サングラスをかけているのはレオーノフ氏。
左からクバソフ、レオーノフ、スタフォードおよびブランドの各飛行士達。
詳しくはこちらへ【Roscosmos 07.20】
☆日本人最長の163日間の宇宙滞在を6月に終えて帰国した野口聡一宇宙飛行士(45)が20日、東京都内で会見。「(帰国後に食べた)天ざるがおいしかった。カレーや丼物は宇宙でも普通になったが、カラッと揚がった天ぷらは難しい」と、笑顔で語った。
野口さんは「山崎直子宇宙飛行士の活躍や(小惑星探査機の)はやぶさの成功もあり、宇宙への注目度がすごく高くなった」と約1年ぶりとなる日本の印象を述べた。長期滞在の舞台ながら、費用負担などから国際宇宙ステーションへの参加見直しを求める動きには「美しさや静かさ、実験の幅広さなど、日本の実験棟きぼうの出来栄えは群を抜いている。日本の底力を冷静に評価してほしい」と訴えた。
長い無重力生活の影響で落ちた筋肉の量や骨密度はリハビリでほぼ回復したが、「筋肉をしなやかに保つのはこれからの課題。一般の人が長期間宇宙に行けるようハードルを低くするのも宇宙飛行士の任務だ」と述べた。【毎日 07.20】
☆2014年夏に水星へ旅立つ探査機の試験機が、相模原市の宇宙航空研究開発機構でほぼ完成して、全面鏡張りの風変わりな機体が姿を現した。
水星は太陽に最も近い惑星で、地表温度は約450度に上る。熱対策が最大の課題で、鏡はその秘密兵器。強烈な太陽の光をはね返すことで、計算では鏡の表面を160度、観測機器が搭載された機体内部を60度以下に抑えることができる。
機体は幅約1・8メートルの八角柱で、翼のような形の太陽電池パネルはない。側面にぐるりと巻かれた3本の黒い帯が太陽電池だ。同じ面ばかりに光が当たって過熱しないよう、機体は回転し続けるが、どの面が太陽側を向いても発電できる。10月には、オランダで熱対策が有効か試験を行う。強烈な光と熱を発する「疑似太陽」を使い、水星と同じ熱に耐えられることを確かめる。成功すれば、実際に打ち上げる機体を来年6月ごろから製造する。
探査計画を率いる早川基教授は「水星探査は、熱との闘い。そのための様々な工夫を詰め込んだ」と話している。【読売 07.20】
☆小惑星探査機「はやぶさ」が6月に帰還したことを受け、”誕生の地”である相模原市が宇宙ブームに沸いている。はやぶさ帰還を描いた映画を上映する市立博物館(中央区高根)には、全国から来場者が押し寄せている。はやぶさが持ち帰り、同館で今月末に全国初公開となるカプセルについても問い合わせが殺到。4月に政令指定都市に移行した相模原市は「シティーセールスにつなげたい」と、追い風に期待を寄せる。
映画は、帰還が話題になった6月だけで約5千人が観賞。平日でも定員210人の席がぎっしり埋まり、満員御礼が続く。「開館以来、こんなことは初めて」と市立博物館はうれしい悲鳴を上げる。好評を受け、今月16日までだった上映を8月31日まで延長することを決めた。
宇宙関連のイベントも相次ぐ。市は、市内に研究機関のある宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)と今月1日、山崎直子さんら宇宙飛行士の講演会を開いた。事前に用意した500人分の入場チケットが、配布開始とともに終了するほどの人気だった。
30、31日には市立博物館で、小惑星「イトカワ」の微粒子を持ち帰ったことが期待されるカプセルが展示される。宇宙機構相模原キャンパス(中央区由野台)の一般公開の一環。同館は「全国から宇宙ファンが多く訪れるだろう」と万全の準備を進めている。
「宇宙のまち」として、相模原市は1987年から宇宙機構の研究施設のある全国の自治体と友好関係を結び「銀河連邦」としてイベントなどを開催してきた。
今回の盛り上がりについて、市渉外課は「着実に取り組んできてよかった」と話す。加山俊夫市長は「市の魅力発信に関して、キーワードの一つに『宇宙』を掲げ、宇宙機構とのさらなる連携を図りたい」と意欲を見せている。【神奈川新聞 07.18】
☆小惑星探査機「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」について、文部科学省は14日、開発計画の検討に入った。計画では14年7月~15年に打ち上げ、H2Aロケットによる打ち上げを含む総事業費は270億円。今後、文科省宇宙開発委員会の部会で資金計画や科学的意義を審議、8月の来年度概算要求までに結論を出す意向だ。
はやぶさ2は、はやぶさが到着した小惑星「イトカワ」より形成年代が古く、有機物や含水鉱物に富むとされる小惑星「1999JU3」を目指す。小惑星に物を衝突させて人工クレーターを作り地下物質を採取する。19年ごろ地球に戻り採取物質を収めたカプセルを地上に投下する。
また、文科省は、06年に廃止された国産ロケットM5に代わる新型固体燃料ロケットも開発する方針を示した。「イプシロン」と命名され、13年度に打ち上げ予定。高さ24メートル、重さ91トンとM5より小型・軽量で、打ち上げ準備期間もM5の42日から世界最短の7日間に短縮する。打ち上げ費もM5の半減の38億円に抑え、小型科学衛星や将来の月探査機に使う。開発費205億円。【毎日 07.14】
☆2000年7月12日、国際宇宙ステーションの主要モジュールである「ズヴェズダ」が打ち上げられた。今年はちょうど10年目にあたる。
ズヴェズダ・モジュールはロシア側の居住区画。興味深いのは、これは元々ソ連が運用していた「ミール」居住モジュールのバックアップとして建造されたもの(DOS-8 serial No.128)。同時にこれは、後に「ミール2」計画にて使用されることになっていたが、ISS計画変遷の中で、現在の形に落ち着くことになったのであった(実際、エネルギア社の組み立て工房ではある時期まで「ミール2」と呼ばれていた)。
下は、バイコヌール宇宙基地で打ち上げに向けて準備段階のズヴェズダと打ち上げ。
最近はそうでもなさそうですが、ロシアのロケットの打ち上げでは、よく瓦礫みたいなものが吹っ飛んでいくんですよね。上の写真でも、左上に舞っています…
内部の様子。基本構造はミールと同じ。
トイレ。壁にはティッシュのようなものもついています。
そういえば不調が伝えられていた米国側のトイレは、8日に元に戻ったようです。【photo: NASA】
☆欧州宇宙機構(ESA)の彗星探査機「ロゼッタ」が欧州中央時10日午後6時10分(日本時11日午前1時10分)、小惑星「ルテチア」に3162kmまで接近、観測に成功した。
ロゼッタは2004年3月2日、アリアン5ロケットによって打ち上げられ、2014年の「67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ」(Churyumov - Gerasimenko)彗星(CG彗星)接近を目指して飛行を続けている。CG彗星到着までに地球に3回、火星に1回、そして2個の小惑星「シュタインズ」そして「ルテチア」へのフライバイを行う。シュタインズや火星へのフライバイでも印象的な画像が取得されたことは記憶に新しい。
今回接近したルテチアは1852年に見つかったもの。望遠鏡技術の発達と共に観測も進んだが、ルテチアは炭素系物質を多量に含む「C型」にも、金属物質で構成される「M型」にも見受けられ、正確なことははっきりしなかった。特にM型は、形成初期に元々大きかった小惑星が剥がされ、むき出しになった金属核と考えられている。
ルテチアがどちらのタイプなのかは、取得されたデータの分析で今後明らかになることだろう。下は取得された画像の1枚。長軸の長さはざっと130kmである。
下は、背景に土星の入った画像。ナイスショット!
詳しくはこちらへ【ESA 07.10】
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成22年5月21日(日本標準時、以下同様)に種子島宇宙センターから打ち上げられたIKAROSの運用において、セイル展開後に実施した精密軌道決定により光子加速を確認しましたので、お知らせいたします。
太陽光圧による推力は1.12mNであり、想定通りの値です。
これによりIKAROSは、惑星間航行において、光子による史上最大の加速度を発揮した実証機となりました。プレスリリースはこちらへ【JAXA 07.09】
☆RIAノーボスチ通信が伝えるところによると、ロシア宇宙庁のペルミノフ長官は8日、中国の宇宙船がソユーズ宇宙船のリザーブになりうると語ったという。
これは国際宇宙ステーション(ISS)への輸送手段のことで、米スペースシャトルの退役後のことについて述べたもの。「中国の宇宙船は非常時に取って代わることができるのではないかと、私は考えている」と長官は語っている。中国の宇宙船は要求される全ての安全条件を満たしているという。
2011年のシャトル退役後、ISSへの輸送手段はロシアのソユーズ/プログレス宇宙船のみになる。非常にタイトなスケジュールとなることは明らかで、予備機として中国の船に関心を寄せていると、同長官は語る。
ただし現時点では、中国に対して向けられたISS計画参加の提案(これはISS参画国のうち、5ヶ国で中国に示したもの)に、同国は反応を示していないという。1ヵ月ほど前には中国宇宙庁の長官が異動となり、現時点ではまだ後任が選出されていない。このようなことからも、ISS計画に対する同国の態度もまだ不明のままとなっている。詳しくはこちらへ【Roscosmos 07.08】
☆6日、国際宇宙ステーション(ISS)の米国側のトイレが故障し、今なおその状態が続いているそうです。「トイレの修繕は飛行士達の優先事項ではない」とかだそうで…プログレスで運ばれたばかりの荷物を下ろしたりなど、バタバタだそうです。ちなみにトイレ修繕道具と資材はすべてISSに備わっています。
3人の米国人はロシア側のトイレを利用しているとのこと。詳しくはこちらへ【Roscosmos 07.09】
☆宇宙航空研究開発機構(JAXA)の立川敬二理事長は8日の定例会見で、2011年度宇宙開発予算の概算要求に関して「シーリング(基準)が10年度予算を上回らないことなので、増額要求できない。『はやぶさ(小惑星探査機)』の後継機など新規案件がいくつかあり困っているところ」と述べた。
JAXAを所管する文部科学省から財務省に出す同要求額で同省との間で、10年度比減額を基準に要求項目で困惑していることを明かしたもので、はやぶさ後継機の来年度概算要求が微妙なことを示唆した。
はやぶさは再三、トラブルを起こしながらも、7年の旅を終え、地球に帰還。小惑星「イトカワ」から採取された可能性のある砂ぼこりの解析に関心が集まっている。【日刊工業新聞 07.09】
☆特許庁のコンピューターシステムを巡る汚職事件が、気象庁発注の300億円規模の入札に思わぬ余波を広げている。贈賄容疑で社員が逮捕された情報システム最大手「NTTデータ」が指名停止になった影響で、N社と共同で気象衛星運用事業に応札していた衛星通信会社「スカパーJSAT」社は8日の開札を待たずに“失格”が決まった。とばっちりを受けたス社は、内閣府の政府調達苦情検討委員会への申し立てを検討している。
気象庁が入札を実施するのは14、16年に打ち上げ予定の気象衛星「ひまわり8号」「同9号」のデータ送信や施設の保守管理業務。契約期間は10~30年で、ス社によると事業規模は300億円に上る。
関係者によると、N社とス社は2回の事前審査を経て5月に共同で応札し、8日の開札を待つばかりだった。しかし、6月22日にN社の社員(45)が特許庁職員(45)にわいろを贈ったとして、警視庁に贈賄容疑で逮捕されたため、気象庁は6日付でN社の入札資格を1カ月停止した。
ス社は業務割合や出資比率などから「N社なしでも業務を遂行できる」と主張し、単独入札でも有効とするよう求めたが認められなかったという。ス社関係者は「実績を踏まえると落札する自信はあった。ビジネスパートナーのせいでこんなことになるとは……」と落胆の色を隠さない。
N社は取材に「個別の入札案件には答えられない」と回答した。【毎日 07.08】
☆約7年に及ぶ宇宙の旅を終え、先月地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」。そのはやぶさが持ち帰ったカプセルが30、31の両日、相模原市中央区高根の市立博物館で一般公開される。全国初となるカプセルの公開に、同博物館の担当者は「60億キロもの壮大な宇宙を旅して帰還したカプセルから、宇宙への夢やロマンを感じ取ってほしい」と話している。
カプセル公開は、同区由野台の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の相模原キャンパスが、研究室や施設などを特別公開するのにあわせて企画された。
はやぶさは平成15年5月に鹿児島県の「鹿児島宇宙空間観測所」から打ち上げられ、17年11月に地球から約3億キロ離れた小惑星「イトカワ」に2度着陸し、砂などの土壌の採取を試みた。着陸したときの衝撃で舞い上がったほこりなどを採取した可能性があり、地球に帰還後は同キャンパスに運ばれ、慎重な確認作業が行われている。
一般公開にはカプセルのほかに、オーストラリアの砂漠に着陸した際に使用したパラシュートも展示される予定。現在JAXAで展示に使われる専用のケースを作成しており、カプセルの内部も観察できるように5つのパーツに分解して展示されるという。
JAXAの広報・普及係は「日本独自に進めてきた宇宙開発の成果を1人でも多くの人に見てもらいたい」と意気込んでいる。
また公開期間中は、はやぶさの宇宙での探検の様子をCGで描いた映画「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」が、同博物館のプラネタリウムで1日4回上映される。入場無料。映画の観覧料は大人500円、子供200円など。開館時間は両日とも午前9時半~午後5時まで。【産経 07.08】